涼介side
今日は先輩が来れないらしい
だから大人しく家でゴロゴロ
ピンポーン
涼介
……ん?
しずかな?
しずならさっき買い物に行った ばっかりだけどなぁ
ガチャ
ドアを開けると
涼介
はーい
樹
よっ
片手を挙げてひょいっと顔を出す、
樹だった
涼介
おぉ急にどうしたの?
涼介
しずなら出掛けたよ?
樹
うーん
樹
とりあえず中、入れて?
半ば強引な樹をリビングへと案内する
涼介
んで何の用?
樹
お前、しずと仲良くやってる?
………
涼介
それがさ
涼介
最近あんまり喋ってなくって(苦笑)
樹
…なんで?
明らかに顔の様子が変わった
涼介
なんでって…
涼介
他に話す人が出来たから…?
樹
っざけんなよ
一瞬の間に樹の右手は俺の 胸倉へと移動した
涼介
…離せよ
樹
てめぇしずがどんな想いしてるか知らねぇだろ?
涼介
そりゃあな
樹
あいつ、
樹
大学にいる時もずっと浮かない顔で、、
樹
それは多分俺のせいだとは思うけど…
涼介
…なんで?
樹
俺、あいつに告ったんだ
涼介
…ふーん
樹
それから‘‘あたしも’’って言われたけど
樹
付き合わなかった
涼介
なんで?
樹
気持ちを伝えたかっただけだから、
樹
それに、
樹
こんなクズな俺といたらあいつが可哀想で、
涼介
……
樹
だから、お前なら
樹
しずの顔見計らって慰めてくれんじゃねぇかなって思ってたけど
樹
そんな事なかったみたいだな
確かに、最近
しずの笑顔を見ない事は薄々 勘づいてた
でもっ…
どうすればいいのかわかんなかった
樹
だからっ…
樹
死んでるお前がしずの為に出来る事つったら、
樹
傍に居てやるって事しかねぇだろ…
樹の頬を伝う涙は
本当にしずの事が好きだったんだって
思わせてくれる、
美しいものだった