誰もいない場面から始まり、そして中央に気味の悪い格好をした人物が映る。
ナポレオン
オールドメディアによる放送はここまでとしよう。

ナポレオン
今の時代、オールドメディアに頼らずとも、こうして個人が発信することが可能になった。

ナポレオン
ゆえに、これからはこちらで革命をお伝えしようと思う。

ナポレオン
オールドメディアは世間の見聞を集めるための撒き餌のようなもの。

ナポレオン
今となってはもう必要ない。

ナポレオン
さて、ここをご存知だろうか?

ナポレオン
いいや、ほとんどの方が知らないであろう。

ナポレオン
かつて、この場で多くの人間が死んだ。

ナポレオン
後に【3D事件】と呼ばれるようになる事件によって――。

ナポレオンはチョークを手に持つと、それを弄びながら、少し歩き始める。
ナポレオン
事件後、現場となった教室と、多くの人が殺されてしまった隣の教室は、いわゆる開かずの間として扱われた。

ナポレオン
リフォームを行い、また改めて教室として使う――なんて話も出たが、結局のところ使われることはないまま、この高校は閉校した。

ナポレオン
閉校した理由はいたってシンプル。

ナポレオン
人口減少による統廃合というやつだ。

ナポレオンはふと立ち止まると黒板のほうへと向かう。
ナポレオン
さて、それでは第三革命ゲームを始めるとしようか。

ナポレオン
ルールは簡単。

ナポレオン
かつてこの教室で事件に巻き込まれた人間――確か半数程度の生き残りがいたはず。

ナポレオンはそう言うと、生き残りであると思われる人物の名前を黒板に書き殴る。
ナポレオン
これより、上野原高等学校に在籍しているイガラシセイヤという教師に、ある選択をしてもらう。

ナポレオン
先ほど第二革命ゲームにも出ていた教師だ。

ナポレオン
あの人物こそ【3D事件】で活躍した立役者。

ナポレオン
彼にはこの黒板に書かれた元クラスメイトの中から、真っ先にここへと来てくれるであろう人間を3人選定してもらおう。

ナポレオン
――説明するまでもないが、元クラスメイトの方々には、あらかじめ連絡させてもらってある。

ナポレオン
もちろん、イガラシセイヤと元3年D組の人間が連絡を取り合うことは許さない。

ナポレオン
まぁ、そんなことをすればどうなるか――聡明な彼ならば分かることだろう。

ナポレオン
もし、この教室に真っ先へとやってくる人間を当てることができれば、イガラシセイヤの勝ち。

ナポレオン
制限時間内に誰もやって来ない。もしくは、イガラシセイヤがやってくる人間を当てられなかった場合――上野原高等学校にとって残念なことが起きてしまうだろう。

ナポレオン
制限時間は――今から2時間。

ナポレオンはカメラのほうへと振り返ると、カメラのほうへと歩み寄る。
ナポレオン
さぁ、これをご覧の皆さま。

ナポレオン
一体、誰がいち早くこの教室へと駆けつけてくれるのか。

ナポレオン
誰がイガラシセイヤのために動いてくれるのか。

最後の最後には、もはや骸がカメラにかじりつくかのごとく近づいた。
ナポレオン
第三革命ゲーム【友情確認ゲーム】を始めるとしよう。
