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急速進行性糸球体腎炎(指定難病220)
糸球体腎炎のうち 、 数週から数ヶ月の短い期間に
急速に腎機能が低下する病気
無治療であれば多くの場合
末期腎不全に至る可能性が十分にあり 命に関わる危険性の高い病気
検索ワードに掛けた言葉だけで 胸は少しずつ痛み始める
目に入る情報は 苦しいものばかりで 、
サイトは直ぐ閉じ 晴哉くんとの通話履歴を眺めた
君のいない校舎は酷く淋しい 。
君がいた教室を廊下から 眺めては目を逸らす 。
其の行動を繰り返す
此れじゃあまるで 愛してる人を恋しがる変人だ 。
そうだと理解しても 、 私の身体は納得しない
やっとの事で一歩を踏み出した足は 降ってきた声でまた止まる 。
唯 架
茉 陽
クラスがぐんと 離れてからは滅多に
話さなくなった 、 私の数少ない友人の一人だ 。
確か晴哉くんと同じクラス 。
晴哉くんで頭が いっぱいいっぱいになって
記憶から薄れていたのかもしれない
唯 架
唯 架
大袈裟な溜息を混じらせ 、
不満を私へとぶつける
心の中で数秒の反省会でも開けと 言っているのだろうか
お陰で唯架が膨らませた頬が 、
とても愛らしい 。
茉 陽
言っていた通りなのかな
解っている筈の疑問は 口を先走らせた
唯架は‘ 解らない ’と答えては 、
其れ以上の情報は無さそうな 表情を浮かべた 。
久しく他愛の無い会話をした
そして最後 、思い出したように 唯架は口を開いた 。
唯 架
唯 架
其れは頭にすら 入っていなかった提案だった
どうしたら晴哉くんの 奥の奥迄知れるのかな
茉 陽
茉 陽
教えて貰ったお礼を伝えて
唯架に背を向けた 。
少し狭くなった歩幅が 速く動いた
そして君と私を繋ぐ 小さな電子機器を起動させ 、
毎回頬を緩ませる メッセージ画面迄動かしては
メッセージ画面に 新たな文字を増やした 。