TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

仇討ちチャンネル

一覧ページ

「仇討ちチャンネル」のメインビジュアル

仇討ちチャンネル

3 - 仇討ちチャンネル 第3話

♥

215

2021年10月02日

シェアするシェアする
報告する

横井エイジ

これは──?

エイジは1通のDMに目を止めた

両親と妹を殺した犯人が憎いです!

横井エイジ

依頼人は…

横井エイジ

天木ユナ?

横井エイジ

(まずは調査だ)

横井エイジ

犯人は捕まっていない

横井エイジ

恐らく権力があるからだ

横井エイジ

もしかしたらあの事件の手がかりを握りつぶした可能性も…

天木ユナ

へぇ、ここで撮ってるんだ!

天木ユナ

なんか本格的な感じ!

横井エイジ

(いやに明るいな)

横井エイジ

(緊張してないのか?)

天木ユナ

あの、これってNG出してもいいんですか?

横井エイジ

──あぁ、構わない

横井エイジ

リアルさを伝えたいから

天木ユナ

カメラは止めない感じ?

横井エイジ

余程のことがない限り

天木ユナ

えっ、緊張しちゃうな!

天木ユナ

人っていう字を3回──

横井エイジ

それじゃ、いいかな?

天木ユナ

はい、あっ

横井エイジ

あなたが仕返ししたいほど憎い、消せない恨み教えてください

天木ユナ

わ、私は…

天木ユナ

えっーと、あの

天木ユナ

つ、ついこの間

天木ユナ

…あっ、妹を

天木ユナ

妹のカナを──

見る見るうちに目に涙を浮かべたあと、ユナが俯いた

横井エイジ

もうやめて──

天木ユナ

ちゃんと話します!

顔を上げたユナの唇の端から、血が流れている

横井エイジ

(泣かないよう、唇を噛んだのか?)

横井エイジ

(なんてヤツだ…)

天木ユナ

あの日、3ヶ月前のあの日

天木ユナ

私の誕生日でした──

3ヶ月前

天木ユナ

(遅いなぁ)

天木ユナ

(12時に待ち合わせなのに)

カナ

お姉ちゃーん!

天木ユナ

あっ、やっと来た

ユナの母

ユナ!

ユナの父

ユナー!

赤信号の向こうから、3人が大きく手を振っている

天木ユナ

いや、ちょっと恥ずいんだけど

カナ

お姉ちゃんてばー!

天木ユナ

もう、皆んな見てるし

天木ユナ

(でも今日は私の誕生日)

天木ユナ

(しゃーないな)

ユナが手を振り返そうとした時

ちょうど信号が青に変わって、3人が笑顔で駆け出してくる

ユナの母

カナ、走ると危ないわよ!

カナ

お誕生日おめ──

──ドンっ!

ユナの視界から、3人が消えた

天木ユナ

えっ…

天木ユナ

お母さん?

天木ユナ

お、お父さん?

3人の元に駆け寄るが…

カナ

お、おっ…

天木ユナ

しっかりして!

天木ユナ

しっかり…

血まみれの妹と両親に何度も呼びかける

お、俺のせいじゃない!

お前たちが飛び出してきたんだ!

車から出てきた男が叫んでいたけれど

ユナは家族に声をかけ続けていた

3人が冷たくなっている

天木ユナ

そんな…どうして?

天木ユナ

どうしてなの…

警察

今、事故の相手に事情を──

天木ユナ

事情ってなに!?

天木ユナ

車が猛スピードで信号無視したの!

天木ユナ

何回も説明してるのに

天木ユナ

どうして逮捕されないの!?

警察

それは…

天木ユナ

早く逮捕してよ!

ユナは懸命に訴えたが

家族を奪い去った犯人が逮捕されることはなかった

後日、判決が出たが犯人は無罪となり

事故は権力で揉み消されてしまった

天木ユナ

犯人の名前は、照井道也

天木ユナ

経産省の官僚ということで

天木ユナ

上級国民として容疑者扱いもされず

天木ユナ

ただの車の整備不良で処理されました

天木ユナ

照井は過去に3度も事故を起こしているのに全て不起訴処分

天木ユナ

そんなの間違ってる!

ユナの顔が怒りに歪む

天木ユナ

あの男は人殺しよ!

天木ユナ

どうしてあいつが裁かれないで、私の家族が死なないといけないの?

天木ユナ

ねぇ、どうして!?

横井エイジ

(怒っているけど)

横井エイジ

(とても苦しい顔をしている)

横井エイジ

(どこか自分を責めてるような?)

天木ユナ

これ、見て下さい

横井エイジ

──うさぎのマスコット?

天木ユナ

これ、妹の手作りなんです

天木ユナ

卯年生まれの私への

天木ユナ

誕生日プレゼント

横井エイジ

(血で汚れてるのか)

天木ユナ

あえて洗わずに持ってます

天木ユナ

妹の痛みを忘れないように

ユナがマスコットを握りしめる

天木ユナ

しばらく妹は生きていた

天木ユナ

とんでもない痛みに苦しみながら

天木ユナ

それでも私に言ったんです!

『…お姉ちゃん』

天木ユナ

そしてその後──

『おめでとう』

天木ユナ

最後にそう言った気がしたんです

天木ユナ

あんな状況でも、私のことを思ってくれていた…

天木ユナ

だから私は許さない

天木ユナ

一瞬で家族を奪い去ったあいつを

絶対に許さない!

数日後

天木ユナ

(SNSで話題になってる)

天木ユナ

(これで少しは照井を追い込めると思ったけど…)

天木ユナ

(なにも変わらない)

天木ユナ

(もうどうすることも…)

うさぎを両手で包み込む

天木ユナ

ごめんね

天木ユナ

お姉ちゃんを許して…

天木ユナ

お姉ちゃんももうすぐ──

♪♪♪

天木ユナ

DMだ

天木ユナ

差出人が書いてないけど──?

恨みを受け止めました

あなたの代わりに

仇討ちいたします

天木ユナ

仇討ちって…

天木ユナ

相手は権力者なのに

天木ユナ

一体どんな手を使うの?

仇討ちチャンネル

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

215

コメント

2

ユーザー
ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚