優等生のフリをする

今日、とうとう学校を休んだ

でも、一人ということがこの上なく気楽で

ずっとこのままでいたいと思ってしまう

そしてお母さんも、俺が中学のときからおかしくなった

中学の頃はまだ勉強も難しくなくてテストも卒なくこなしていた

赤さんはまた高得点ね！

すごいわ！

友達に嫌悪感を抱くこともなかったし

すごく楽しい中学校生活だった

でも、

お母さんは俺を『完璧な人』に育て始めた

テストで毎回高得点をとってくる俺を見て舞い上がってしまったのだと思う

俺も、お母さんに喜んでほしくて必死に勉強した

勉強以外でも、スポーツにも力を入れたし、部活だって頑張ってきた

でも、お母さんは

結果だけを求めて、俺の努力なんて一ミリも見てはくれなかった

それがこの上なく悲しくて

期待に応えるのが辛くて

だから中学は、かなりの回数で休んだ

なんか…『お母さん』って感じ…

面倒見が良いのかな…

なんでそこまでして俺と関わろうとするんだろう…

これ以上、友達を嫌いたくないのに…

あ…もうお母さん帰ってる…

早く部屋に籠もろう…

ｶﾞﾁｬﾝｯ

いつもなら鍵なんて閉めないのに

チャイム押せば気づくかな

ピンポーン

お母さん、中にいるのに…

人影が…2つあるの…に…

…そっか

喧嘩してるから、それでなんにも聞こえてないんだ

来てしまった

お世話になるつもりなんてなかったのに

聞きたいこと…？

なんか…桃くん怖い！！！

今日は巻き込まれないって思ったの、顔に出てた…？

…桃くんには、俺の心の中が分かっているのかもしれない

でも、更に知られるわけにもいかない

きっと桃くんとはもう、関われない

嫌いでも、嫌悪感もなにもない

でも、これ以上関わると、俺がどうにかなってしまいそうで

黄くんと青ちゃんと関わるのが嫌になってしまいそうで

だから俺は、『完璧』な『優等生』でいよう