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なるほどそういう事だったんですね!!
猫又さん こんな前の作品にコメントありがとうございます( ;∀;) そうなんです!実は繋がってるんですよね笑 幽霊いたらガクブルですね:(;゙゚'ω゚'):
ちはるさん良かったですね! 佳奈さんお優しい…!
本当に色々あった
親の借金が溜まりに溜まって家を無くし
両親も失踪
お金だって2週間ほど前に底をついてしまった
今は途方に暮れてアテもなく
街をずっととぼとぼと歩いている
街の大通りから外れて小道を進んでいく
人の通りも少なくなって
少し寂れた住宅街の一角に
ボロボロのアパートがあった
「ここなら空き部屋もあるかな…」
ダメ元だったけれど
空き部屋を探してガチャガチャと次々にドアノブを回していく
すると二階の一番右端の部屋のドアだけがすんなりと開いた
「やった…」
人の気配が感じられないので中に恐る恐る入っていった
靴も出てない
音もしない
当たりだ
「お邪魔します…」
ダイニングキッチンと部屋がひとつの1DKの様だった
意外と広い
「ここなら快適に…」
奥の部屋まで進んでいくと
ベッドで女の人が寝ていた
よく見るとシンプルながら家具も揃っていた
めちゃまずい
女の人を注視しながらゆっくりと足を出口に向け、出て行く体勢をとる
「コケェェェェェ!!!!!」
押すと鳴き声の鳴るニワトリのオモチャを
踏んでた
「終わった…」
『うわぁぁぁ!!!』
ベッドで寝ていた女の人が私を見て絶叫した
『お、お、お…』
『お化け…!?』
え
驚いて大きく見開いた目とボサボサの長い髪
そしてところどころ汚れてボロボロの白いワンピース
どこからどう見ても私…
幽霊でした
私を凝視したまま
女の人はぽちぽちとスマホを打ち始める
遥香
遥香
佳奈
佳奈
何この状況…
怖くて下手に動けないし
話しかけずらい…(;∀;)
佳奈
遥香
佳奈
女の人はバタバタとキッチンに走っていくと
〝食塩〟と書かれた袋を取り出して…
節分の豆まきのように塩をかけてきた
バサァァァ!!!
見開いた目に塩が入る
でも変に動けないから見開いたまま我慢してたら
身体がぷるぷると震えてきた
佳奈
遥香
遥香
遥香
佳奈
佳奈
佳奈
何故か足元にショートケーキが出てきた
この扱いの変わりようはなんなのだろう
恐ろしすぎる
女の人は私が食べるまでじぃ…っと見つめてきた
食べろってことかな…
しゃがみ込むとフォークでひとくち分に切り分けて
恐る恐る口に入れてみる
少し涙がじわっとした
こんな美味しいもの食べたの
いつぶりだろう
気付くとバクバクとケーキを頬張る自分がいた
遥香
佳奈
遥香
佳奈
遥香
あっという間に食べ終わってしまって
おもむろに立ち上がって
何故かまた目を見開いてしまった
遥香
佳奈
佳奈
佳奈
佳奈
なんか会話に花が咲いているようなので
今なら私が話しかけても大丈夫な気がした
ケーキくれたいい人だし…
話し掛けようと一歩踏み出した瞬間
足をつまずいて女の人の顔の真横に倒れ込む
佳奈
遥香
めちゃくちゃ取り乱して
私から思わず後ずさりする
遥香
遥香
取り乱していた様子から打って変わって
私を睨めつけてくる
ヤバい
佳奈
佳奈
遥香
佳奈
ちょっと意識が飛びました
遥香
遥香
遥香
人間です
遥香
女の人が私にゆっくりと近付いてきて
『あ、あの…』
『お名前は…?』
私は今までの経緯
事情などを全て話した
女の人はしばらくのスマホでの会話を終えると
ポイッと枕へスマホを投げ出した
『やっぱりねぇー』
「え?」
『幽霊なんていないと思ったよ笑』
『あ、私佳奈って言うんだ』
『よろしくね?』
「あの…勝手に家入っちゃってごめんなさい…」
『いいよいいよ笑』
『私も殴ってごめん笑』
『それよりさ』
『行くあてないんでしょ?』
『家賃、割り勘でいいならここに居ていいよ?』
『バイトも紹介してあげるからさ』
『でも最初の2ヶ月は免除してあげる(´罒`*)』
ずっと家族を失っていたけれど
今日また
大切な人が出来ました
これが、これから先永く続く私たちの
出会いのお話です