はやと
時計を見上げながら、 颯斗が俺の手をそっと握る。 今日もまた、こっそり来てくれた。 血のにじんだガーゼが額に残ってて、 それを見るたび胸が痛む。
はやと
えいく
自分から言っておきながら、 顔が一気に熱くなる。 でも、気づけば颯斗も小さく笑って、 周囲を見回しながらベッドの横に腰をかけた
はやと
えいく
はやと
誰もいないことを確認して、 そっと顔を寄せてくる。 病院の淡い明かりの中、 ガーゼ越しに見える傷と、 泣きそうなほど優しい目。 唇がふれる。触れるだけのキスじゃなかった 弱ってる俺の心に、 あったかい何かが流れ込んでくるみたいだった。
えいく
はやと
キスのあと、頬に唇が触れて、 額にぽん、と手が置かれる。 その仕草が、何よりも優しくて、安心する。
はやと
えいく
はやと
思わず笑ってしまった。 ほんの少し前まで、 生きることに怯えていたのに。 今はこうして、触れられるだけで 「生きててよかった」と思える。 颯斗の「好き」が、 ちゃんと俺の心を繋ぎ止めてくれてる。
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