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ボクはキミに恋をした

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ボクはキミに恋をした

87 - 後悔しないように

♥

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2023年02月09日

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〜真冬 side〜

彼方先輩達の受験も無事終わって、 早2週間が過ぎた

最近は、卒業式の練習を するようになってる

ここまで、早かったなぁ……

そらるん達、もう卒業か〜

真夏

早いよね、ちょっと前まではまだ2年生だったのに

学校からの帰り道、96ちゃんと 姉さんが、しんみりしながら そう言っていた

翔太

そういえばまふ君、そらるさんに何も言わなくていいの?

不意に、天ちゃんがそう聞いてくる

そらるさんに……あ、告白のことか

真冬

うん。僕は一緒にいられるだけで十分だから

好きでいるだけって、 あの時そう決めた

だから、これ以上多くは 望まないつもりだ

真夏

真冬は、それで後悔しない?

真冬

えっ?

僕が、後悔……?

真夏

会長が卒業したら、いつもみたいに通話はできても、直接会える機会は少なくなるかもしれない。

真夏

……そうなった時、真冬は寂しくならない?

真冬

たしかに、寂しいけど……っでも、今の関係が崩れる方が怖い

僕はきっと、後者の方が辛いと思う

それなら僕は、何も言わずに、何も 知らずに、いつも通りのままがいい

真夏

……そっか。ごめんね、変なこと聞いて。

真夏

ただ、真冬には後悔して欲しくなかったから

後悔してほしくない、か……

わしも後悔してほしくはないな〜。もういっそ、当たって砕けろ! みたいな感じでええんちゃう?

翔太

何もできずに後悔するより、何かしてからの後悔の方が、僕はいいと思うな。

翔太

こう、何もしないより悔いが残らないというか?

2人の言うことも一理あるし、 僕もよく分かってる

だけど、僕にそれをする勇気がない

真冬

ありがとう、みんな

今は、これだけ伝えておこう

もし未来の僕が何か行動を起こすの なら、起こせるのなら、今ここで 断っちゃいけないもんね

結局、僕に懸かってるっていうのは 変わりないんだけど

諦めの悪い、勇気のない僕に、 何ができるのかなんて分からないし

彼方先輩には好きな人がいる。 前に本人から聞いたことだ

もしそれが僕で、 告白して付き合えたなら

そんな可能性を望んでいる僕もいる けど、いざ告白しろと言われても、 僕は何も言えないだろう

真冬

……僕、頑張ってみる

僕次第で、嘘にも本当にもなる この言葉

もし頑張れたなら、 これを本当にできるんだろうか

そらる

『まふまふ、ここのMIXこんな感じでいい?』

まふまふ

今確認します

夜の7時

ボクとそらるさんは、通話を 繋いで一緒に作業中をしていた

先輩の受験も無事終わったから、 また活動を再開していこうって ことになったんだ

そらるさんから送られてきた データを聞いてみる

まふまふ

……はい、いいと思いますよ

そらる

『オレとしてはいまいちしっくり来ない気がするんだけど……』

しっくり来ない、か……

まふまふ

ん〜、強いて言うなら……

ボクが気になった箇所に、 少しだけアドバイスしてみる

そらる

『あ〜、そこか。ありがと』

納得してくれたらしく、 また作業に戻ったそらるさん

そらる

『……もう卒業か』

不意に、そらるさんが ぼそりとそう呟いた

いつの間にか、3年生の卒業式は、 もう3日後まで迫っている

まふまふ

何だか寂しくなりますね

昼休みも帰る時にも、 彼方先輩がいない

そういうことは時々あっても、 これからずっとってなると、 寂しさを感じる

そらる

『ほんとかよ』

まふまふ

ほんとですよ

何より、彼方先輩に 会えなくなることが寂しい

まふまふ

そういえば彼方先輩、好きな人に告白しなくていいんですか?

僕もふと思い出して、 そんなことを聞いてみる

そらる

『……いや、しない。どうせ振られるだけだし』

まふまふ

そうですか

それを聞いて、少し嬉しいと思って いる僕は、ひどいやつだろうか

まふまふ

……僕は、告白してみようかな、なんて

そらる

『ふーん……あれ、お前も失恋したんじゃなかったの?』

そういえば、そんなこと言ってたっけ

まふまふ

前も言ったけど……やっぱり、諦めきれなくて

そらる

『……へぇ、頑張れよ』

今の言葉は、 僕の本音だったのかもしれない

一度は諦めたけど、やっぱり好き だから、希望なんてなくても、 また好きでいようと思った

好きでいるだけ、何もしない

そう思ってたのに、どうしても 僕は諦めが悪い

「何もできずに後悔するより、 何かしてからの後悔の方が、 僕はいいと思うな」

この前、天ちゃんがそう言っていた

僕だって、後悔するなら、最後まで 足掻いてからの方がいいと思う

そうじゃないと、前までの 僕みたいに、気持ちをズルズル 引きずって、きっと後悔する

……やっぱり、告白しよう

まふまふ

頑張ります

みんなにも言ったこの言葉を、 本当にする為に

何もできないまま、未来の僕が 後悔しないように

卒業式の日、あの桜の木の下で──

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