109号室
GINO
GINOは困惑しながら部屋を見渡した
GINO
ある重大な事件が起こった─────そう、対戦相手が見当たらないのだ
全身真っ白で壁と同化しているわけでもなく、本当に対戦相手が見えない
ゲームマスターに尋ねようと広間へ行こうとしたが案の定扉は開かない
GINO
こうしている間にもタイマーのカウントダウンは止まらない
そんな困り果てていた時、足に何か柔らかいものが当たった
GINO
神聖r.
GINO
終始戸惑いっぱなしのGINOに神聖ローマは少し笑いそうになりながらも説明した
神聖r.
GINO
GINO
神聖r.
GINO
足元で必死に話しかけるのをやめ、銃の置いてある机へと飛び乗った
ちょうど日に当たり、机は床暖房のように温かくなっている
神聖r.
GINOが首を横に振ると、確信したのか深く頷いた
神聖r.
俺らは元いた世界が違うんだな
神聖r.
神聖r.
……あ、そうだ俺のこの体に描かれた模様に見覚えはないか?
GINO
神聖r.
GINO
今存在している国のようには見えないな
神聖r.
一呼吸置いてから自分がかつてヨーロッパで繁栄していた「神聖ローマ帝国」だと打ち明けると、GINOは目を見開いた
GINO
神聖r.
GINO
神聖r.
GINOは先程とは変わって今度は気まずそうにしている
唾を飲み込む音がよく耳に入ってくる
GINO
GINO
GINO
考えていることを悟られないようにしながら必死に思考を巡らせる
この部屋から出る方法、なぜ神聖ローマと自分が対戦しなければいけないのか、ゲームマスターの意図は何か
しかし、いくら考えたところで答えは何一つ出てこなかった
共通点もあまりない、直接関わるのはこれが初めて、何かゲームマスターの恨みを買うようなことはしていない
自分と神聖ローマを対戦させるメリットや理由が何も無いのだ
GINO
GINO
GINO
苛つくGINOを煽るように日の光が部屋に差し込み、銃と神聖ローマを照らす
GINOの限界は近かった
GINO
GINO
GINO
苛立ちは収まることを知らず、気づけば唇からは血の味がほんのりと、手のひらには爪の食い込んだ跡があった
さすがにやりすぎた、と思うわけもなく相手に挙げてしまいそうな拳をぐっとおさえている
いよいよ抑えるのも限界に近づきいつ殴りかかってもおかしくなかったとき、GINOは解を求めることができた
苦しいのは…嫌!!
GINO
微かに扉の向こうから聞こえる声は、GINOにとって聞き覚えのある声だった
優しく元気で、すこし天然なところもある、大切な仲間の悲鳴
そしてその後すこし間をおいてから聞こえた銃声と途切れた断末魔
GINOが解を導き出すのには十分だった
GINO
神聖r.
震えを抑え、声を絞り出す
その緊張や不安、絶望は神聖ローマにもよく伝わっていた
GINO
GINO
GINO
GINO
GINOは神聖ローマの近くに置かれていた、よく温まった銃の引き金を引いた
白い壁に赤がよく映える
そんな光景を目にしても尚、神聖ローマは簡単には動じなかった
机から飛び降り、扉が開くと一度も振り返らずに広間へと向かった
諦めたような、受け入れたような、そんな遠い目で。
第1ラウンド終了 生存者 18人→9人
to be continued....
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