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【原卓也の視点】
原卓也
最初は何度も何度もオーディションに落ちた
何百回になるだろうか…
とにかく苦しい思いを沢山してきた
でも最近、やっと受かるようになってきた
彼女が作ってくれたお守りのおかげだろうか?
純金製の刀剣が入った巾着袋で
そこには2人の名前が彫ってあるのだが
これを肌見離さず身につけるようになってから良いことが続いている気がする
舞台に関しては端役ではなく、主演のオファーがあるし
ドラマも呼ばれることが増えた
ただある時
どうしても無理な内容のため断ったドラマがあったのだが
そのことで何人かからは苦言を呈された
特に酷かったのは小林さんだ
今は自分を見る目に憎しみしかない気がする
生意気にも断りやがって、というのと
オーディションの次点が小林さん、ということが続いているからかもしれない
そんな小林さんから舞台初演の前日に
家に食事しに来ないかと誘いを受けた
正直、行くかどうか迷いがあった
あれだけ嫌っていたはずなのになぜ?という疑問は当然抱いたし
前日は練習をしてゆっくり寝たい
それでも俳優としては先輩だし、一応はご厚意
それにはっきりと言われないにしても
仲直り的な意味がある程度あるのかも、と思い行くことにした
小林さんの家の最寄り駅で待っていると
車で迎えに来てくれた
家に着くととにかく驚いた
ドラマでお金持ちが住んでいるところとして出てきそうな見た目だったのだ
住宅街の中で一際目立っている
中も広く、出してくれる料理も美味しい
ただ性格上、面と向かって断るということができずに
多すぎる料理をひたすら食べ続け、泊まりまで確定してしまった…
それに起きてすぐにラジオ体操をするという"課題"まで課せられた
案内された泊まる部屋は広く
舞台までついていて、防音性まであるという
原卓也
原卓也
そんなことを思いながら眠りに落ちた
翌日7時に起きて早速、ラジオ体操を始めた
意外にも身体が伸びて気持ちがいい
少し胃がもたれている気がするが…
まぁ概ね調子は悪くない
原卓也
そう呟きながら身体を回す運動を終え
次の動作に移ったその時
ふいに宙に浮いたような感覚に陥った
原卓也
そう思ったのも束の間
突然視界が真っ暗になった
あるはずの地面がなく、明らかに"落下"していた
原卓也
そう叫びながらも何とか身体のバランスを保とうとした
だが上手くいかず、背中から落ちていく
そして
バシャーーーーーーーーーーーンッ!!
大きな水音が辺りに鳴り響いた
だがそんな叫びも水音も決して外には聞こえない
決して…
コメント
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続編です!ぜひ読んでみてください!