玲香
玲香
玲香
玲香
看護師
看護師
玲香
看護師
看護師
玲香
真紘
真紘
玲香
病室の隣になったのは真紘くん。私より2歳年下の男の子で、なにかと私を気遣ってくれる優しい人。
真紘
真紘
玲香
真紘
玲香
真紘
真紘
玲香
玲香
真紘
真紘
玲香
真紘
真紘
玲香
私は以前、真紘のお母さんに聞いていた。真紘は重い病気を患っていて手術をしても完治は不可能だと。
翌日
看護師
真紘
看護師
真紘
玲香
真紘
真紘
私は彼のあんなに真剣な眼差しは初めて見た。きっと彼が一番症状が重い事に気づいてるはず。だからこそ。
玲香
そして、真紘の手術は行われた。私もベッドの上で成功を願い続けた。
それから、10時間以上の手術を彼は受けた。私が寝ている時に手術は終わったようだった。
玲香
隣のベッドはシーツも布団も綺麗にたたまれていた。それで、私は全てを察した。枕の下を見る。
玲香
「これを見ているということはオレはもうこの世にいないのか、はは、実感がわかないな…。まだ、生きてるし」
「オレ、隣に入院してきた女の子が大好きだったんだ。まるで…虹みたいな人でさ。」
「なんか儚くて、でも綺麗で何度も見たくなるような」
「そんなこと本人に言ったら、「ロマンチストか!」って言われそうな気がするけど」
「手紙なら正直になれる。オレは玲香が好きだ。大好きだ。」
「オレ虹を人生で1回も見たことなくて、いつか玲香と見られたらなって」
「そしたら、眩しすぎて見れない気がするけど」
「この手紙が読まれずに玲香に直接「好き」って伝えられますように。真紘」
玲香
玲香
私の目には涙が溢れていた。視界がぼやけてしまうほど泣いた。
玲香
トントン
真紘
玲香
その瞬間、私は真紘に抱きついていた。彼の温もりが真実を告げていた。
真紘
玲香
看護師
看護師
真紘
玲香
真紘
真紘
看護師
真紘
真紘
玲香
その時、私と真紘を祝うように空には虹がかかっていた。
真紘
真紘はその後、手術とリハビリを繰り返し、病気を完治させた。
私と真紘は晴れて退院し、同じ高校に通い始めた。
私は、真紘とこれから色んな虹をみたいと心の中で思った。
オレは、玲香という虹が消えないように守り続けると心に誓った。
そんなひと夏の思い出。