生ぬるい風が頬をかすめる。
彼らも、僕と同じ形のない存在
でも、僕と違って目に見える存在。
だから僕は形に残す。
みんなに憶えていて欲しいからじゃない
ただ1人。
彼女に覚えていて欲しいから。
……いや。
彼女に伝えたいことがあったから。
彼女は覚えている
他の人とは違って想ってくれている。
これは彼女へ贈る僕からのささやかな贈り物。
彼女へ贈る僕の想い
小さなラブレター。
拝啓 大好きな君へ
僕が居なくなった世界でも、君は元気でしょうか。
君は僕のことを覚えているでしょうか。
いや、きっと覚えているでしょう。
でなければ、僕のバッグがあるはずがないから。
これから書くのは、君へのメッセージ
大切なことだから何度も読み返して欲しい。
僕の周りには、いつも人が沢山いた。
誰かに好かれて、愛されて。
でも、どこか満たされなかった。
何かが欠けていた。
僕は外道で、下劣で。それでいて、賢かった。
だから、
信用できる人間
愛してくれる人間
愛せる人間だけを周りに集めた。
そう。
僕だけの王国を創ったんだ。
僕は王様で、
みんなの声を聴いては動いて、みんなが望むことを言った。
それが幸せだった。
でも、そこに君はいなかった。
君は決まって、僕が1人の時に現れた。
人に囲まれることが幸せだったなのに
君と二人でいる時間はとても幸せな時間だった。
君は優しかった。
僕のことを思って、本心を隠していた。
そんなこと。しなくても良かったのに。
君も、僕にとっての大切な友達で、 国民だったから。
僕は君のためになら、 どんな形になろうと構わなかった。
なのに
君は僕のために形を変えた。
君が僕へ悩みを打ち明けるために どれだけ時間を要したことか。
君が背負いきれなかった全部。 王である僕が背負うから。
君に最期まで寄り添うから。
ごめんね
勝手に居なくなって。
君はひとりじゃないから。
本当の君は僕が知っているから。
大好きだよ。
この気持ちがどうか、君へ届きますように。
理玖 敬具
コメント
21件
え... これが最後ですかぁ...寂しいですね...、 ...絶対に理玖さんのことは忘れません 今まで ほんとに神作をありがとうございました。
まず、長文になることをお許し下さい。 私は、貴方の事を忘れない。どこでも。忘れる事を心配しなくていい、私は「理玖」を忘れない。 貴方のバックは貴方が残してくれた。中に入っている物が1つであろうとも、2つでも、そこには貴方のバックがある。 続きは返信の方に書きます
好きです(唐突)これが最後ですかぁ…寂しいですねw