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翌朝。 教室に入り自分の席に座ると、予習をしていた二葉が声をかけてきたが、

二葉桐男

おはよう……って、ずいぶん顔色悪いね

俺の顔を一目見るなり、怪訝な表情を浮かべた。

一條恭平

ああ……

二葉桐男

何かあったの?

一條恭平

お前の気に入りそうな話が

二葉桐男

……冗談じゃないよね?

一條恭平

大マジだ

二葉桐男

……分かった、聞くよ。何があったの?

二葉は予習の手を止めて、こちらに身を乗り出す。

シャーペンを机に置き、代わりにボールペンを手に取ったものの、『……っと、ごめん、新聞部時代の癖が』とすぐに置いた。

一條恭平

(こいつも顔に見合わず、意外と変わり者だよな)

内心で軽くディスりつつ、俺は昨日の出来事を二葉に話す。

二葉桐男

…………

一條恭平

三国って奴、知ってるか?

二葉桐男

いや……聞いたことないね。多分一條君と同じ編入組だと思う

二葉桐男

けど、その上級生達は分かるよ。ちょっと前から校内で、カツアゲまがいのことをやってるんだ

二葉桐男

中等部の新入生とか一條君みたいな編入組とかが、学校の敷地で迷子になってる時を狙って、因縁つけてるみたい

一條恭平

ひでえ奴等だな……

二葉桐男

で……その……

二葉が言いづらそうに口ごもる。

おおよそ彼の頭にも浮かんでいるであろう疑問を、俺は自分から口にした。

一條恭平

俺が一瞬だけ見た霊が……

一條恭平

昨日お前が話してくれた、『かまくびさん』って奴なのか?

二葉桐男

…………だろうね

長い沈黙の末に、二葉はゆっくりと頷いた。

二葉桐男

中等部の頃に調べた怪談の内容とおおよそ合致してる

二葉桐男

かまくびさんは殺人を依頼されても、すぐに動く訳じゃない

二葉桐男

まずはターゲットに取り憑いて、その相手が殺すに相応しい外道かを確かめるんだ

二葉桐男

外道だと判断したら、その日から夜な夜な、ゆっくり首を締め上げていく

二葉桐男

万力のようにじわじわと、けれど少しずつ強くしていく……

二葉桐男

そして最後には、相手の首を『くびる』……つまり、締め殺すんだ

一條恭平

…………

脳裏に焼き付いた、あの恐ろしげな姿を思い返す。つまり今の奴は、あの上級生たちを品定めしている段階ということなのだろう。

にわかには信じがたい話だ。しかし、あの三国とかいう女子生徒も、俺と同じ男を見て……いや、『視て』いたことは間違いない。

一條恭平

(とにかく、一度彼女に詳しい話を聞いてみないとな……)

昼休みになり、俺は二葉と一緒に足早に教室を出る。

向かう先は明学の第二図書館。昨夜の女子生徒が去り際に告げた場所だ。

一條恭平

ほんほふげえほな、ほほかんがみっふもあうはんへほ

二葉桐男

食べ終わってから喋って

一條恭平

ふまん

昼飯のケバブ(←学校の敷地にキッチンカーがたくさん来てる)を無理やり飲み込んでから、俺は改めて口を開く。

一條恭平

ホントすげえよな、図書館が3つもあるなんてよ

二葉桐男

さすがはマンモス校って言ったところだよね。僕も中等部の頃からずっと通ってるけど、未だに迷う時があるから

俺は案内する二葉の横を歩きながら、オリエンテーションで渡された図書館のパンフレットを開く。

明学の敷地内にある図書館は、様々な本を総合的に取り扱う第一図書館、文系科目の参考書籍や歴史資料などを取り扱う第二図書館、理系科目の参考書籍や図鑑などを取り扱う第三図書館の3つだ。

中でも第二図書館は、この地域一帯の歴史を取り扱う郷土資料館としての側面もあり、地域住民たちに一般開放されている。

民俗学的価値……?とか言うやつが高い史料もあるらしく、一般客も含めればダントツで訪れる人が多い。

まあ、どちらにせよどの図書館も俺には縁がなさそうだが。

ふと、二葉が携帯を取り出し、画面をまじまじと眺める。

二葉桐男

三国って子は9組だよね? さっきメッセージで、9組にいる友達にどういう子だか聞いたら、返事が帰ってきたんだけどさ

一條恭平

おう

二葉桐男

……その子も全く分からないんだって。一応席はあるけど、一度も教室に来てなくて、どんな子だか誰も知らないらしい

一條恭平

……はあ?

思いもよらなかった返事に、俺は素っ頓狂な声が出る。

大病や事故でもしない限り、この大事な時期に一度も教室に来ないなんて、普通は考えられない。

二葉桐男

一応学校には来てるみたいだよ。昇降口に靴はあるらしいし、提出物とかは個別に先生に出してるみたい

二葉桐男

ただ、どうして教室には来ないのか、先生方も話してくれないんだって

一條恭平

…………

昨夕見たあの女子生徒は、まさか……。

二葉とともに第二図書館にたどり着いた俺が、妙な胸騒ぎを抱えながら、自動ドアを通った、その時だった。

『いいから寄越せっつってんでしょうがああああ!!』

一條恭平

うおっ!?

二葉桐男

なっ!?

俺と二葉は、ほとんど同時に叫ぶ。耳をつんざくような怒号が、カウンターの方から鼓膜を殴ってきたのだ。

怒号の主はすぐに分かった。カウンターから大きく身を乗り出し、慌てふためく司書たちに詰め寄っているのは──

三国綾乃

さっさと寄越しなさいよ! ほら!!

司書

で、ですから! あなたはもう貸出枠が一杯なんですって!

司書

早く延滞している本を返して下さい! もう一ヶ月も経ってるんですよ!?

三国綾乃

だからまとめて返すって言ってんでしょ!? どうせあんな本誰も借りないんだから融通利かせなさいよ!

一條恭平

…………

二葉桐男

なんだよアイツ……うるさいな……

その辺のゴミでも見るような目つきを向ける二葉。

当然、あのカウンターで騒ぎ立てる彼女こそ、俺が昨夕会った謎の女だとは気づいていない。

胸騒ぎと共に、少しだけ抱いていた彼女へのミステリアスな魅力が、まあ〜綺麗さっぱりと分解消滅した。

一條恭平

……止めて来るわ。待っといて

二葉桐男

ええ……? 先生呼んできた方がいいんじゃ……

止める二葉をよそに、俺は仕方なくカウンターへと向かう。

本当は無関係を装いたいが、彼女に会いに来た以上話しかけない訳にはいかない。

青筋を立てて司書たちに詰め寄っていた彼女……三国綾乃は、俺に気付くなり、顔をぱあっと明るくさせる。

三国綾乃

ちょうど良かったわ! あなたも一緒に戦って!

一條恭平

戦場じゃねぇんだよここは

意味不明な申し出を秒で拒否る。

一條恭平

何騒いでんだよアンタ

三国綾乃

この輩が私の活動を邪魔するのよ! せっかく絶好の手がかりを見つけたってのに貸してくれないの!

司書

ですから! 何度も言いますけど、もうあなたには貸出できないんですってば!

三国綾乃

じゃあ間を取って贈与で

司書

駄目です!! どこの間を取ったんですか!

三国綾乃

くっ、本当に強情な人たちね! いい加減にしないと出るとこ出るわよ!

一條恭平

出たところでお前が裁かれるだけだろ

昨日の妖しい雰囲気はどこへ行ったのか、迷惑そうな表情を隠さない司書達に、三国はぐだぐだと食い下がる。

館内の人達の目線が厳しくなっていく中、俺は仕方なく、自分の学生証を取り出す。

一條恭平

わかったよ。俺がそれ借りてやるから

三国綾乃

ホント!? ありがとう一号くん!  持つべきものは友達ね!

一條恭平

名前を間違えてる時点で友達ではない

二葉桐男

まさか……その子が三国って子?

一條恭平

ああ……正直、俺も信じられないけどな

三国綾乃

ふむふむ……なるほどなるほど……

呆れながら話し合う俺と二葉をよそに、三国は手持ちの資料と俺が借りてきた古新聞の記事を、食い入るように見比べている。

新聞を借りた後、司書たちに図書館から追い出された俺たちは、中庭のベンチで彼女の気が済むのを待ち続けていた。

三国綾乃

間違いない……これであの怪異を止められるはずだわ!

一條恭平

納得いったんなら、そろそろ俺達にちゃんと説明してくれないもんかね

三国綾乃

ああ、ごめんなさい

ようやく我に返ったようで、三国は資料からふっと顔を上げて、軽くほほえむ。

その儚くも妖しげな美貌は、昨日の夕方、校舎裏でみたあの顔に間違いない。ついさっきまで、これでもかとばかりに歪ませて怒鳴り散らしていたけどな……。

三国綾乃

あなたはええと、一号じゃなくて、一條恭平君ね

一條恭平

ああ

三国綾乃

そして貴方が、クラスメイトの二葉桐男君。中等部時代は新聞部所属で、地域文化担当

三国綾乃

明学、そして明学が位置する東原(ひがしばら)市の一帯の歴史や文化について取材を担当してきたものの、高等部進学に伴い学業に専念するために退部。合ってるかしら?

なぜかプロフィールを熟知している三国に、二葉は嫌そうな顔を隠そうともせず彼女に向ける。

二葉桐男

なんでそこまで知ってるんだよ……気持ち悪いな……

三国綾乃

調べたのよ。編入にあたって、一緒に活動してくれそうな生徒をね。貴方のことは入学式の日からマークしてたから

三国はドヤ顔で鼻を鳴らす。美女とはいえこんな変人に目をつけられてしまっては、今の二葉の心境はお察しである。

一條恭平

(活動ってなんだよ……まあ、今聞いたら話が収拾つかなくなりそうだし、止めておこう)

三国綾乃

一條君。あなた今、「自分は目付けられてなくてよかった〜」って、内心一息ついてるんじゃないかしら?

一條恭平

二息くらいついてるぜい

三国綾乃

残念ね、あの時から貴方も私のチェックリストに入ってるのよ

三国綾乃

……昨日の夕方、かまくびさんが視えた、あの時からね

一條恭平

…………!

微笑む瞳に、胸の奥がきゅっと冷えた。彼女の笑顔は心臓に悪い。

三国綾乃

そろそろ本題に移りましょうか

三国綾乃

一條君、あなたが私に声をかけたのは、あの時視えた男……かまくびさんについて、詳細を聞きたかったから。そうでしょう?

一條恭平

それと、アンタが昨日、スコップを持って何をしていたのかだ

三国綾乃

一言で言えば……かまくびさんの凶行を止めるためよ

二葉桐男

…………

突拍子もない三国の言葉に、俺はもちろん、二葉も笑い飛ばすことはしない。

三国綾乃

かまくびさんについては、二葉君から話を伺ってるかしら?

一條恭平

ああ……殺したい人間の名前を告げると、しばらくその人間に取り憑くんだろう

一條恭平

そして、その人間が恨みを買われるに相応しい屑だと判断したら、首をねじって殺す……

三国綾乃

おおよそその通りだけど、1つ補足があるわ

三国綾乃

例え殺すほどではないと判断しても、かまくびさんはその罪の重さに応じて、相手に罰を与えるのよ

三国はそう言いながら、俺達に携帯の画面を差し出した。

今から1年半ほど前の、どこかのニュースサイトの記事だ。内容には少しだけ覚えがある。

東原市内のアパートで、男子高校生が意識不明の状態で倒れているのを、部屋を訪れた友人が発見した。

警察は殺人未遂の疑いで、隣の部屋に住む会社員の男性を逮捕。

容疑者と男子高生が、前日の夜に部屋の前で酷い諍いを起こしているのを複数の住民が目撃している。

警察はトラブルのもつれから男が犯行に及んだと推測。

容疑者は諍いを起こした事は認めているものの、犯行自体は否認している……。

二葉桐男

……結構騒ぎになったよ、この事件

記事を読み終えた二葉が、少し苦々しい表情を浮かべる。

二葉桐男

明学の高等部だったんだ、この人

二葉桐男

素行が最悪で、高等部の方じゃ色々とトラブルを起こしてたみたいでさ……。学校にも何人か記者が来てたよ

一條恭平

まさか……これもかまくびさんの仕業だっていうのか?

三国綾乃

私はそう踏んでいるわ。被害者の男子高生はその後、下半身不随の後遺症を抱えて退学した

三国綾乃

この後隣人の男性はアリバイが証明されて釈放されているわ。けれど真犯人はいまだ捕まっていない……

補足の情報を告げてから、三国は携帯を懐に戻す。

三国綾乃

さっきも言った通り、かまくびさんは罪に応じた罰を標的に与えるわ

三国綾乃

あの三人は昨日の様子じゃ、殺されるまではいかないにしても、お咎め無しじゃ済まされないでしょうね

一條恭平

……かまくびさんは、どうしてそんなことをするんだ? まさか神に代わって悪人に裁きを下すとか、そんな存在じゃないだろ?

三国綾乃

答えの手がかりがここにあるわ

三国は今度は、傍らに置いていた自分の鞄から、一冊のノートを取り出し、とあるページを広げて俺達に見せてきた。

俺は二葉と共にページを覗き込む。週刊誌の特集記事のコピーが何枚か貼り付けてあった。

今度は数十年以上前の事件の記事のようだ。

『明生高校』という学校の男子生徒が、体育倉庫の裏でトラブルの末に女子生徒を首を絞めて殺害した。

関係者の証言では、2人は恋人の関係だったが、事件の数日前から口喧嘩が絶えなかったという。

その後男子生徒は、女子生徒の遺体をバラバラに解体。その時、巡回に来た用務員『鎌田裕太(かまだゆうた)』に発見される。

男子生徒は口封じのために、鎌田の首の骨を金属バットでへし折って殺害。その後、女子生徒のバラバラ遺体を周辺の地域に埋めた後に逃走した。

遺体の多くは発覚後に警察が掘り起こしたものの、男子生徒の行方は、今もなお不明のままとなっている……。

読むに堪えないような凄惨な事件が、ショッキングな文体で報じられていた。

二葉桐男

明生高校……明学の前進の学校だね。中等部の設立に合わせて、校名を変えたんだ

一條恭平

これもかまくびさんがやったのか? 記事を読む限りじゃ、むしろ裁かれるべきは男子高校生の方だと思うんだが……

三国綾乃

いいえ……この記事やさっきのニュースを含め、私はかまくびさんが関与している可能性のある事件を片っ端から探し回ったけど、

三国綾乃

この事件より前の時代には、それらしき事件は全く起きていなかった

三国綾乃

どういうことか……分かるわね

一條恭平

…………!

三国の説明を聞いて、俺は衝撃が走る。

昨日の夕方、俺が目にした異形の男……折れ曲がった首にばかり目を取られていたが、あの男は作業着のようなものを着ていた。

二葉桐男

まさか……この事件で亡くなった、用務員が……

一條恭平

かまくびさん……なのか?

三国綾乃

恐らくはね……

三国綾乃

彼は首を折られて殺害された後、この世の未練を断ち切ることができずに、今もなお現し世(うつしよ)をさまよっているのでしょう

三国の言葉を聞いて、俺はかまくびさんの習性を思い返す。

告げられた名前の人物を無制限に傷つけるのではなく、その人物が罰を受けるに値する悪人かを見極める……。

一概に悪と断じることはできない。恐らく生前も、男子生徒の凶行を止めようとして、返り討ちに遭ったのではないだろうか。

二葉桐男

……止める必要、あるのかな

俺が心の片隅で思っていた疑問を、二葉が口に出してしまう。

二葉桐男

誰彼構わず祟る訳じゃない。罰を受けて当然の悪人だけが標的なら、別に良いじゃないか

三国綾乃

良いわけ無いでしょう。どんな背景があろうと、起こっているのは悪霊による学園の人間への殺傷事件なのよ。許されるはずがないじゃない

三国綾乃

それに、いつ彼の気が触れて、見境なく人を襲い始めるか分からないのよ? そんな霊をいつまでも放っておけないわ

二葉桐男

…………

理路整然と反論する三国に、二葉は返す言葉もない。俺も口を挟むことはしなかった。

三国綾乃

私はこれ以上かまくびさんの犠牲者を出したくはないわ。彼の未練を断ち切って、この学校を守りたいの

一條恭平

断ち切るって言ったって……具体的にどうするつもりだ? お祓いでもするのか?

三国綾乃

手がかりはこれよ

三国は俺が持っていたノートに手を伸ばし、次のページをめくった。先程の記事の続きのようだ。

拡大コピーされた、明生高校と周辺地域の地図に、バラバラにされた女子生徒の遺体が埋められた場所が、赤丸で示されている。

右腕、左腿、右胸、頭……。赤丸の脇には埋められていた体の部位が付記されていたが、下腹部だけがどこにも見当たらなかった。

記事によると、警察の捜査によって、男子生徒が埋めたと思われる遺体のほとんどは発見できたものの、下腹部だけが見つからなかったらしい。

二葉桐男

この地図の地域……今は丸ごと明学の敷地になってるね

三国綾乃

そう。つまり女子生徒の下腹部は、この学校の何処かに今も埋まっている可能性が高いわ

三国綾乃

遺体を掘り起こして、その声を読むことができれば……男子生徒の行方も、かまくびさんの未練を断ち切る手段も見つかるかも知れない

一條恭平

だからアンタは、昨日もスコップを持って校内を歩き回っていたんだな

三国綾乃

そういうことよ。お陰でいらない体力がついてきちゃったわ

そこまで言うと三国はすっと立ち上がり、俺と二葉の前に向き直る。

三国綾乃

だけど……一條君、二葉君。あなた達が手を貸してくれるなら、もっと確実にかまくびさんを止められる方法があるわ

一條恭平

なんだ一体?

三国綾乃

手を貸してくれるなら話す。どうかしら?

一條恭平

…………

俺は少し考え込む。

ここまでの話を聞いて、三国は悪い奴ではないとは分かったが……。

下手をすれば自分が、これまでの事件の被害者たちのような目に遭うかも知れないのだ。

おいそれと手を貸す気にはなれない。俺は二葉に視線を向ける。

一條恭平

……どうする?

二葉桐男

……乗り気はしないけど、君がやるって言うなら

三国綾乃

じゃあ〜やるよお〜。任せとけえ〜。

二葉桐男

そんなんで騙されるか馬鹿

俺の声真似で勝手に答える三国に、二葉は冷たいツッコミを浴びせる。

一條恭平

ふふっ……

流れるようなボケとツッコミに、俺は思わず失笑してしまう。

心の中で張り詰めていたものがふっと緩み、思考が前向きになる。

一條恭平

(まあ……あんな気味の悪い霊がいる場所に、これから三年間通うのはまっぴらごめんだしな。やれるだけのことはやってみるか)

一條恭平

いいよ、手伝ってやるよ

三国綾乃

ありがとう一條君

俺が軽く頷くと、三国はにっこりと微笑んだ。一方で二葉はやや不満そうにため息をつく。

二葉桐男

全く……まさか進学早々、学校の怪談の一つと立ち向かうことになるなんてね

三国綾乃

あら、良かったじゃない。●witterのオカルト友達に自慢できるわよ

二葉桐男

だからなんでそこまで知ってるんだよ!

一條恭平

(お前も認めなきゃいいのに……)

レゾナンス ―明生学園 霊徒会日誌―

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