~猫船宅~
AM2:00
ガチャッ
闇桜
全然寝れないわ…。)
闇桜
書けたかしら?)
夜桜
夜桜はリビングのソファに 横になっていた。
闇桜
そのまま寝たのね。)
闇桜は夜桜の上に 掛け布団をかけた。
夜桜は爆睡しているようで、 起きる気配がない。
闇桜は机の手紙を封筒から 取り出し、読み始めた。
闇桜
闇桜
内容、薄いわね…)
闇桜
全然伝わらないわよ。)
闇桜
私が書き直すと
バレるし…)
ふと闇桜はゴミ箱の中の 便箋が目に入る。
闇桜はそれを手に取り、 読み始めた。
闇桜
これいいじゃない。)
闇桜
破かれてるけど、
問題ないわね。)
闇桜
ポワッ
第40話
『突然』
次の日 AM11:45
猫船
…眠すぎる…。
猫船は依頼を終え、 事務所に帰っていた。
昨日、 よく寝れなかったのよね。
猫船
手伝ってたの?)
いや、手伝ってないわ。
まぁ、ちょこっと したけど?
猫船
…ああ、もう駄目…だわ。
目が…限…界…
猫船
……。
猫船
猫船
猫船
夜桜ちゃんと
手紙書けたかな?)
猫船
寝ちゃったから
内容見てない。)
猫船
夜桜はどうやって
届けるんだろ?)
猫船
猫船
ドンッ!
猫船
猫船は後ろから フードを被った人と ぶつかり、盛大に転けた。
フードを被った人は そのまま何事もなかったように 歩き去って行った。
猫船
猫船
邪魔だったかな?)
大丈夫!?
後ろから 誰かの声がし 猫船は振り返る。
猫船
四葉
猫船
猫船の左腕に 小さな擦り傷が出来ていた。
猫船
猫船
四葉
もらっていい?
四葉
したい。
猫船
~公園~
数分後、
猫船
ありがとう。
四葉
先程の擦り傷部分に、 絆創膏が貼られている。
猫船
猫船
描いてる♡)
四葉
四葉
歩いてるんだ。
四葉
よく怪我してたから…
猫船
四葉
いないよ。
四葉
お姉さんみたいな
人がいたんだ。
四葉
先生と暮らしてて、
猫船
四葉
四葉
と暮らしてて、
四葉
お母さんの働く
施設に住んでたんだ。
猫船
四葉
何年か経った頃に
その姉さんに
あったんだ。
四葉
子ども達の皆と
仲が良くて、
四葉
「姉さん」って
呼んでたんだ。
猫船
四葉
よく怪我してたんだ。
四葉
料理して切ったり、
四葉
絆創膏を持ち
歩くのが癖みたいに
なっちゃって…
猫船
猫船
お姉さんなんだ。)
四葉
顔覚えてる?
猫船
猫船
見えてなかった。)
四葉
猫船
ないから大丈夫だよ!
猫船
歩いちゃったから、
猫船
この時間に
会うの珍しいね!
四葉
猫船
会うのは、
ほぼご飯食べる時
だったから。)
四葉
猫船さん。
猫船
四葉
会えるの
最後なんだ。
猫船
四葉
決まったんだけど、
四葉
遠い所に
行く事になったんだ。
四葉
今日には
離れる予定。
猫船
四葉
四葉
前もって話すべき
だったよね。
猫船
猫船
ほぼ昼休憩だけ
だったから…
猫船
交換してなかったし、)
猫船
猫船
行っちゃうんだ。
猫船
猫船
猫船
交換しようよ!
猫船
遠く離れてても
いつでも話せるでしょ?
四葉
猫船
でも電話番号を
教えたら不安だよね?
四葉
大丈夫だよ。
四葉
大丈夫?
猫船
大丈夫だよ!
猫船
友達だからね!
四葉
四葉と猫船は それぞれ紙を取り出し、 自分の電話番号を書く。
四葉
僕の電話番号。
猫船
そして、 電話番号の書いた紙を 交換した。
四葉
わからないように
破いて捨てるね。
猫船
私もそうする!
猫船
かかってきたら
怖いもんね。)
四葉
そろそろ…
四葉はベンチから 立ち上がった。
四葉
ありがとう。
四葉
彼は少し寂びそうに 笑いながら猫船に別れを告げた。
猫船
猫船
そして、四葉は 公園を去って行った。
猫船
猫船
電話で話せるから
大丈夫!)
猫船
今晩かけて…)
ピコン♪
猫船
ふと隣から 何か音が聞こえた。
そちらを見ると、 ベンチの上に一台のスマホが 置かれている。
猫船
四葉君のだよね??)
猫船
のかな?)
猫船
猫船
駄目だよ!!)
猫船
四葉とお話できない!!)
猫船
届けないとっ!!
猫船は慌てて、 四葉を追いかけて行った。
~夜猫依頼事務所~ 事務員室
夜桜猫
青影
それ何だ?
青影
なんかやばいな。)
青影
みたいな…)
夜桜猫
ミルクティーだよ。
夜桜猫
流行ってて、
夜桜猫
この黒いタピオカが
入ってるんだ。
夜桜猫
もちもちした食感が
ハマっちゃったんだ。
青影
夜桜猫
週間に1、2回の
楽しみだよ。
夜桜猫
飲んでみたら?
青影
遠慮しとく。
青影
苦手だしな。)
~~♪
青影
青影のスマホがなり始めた。
画面を確認すると、 『猫船』と表示されている。
青影
青影は通話ボタンを押し、 耳に当てた。
青影
青影
『……』
青影
ブツッ…
無言のまま、 通話は切れてしまった。
青影
青影
ピコンッ!
今度は、 チャットメールに メッセージが届き、 青影はすぐ確認した。
青影
夜桜猫
青影
無言電話が来てな、
青影
チャットメールで
なんか地図が…
夜桜猫は青影に近づき、 彼のスマホを覗いた。
夜桜猫
夜桜猫
ちょっと手伝って!」
って来てるね。
青影
青影
近いな。)
夜桜猫
夜桜猫
依頼かな?
夜桜猫
行ってるし…
青影
起きたんだろうか?)
青影
行ってみる。
夜桜猫
青影はスマホを手に持ち、 事務員室を出て行った。
夜桜猫
夜桜猫
青影を下で
読んでたっけ?)
~廃墟~ 2階の広場
青影
いますか?
青影は先程、 送られてきた画像の 場所の中に来ていた。
青影
猫船さんに
かけた方がいいか?)
青影
なんでこんな所に
猫船さんがいるんだ?)
~~♪
スマホ画面には、 『猫船』 と表示されている。
青影
青影
青影です。
『……。』
青影
どこにいますか?
青影
きてるんですけど…
『……。』
青影
応答がない。)
青影
どうなってるんだ?)
シュッ!
青影
ゴトンッ!
突如、 耳に当てていたスマホに 何かが当たり、衝撃から 地面に落ちる。
青影
後ろを振り返ると そこにはフードを 被った人がいた。
片手には、 ナイフが握られている。
青影
青影
持ってるのって
猫船さんのスマホ
じゃないか!)
青影
あの無言電話は
こいつの仕業か!?)
青影
猫船さんは
一体どこに?)
ダッ!
青影
フード被った人は、 青影に襲いかかる!