【現在】
七隈英太
七隈英太
七隈英太
七隈英太
七隈英太
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
七隈英太
七隈英太
七隈英太
七隈英太
七隈英太
首藤昴
首藤さんは笑顔を作り、カメラの前にどっしりと座った。
現時点で、視聴者数は3000人を越えている。
生放送の開始まで、あと5秒──。
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
昨日まで寝たきりだったとは思えないほど、元気な声。
その不自然さを、指摘する勇気はない。
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
俺は指向性マイクでも拾えるように大きな声で答える。
七隈英太
七隈英太
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
打ち合わせ通りに、手持ちカメラを床下へと向ける。
アルミ製の大皿の上に、枯れかけた花束が置かれていた。
その傍らにはライターと着火剤。
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
首藤昴
コメント欄には、すでに地獄が溢れかえっている。
『不謹慎にもほどがあんだろ。そうまでして再生数稼ぎたいのかね』
『清海ちゃんのファンは全員怒ってます。今すぐやめてください』
『そろそろ夏樹の事務所から訴えられるんじゃね?』
『早く呪い殺されればいいのにw』
『お前ら、本当に生きてる価値ないよ。死ねばいいのに』
『さっさと死ね』
画面の中の地獄など見えてもいないように、
首藤さんは高らかに宣言した。
首藤昴
燃え始めた花束に、
何度も「夏樹清海」と呼び掛ける。
それから俺たちは電気を消して、
慌てて押し入れへと逃げ込んだ。
どれくらいの時間、息をひそめていたのだろう。
新調した暗視カメラに向かって、首藤さんが小声で呟いた。
首藤昴
首藤昴
七隈英太
首藤昴
言い終わらないうちに、
窓ガラスが粉々に砕け散る音が響き渡った。
“何か”が、室内に侵入してきたのだ…。
ひたっ、ひたっ。
『は?足音聴こえるんだけど』
ひたっ、ひたっ。
『自作自演なのがバレバレ』
ひたっ、ひたっ。
『もう1人協力者がいるに決まってんだろ』
???
女が近付いてくる。
それにつれて、言葉も少しずつ明瞭になってくる。
???
???
???
???
カメラを取り落としそうになった。
全身から汗が噴き出す。
呼吸も満足にできない。
七隈英太
七隈英太
肩をゆすっても、反応がない。
暗視カメラ越しの緑色の世界で、
目の前の男が口の端を吊り上げた。
首藤昴
無防備に開いた口許からよだれを垂れ流し、
両目からどろどろとした液体を溢れさせ、
「女の声」で壊れたように笑うその男を、
自分の先輩だとは認めたくはなかった。
首藤昴
首藤昴
何かに憑りつかれてしまった首藤さんが、
こちらに手を伸ばしてくる。
七隈英太
七隈英太
必死に抵抗する俺を面白がって、コメント欄は加速する。
その中に、見覚えのある名前があった。
オリガミ
オリガミ
七隈英太
七隈英太
ここ数日間の記憶が、脳裏に蘇ってくる。