上鳴
ほら降りるよ。
◯◯
(なんか言ってる…。)な、に…??
上鳴君の声がかすかに聞こえ、体が軽くなった。
◯◯
ん、いい匂い…。
上鳴
へ!?オレいい匂いなの!?
おんぶされ、こんな会話をしたこともおぼろげで。
上鳴
気分どう??
◯◯
ここどこ…。
上鳴
オレんち。
◯◯
え、!?うっ…!!
上鳴
あー!!こっちこっち!!
急に意識が覚醒し、襲う吐き気。 トイレで吐く姿を思いっきり見られた。
◯◯
ごめんなさい、ごめんなさい…!!
上鳴
大丈夫だから泣かないで。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔も見られて、もう最悪。
上鳴
おさまった??
動ける??水分とらなくちゃ。
動ける??水分とらなくちゃ。
壁つたいにヨロヨロとトイレを出てスポーツドリンクを一口。
◯◯
頭痛いし、寒い…。
上鳴
ベッドいこ。布団入ってゆっくり休んで。
◯◯
床で寝る…。
上鳴
ダメダメ!!オレが床で寝る!!
◯◯
もう…。
言われるがままベッドに。
◯◯
ごめん。今日だけここに居させて…。
上鳴
うん。好きなだけ居ていいから。
毛布をかけてくれて、おやすみと一言。治まる気配のない頭痛から解放されたくて、固く目を瞑った。