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33 - 今宵の夜…月に誓う

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2020年09月05日

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夏休みが終わり再開した学校

周りはみなまだ夏休みが欲しいとつぶやく人達が多い

俺としては別に夏休みが欲しいとかそんな考えはなかった

大して友人もいないし外に出る用事がない

夏休み期間俺は何をしていたかと聞かれれば俺はバイトをしていたと答える

そう答えるしか俺にはなかったからだ

周りからは「〜に遊びに行った」なんて話が聞こえてくる

あの少ない休暇の中遊びに行けた奴らはきっと俺より友人も多いやつなんだろう

騒がしい教室の中自分の席にと腰掛け

流れる雲を眺めながらそう思った

少しして前の席にある人が座る

【烏間 桜】(からすま さくら)前の席のやつの名前だ

そいつは俺としては少し苦手な相手だ

どう苦手かと言うと…

おっはよー!

彪吾

……

あれぇ?

夏休み明け初日から無視ですか?

彪吾

……

なんで無視するのかな〜

私はただお話したいだけじゃん?

彪吾

俺が話したくないからだ

お!返事してくれた!

てか、なんで話したくないのよ?

彪吾

………

まさか夏休みろくな過ごし方してなかったんでしょ?

だから周りの子達の会話聞いてちょっと不満なんでしょ?

彪吾

そんなわけない

いーや!

これは図星とみたね!

どーせ家出ゴロゴロしてたかバイト三昧だったんでしょ?

彪吾

……

ほら目線逸らしたー!

私の考え当たってるぅ〜!

こんな感じで俺のプライベートゾーン関係なくずかずかと入ってくるのだ

こいつのこの性格が俺はイマイチ好きではない

だが唯一コイツだけが俺に話しかけてくる人物であるのは確かだった

じゃあさじゃあさ!

夏休みでエンジョイ出来なかった分

この後私と一緒にエンジョイしようよ!

彪吾

は?

夏休みろくな過ごし方してなかったから不機嫌なんでしょ?

それなら夏休み出来なかったことをこの後やっていこうよ!

彪吾

別に不機嫌でもないし…

彪吾

夏休みの過ごし方なんて人それぞれだろ

彪吾

俺はバイト三昧にするって決めてたから…

強がっちゃって〜

彪吾

はぁ……

じゃあ今週の土曜日空いてる?

彪吾

空いてるけど…

彪吾

お前まさか?

その日に近くの神社でお祭りがあるんだって

そこ一緒に行こうよ!

彪吾

めんどくさいから却下な?

ダメ〜

あなたに拒否権はありません!

彪吾

あーやっぱり土曜日シフト入ってるわー

嘘ついてもダメでーす

彪吾

………

じゃあそーいう事だからさ

彪吾

仮に行くとして俺とお前のふたりなのか?

そーだけど?

彪吾

はぁ……

なんでため息ついてんのよ!

彪吾

休日なのに疲れが取れそうにないなと

彪吾

むしろ疲労感が増幅する可能性があるからさ

何大人ぶってんのよ!

彪吾

逆にお前はまだまだガキンチョなんだよ

違います〜!

元気が有り余ってるだけですー!

彪吾

それを俺はガキだって言ってんだよ

はぁ!?

ちょームカつく!

彪吾

ほらチャイム鳴ったから前向けや

( ○'н' )ムゥ-

俺の返しに腹たったのか頬をふくらませたあと舌を出して煽ってきた

やること言うことやはり子供っぽい

だから俺はこいつが苦手なんだ

結局断りきれなくて土曜日の祭りに参加する事になった

あっという間に平日は流れていき約束の日

行きたくなかった祭りの日が来てしまった

断れなかったため渋々来ているが当の本人がこの場にいない

時間も集合場所もアイツが決めたというのにその本人が遅れるなどあっていいのだろうか?

俺は決められた時間より少し早めに着いて待っていたが約束の時間を過ぎてもあいつは来ない

結局あいつが来たのは約束の時間から10分後の事だった

ごめんごめん遅れちゃった

彪吾

遅すぎる

彪吾

まさか時間を守れないほど子供だったとは…

仕方ないでしょ!

女は支度に時間がかかるのよ

彪吾

そんな浴衣なんて着るからだろ

お祭りの日はこれ着るでしょ!

彪吾

ほんとに…お前歳いくつだよ

女性に歳を聞くのは禁句よ?

彪吾

俺と変わんない歳だろ

心はいつでも小学生!

彪吾

なるほどな……

彪吾

だからガキっぽいのか

彪吾

これでお前がガキっぽい理由が分かった

違う違う!

そーいう意味で言ったんじゃなくて

いつまでも童心を忘れないって意味合いで…

彪吾

ハイハイ…

彪吾

ほら楽しみにしてたんだろ祭り?

彪吾

早く行かないと終わっちゃうぞ?

待って待って!

一緒に行こうって!

彪吾

ほんと…めんどくせぇな……

そのあとはそれなりに祭りを楽しんだ

祭り屋台の定番金魚すくいや射的

当たるはずないのにクジ引きとかも引いてたな

遊び疲れて焼きそばとかも買ってちょっと休憩したかと思えばまた射的屋に行ったり

振り回される俺は一体何なのか…

完全に俺はコイツの保護者みたいな立場になっていた

そのわちゃわちゃした時間も過ぎていき気が付けば祭りは終わりを迎えていた

最後にラムネを二本買って神社の方にと歩いていく

ここの神社は山の中に建てられていたもので神社から見た景色は綺麗なものらしい

神社に向かう途中桜がそう話してくれた

別に聞いてもないし興味はなかったがそこで素っ気ない態度はまずいと思いそれなりの反応をしたつもりだ

しばらくすると鳥居が見えてきてそこをくぐるのかと思ったがくぐらず

その一二歩手前の石段の上に腰掛けた

雰囲気的に俺も座らないといけないようなので隣に座る

彪吾

……

………

気まずい空気が流れ出す

俺自身人とあまり関わったりしていなかったのでこの場合どう声をかければいいのかさっぱりである

なにか話題を作ろうと考えていると桜が先に話題を提示してくれた

そろそろ祭りが終わるじゃん?

彪吾

あぁ…

確かねここの祭り最後に大きな花火が上がるんだよ

彪吾

そうなのか…

それで他の人は別の場所で花火を見るんだけど

私的にはここで見るのが1番なんだよね

彪吾

なんでだ?

だってここから見える景色は遮るものがないもん

花火も綺麗に見えるしその下には街の灯りがあってそれも綺麗に見える

何よりこの辺明かりが少ないから星も月も綺麗に見えるんだよ

彪吾

そうなのか

何その全く興味ないみたいな返事

彪吾

いや?

彪吾

そんなことは無いけどな

嘘つけ!

彪吾

いやいやほんとな?

彪吾

事実俺は確かに夏休みろくな過ごし方をしてなかったからな

彪吾

ずっとバイトばっかりしてたからさ

彪吾

今日こうやって祭りに誘われたこと正直ありがたく思ってる

彪吾

たまにはこーいう事も悪くないなって思ってな

ふ〜ん…

彪吾

なんだよ?

最初は嫌々だったくせに今は正直に感想とか言っちゃってさ

彪吾

はぁ……

彪吾

今の取り消しな

無理でーす

彪吾

さて、もう帰ろうかな

待って待って!

私が悪かったから!

せめて最後の花火くらい見ようよ!

彪吾

はぁ……

彪吾

ほんとお前はガキだな

それでいいし別にー

そんなやり取りをしていると花火が上がっていた

やっぱりここから見る花火は綺麗だねー

彪吾

悪くないな…

花火もだけど月も綺麗だよね

今日ちょうど満月みたいだし

彪吾

満月を後ろにして咲く花火か…

彪吾

綺麗なもんだな…

ほんと…

月が綺麗ですね…

今にも消えそうなそんなか弱い声で桜はそうつぶやいた

彪吾

ん?なんか言ったか?

別に?

ただあんたの言ったみたいにこの景色が綺麗だなって…

彪吾

ふーん…

な、何よ!

彪吾

いや?

その返し腹立つ!

彪吾

それは気のせいだな

絶対気のせいじゃない!

蒼白い月が2人を見つめる

その出会いと今後の関係を祝うかのように薄暗い夜空に1輪の大きな花が咲く

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