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電車に揺られて二駅、 学校の最寄り駅まで来た
改札を通って、また凪沙と 通学路を歩き始める
凪沙
ふと、凪沙が道の少し先を見て言った
彩莉
凪沙の目線の先に、真冬が友達と 歩いているのが見えた
たしかあの子、名前は坂田優君で、 真冬と同じクラスの子だったような
凪沙
生徒会長も?
……あ、たしかに、真冬達より先に、 一ノ瀬彼方会長がいるのが見える
真冬も会長も、 学校中で人気な人達なんだよね
運動神経抜群の真冬と、 頭脳明晰な一ノ瀬会長
かなり対照的な二人だけど、 その別々の良さが、逆にそれぞれの 人気につながっているらしい
彩莉
私はあんまりそういうことに疎い から、こういう情報は、大体凪沙から 聞いた話だったりする
凪沙
彩莉
たしかにそれは、少し不思議かも
凪沙
凪沙に言われてその方を振り返ると、 真冬と坂田君が、一ノ瀬会長と 話しているのが見えた
凪沙
浦田先輩っていうのは、 3年生の浦田渉先輩のこと
整った顔立ちで文武両道、 さらに誰に対しても優しい性格から、 ついたあだ名が「春舞のプリンス」
けど、少し背が低いことを 気にしている……らしい
勿論、これの情報源も凪沙だ
凪沙
数十分前
〜真冬 side〜
電車に乗って、吊り革につかまる
そのまま、電車に揺られていた
真冬
今、誰かの視線を感じたような
気になって車内を見回してみる
真冬
ボクと彩莉は、こう見えて いとこ同士……なんだけど、 ほとんど関わったことがない
というより、ボクの方から 関わらないようにしてる
ボクらの関係を、彩莉の存在を、 “あの家”に知られてはいけないから
唯一、ボクらの一族の中で、 彼方さんだけは知ってるんだけどね
彩莉は、一族のことも家系も、 何も知らない
それなら、何も知らないまま、 関わらずに生きていた方がいい
真冬
電車を降りて、通学路を歩く
すると、少し歩いた先で、 見覚えのある背中を見つけた
真冬
優
背後から挨拶をすると、こちらを 振り返って、いつもの笑顔で 挨拶を返してくれた彼
この人は、クラスメイトで友達の、 坂田優
去年もクラスが同じで、 2人とも運動が得意って共通点で、 仲良くなったんだ
2人で道を歩いていると、彼方さん ……じゃなかった、一ノ瀬先輩が 歩いているのも見つけた
ボクらは同じ家に、シェアハウスって 感じで住んでるんだけど、ちょっと した理由で、それを隠している
だから、あっちの方が先に家を 出ていて、ボクは少し遅れて 追いかけてきたって感じ
真冬
優
折角なら、と思って隣を歩いている 優の方を見ると、何故か目が合った
……なるほど、考えてることは、 そっちも同じか
そろりそろりと、2人揃って気配を 消して、先輩の背後に近づいていく
そして、思いっ切り相手の背中を……
彼方
……押そうとしたところで、こちらを 振り向かずに、先輩にそう言われた
優
いの一番に、優が声を上げた
彼方
流石彼方さん、 やっぱり分かっちゃうか
真冬
彼方
えっ、生徒会長、 それ開き直っちゃうの?
真冬
ほら、冷水で顔を洗って、 寝ぼけた体をびっくりさせて 起こすっていうのあるじゃん?
それと同じような原理なんだけど
彼方
優
彼方
結局、こっぴどく叱られてしまった
まぁ、ボクは怒られ慣れてるもんね
特に、あの時の出来事とかもそう
去年あたりの放課後、学校の階段から 1階に降りるのが面倒で、廊下の窓 から飛び降りたことがあって
あ、ちなみに3階から
ちゃんと着地したんだけど、 生徒会長の一ノ瀬先輩にも先生にも、 めちゃくちゃ怒られた
周りにいた生徒もびっくり させちゃったし、そこからボクの 名前が学校中に知れ渡っちゃったんだ
その日、家に帰った後にも、 目立つ行動は取るなって、 彼方さんにまた怒られたんだよね
真冬
けど、彼方さんの言ってたことは 一理あるから、あれ以降もう しないようにしてる
もしもバレたら、 あの2人に捕まっちゃうから
目的を果たすまで、 お縄につくわけにはいかない
ボクらが“活動”しているのは、 あの日、犠牲になった人達の為
奴らへの復讐の為に、 ボクらは生かされたんだから
真冬
……それにしても、あの兄妹…… 正確には妹の方が、その家の前当主に 対して従順すぎるんだよね
真冬
優
ふと、優に話しかけられる
真冬
悠人の目線を辿っていくと、 茶髪で背が小さめの男子が、 ボクらの前を歩いていた
“うらさん”こと浦田先輩は、元々優と 仲が良くて、彼経由で仲良くなった人
逆に優と彼方さんは、 ボク経由で仲良くなったんだ
……あ、さっき浦田先輩のことを 小さいって言ったのは秘密ね?
本人が気にしてるし、 意外とあの人、怒ると怖いから
優
何故か優に、 じーっとこちらを見られる
……もしかして、そういうこと?
彼方
優
真冬
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ