この作品はいかがでしたか?
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アズ姉がニヤニヤしながら私の顔を覗き込む。
アズ姉
アズ姉
ハル(私)
アズ姉
アズ姉は近所に住む六歳上の従姉。
現在、新婚ホヤホヤの幸せ真っただ中
片や私は恋愛(成就)経験ゼロの高1女子。
現在、同じクラスの男子に片思い中。
明日、勇気を振り絞って告白し、三日後に迎える彼の誕生日にデ-トに誘ってプレゼントを渡そうと計画しているんだけど、ウムムム……。
本人(わたし)も含めて周りの友達全員、この手の経験がない子ばかりで、誰にも相談出来ずに右も左も分からない迷子状態なのだ。
アズ姉
アズ姉
アズ姉
と、見えないマイクを口元に向けられる。
ハル(私)
アズ姉
アズ姉
大型犬を撫で回すみたいに両手で頭をわしゃわしゃされる。
アズ姉
アズ姉
アズ姉
ハル(私)
ハル(私)
アズ姉
アズ姉
そして、翌日。
結果から言うと─なんと大成功だった
アズ姉のアドバイスにどおりに告白してみたら、大毅からあっさりオッケ-の返事を貰ってしまった。
もちろん、
三日後の彼の誕生日にデ-トをする約束も取り付けた。
奇跡!
世界中を味方につけたような浮かれ気分で鼻歌交じりに帰っていた私は、
駅前通りを横に入った近道に
ハル(私)
と飛び込むと、出会い頭にそれとぶつかった。
ハル(私)
鼻を押さえてそれを睨む。
道の真ん中に木彫りの像が置かれている。
高さ1m50cmくらいの円筒形の木に、笑ったペンギンみたいな顔が彫られている。
ああ、コイツか─
初めましてじゃない。
町中でたまに見かける、よく分からないものだ。
町のどこかに、ある日、忽然と現れる謎の物体で、誰が置いていくのか、何を彫ったものなのか、
なんの目的で置かれるのかは一切不明
出来損ないのペンギンのゆるキャラに見えるけど、目だけが異様にリアルで、ただの木像のくせに強い眼力を感じる。
像は必ず三日後に撤去されるけど誰も撤去の瞬間を見たことがなく、気がつくと消えている。
大抵は道のど真ん中に置かれているから邪魔なんだけど、
住民はもう慣れてしまって、すいっと避けて見向きもしない。
その神出鬼没っぷりから町の古老(じいさんばあさん)達は、
悪いものが町に入ってこないようにする神様だと信じているみたい。
出どころが不明な上にどう見ても神様に見えないし、私にとっては道をふさいで
邪魔なだけのガラクタでしかない。
ハル(私)
後半に続く
コメント
2件
分かりましたーwもうちょっと待ってくださいねw