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あなたは彼氏候補にもなりません!

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あなたは彼氏候補にもなりません!

14 - あなたは彼氏候補にもなりません!14

♥

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2019年10月26日

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そんなこと言ったら絶対うるさくなりそうだから言わないけど

花奏

ほら!

花奏

出来たよ!

花奏

歯磨きしたらさっさと寝る!

妙に年上ぶってその口調にイラっとする

昨日17になったばかりの癖に

俺のほうが誕生日、早いんですけど

でめ、その言葉を飲み込んで歯ブラシを取りに行った。

花奏は俺を何だと思っているのか食材と歯ブラシまで買ってきていた

花奏

さっすがあたしー!

なんていいながら、自分用にして使うらしい

……って

はっ!?

歯磨きを終えて、部屋に戻ると花奏がこの部屋に布団を持ってきていた

和室を使えって言ったのに…!

夕方の事許してくれたとはいえ、危機感まで捨てるなんて…

和室使えって言っただろ

花奏

いやよ。

花奏

澤本君さっき熱計ったときさがってないんだもの

もう大丈夫だよ

花奏

何言ってんの!

花奏

せっかくゆっくりゆっくり下がり始めているのにまた上がったらどうするの?

もう大丈夫だから

花奏

それはあたしがここに泊まるって言ったからでしょ!?

……は?

いったいなにをいいだすんだ?

花奏

あたしが泊まるって言うまでずっとあたしがどっか確認してたくせに!

なっ!

自意識過剰にもほどが…!

花奏

で、あたしが泊まるってわかったら少しうれしそうな顔してたくせに!

してねーよ

花奏

あらあら?

花奏

いつもより語尾があらいですね?

花奏

ずぼしだからですかね?

!?

腰に手を当てて、ずいっと顔を近づける

向き合っててもらちが明かないから、俺は顔を背けてベッドに横になった

花奏

いーこいーこ

ほんとうに…かんべんして

俺の気持ちなんてわかるはずもないだろうけど普通に頭をなでる

もうそれも全部無視して、壁側を向いた

花奏がねるまでまって寝たら速攻客間に運んでやる

花奏

あたし寝ずに見ててあげるから!

花奏

不安だったら手をつないであげてもいいからね!

一体俺を何キャラだとおもってるんだ?

閉じていた目を開けて壁をにらんだ

でも…

小さく寝狩りをうって、小林のほうを見た

ん…

だったらこのわけのわからないおままごとに便乗してやる

そっと手を出すと最初はきょとんとして花奏も、ずぐさま笑顔になった

小さい手

頬と一緒で手のひらもぽよぽよしている

勢いでつないだ手がなんか恥ずかしく思って再びそっぽを向いた

花奏

お休みー。よく寝るんだよ

て、この野郎。人の気も知らないで

ベッドの上、つないだ手はそのまま

心地よさそうに眠る姿が一つ

なんで…

俺より先に寝ているんだよ!

あれから30分。逆に俺が眠れない

今考えるとおかしい。 俺が花奏のペースに巻き込まれているなんて

でもそれは多分花奏が男の部屋で熟睡できるくらい、今までにあったことないくらい純粋で無垢だから…か

いくら床暖房がついていて布団はかぶっているけど、花奏もまだ病み上がりだし

そう。花奏は病み上がりでそれなのに寒い中来てと言ったらきてくれた

警戒させるためとはいえ案内怖い思いもさせたのに、それでもここで俺の手をつないでくれている

横目に花奏をみて小さくため息をついた

客間に連れて行こう

そーっとつないで手を離した

その瞬間むにゃむにゃと花奏は床に倒れこむ

……!

足は無造作に開いた状態で、ぶかぶかの俺のスウェットを着て

肩見えてる

床に降りて花奏の服をなおす

花奏を抱き上げてベッドに寝かせた

ちょうど抱き枕の湯たんぽが欲しかったんだ

明日の朝起きたらどんな反応するかな

ちょっとからかってやれ。 寝返りを打つとすぐさま首筋があらわになるからそれをつけるのはよういだった

前、付けた痕はもう気づかないくらいに消えていた

そんなおれいたずらに

花奏

きゃああああああああ!

次の日の朝予想通り

花奏お得意のつんざくような雄たけびを披露してくれた

少しはかんねんしろ

澤本くんのエロ!澤本くんの変態! 澤本くんのスケベ!

昨日、いつの間にかベットで寝落ちしていたあたしは、何故か起きたら澤本くんのベットで一緒に眠っていた

しかも、なんか固い抱き枕だなぁー。なんて思っていたものが!

澤本くんだった

花奏

きゃぁぁぁぁぁ!

こうして今の悲鳴に至る

朝目覚めたら、澤本くんはいつものひょうひょうとした彼に戻っていて

熱も下がったらしく涼しい顔をしていた

花奏

昨日は手を繋いでとか言ってたくせに

注)澤本くんは言ってません

朝ごはんまだ?

洗面所で顔を洗い、鏡に向き合っていると背後から澤本くんが言った

花奏

あ、ちょっとまってて

いつも通りに戻ったけど、やっぱりこういう所は可愛いななっておもう

見た目は完璧なのに料理は出来ないのかな?

そんな一面にきゅんとしつつ、急いで顔を洗ってキッチンに向かった

そう言えば昨日から思ったけど

すっぴんだよね

……

………

花奏

あぁぁぁぁぁぁぁ!

そして再びあたしの悲鳴が響いた

風邪から復活した澤本くんはなんだかいつも以上に意地悪で

なんだかんだ最後まで口喧嘩しながら、あたし達はバイバイした

花奏

なんだかんだで駅までおくってくれたし

家を出る時

俺病み上がりだから玄関まで送る

花奏

ありがとう〜!

花奏

棒読みの言い訳、よぉーくわかりました!

花奏

そうよね!寒いよね!

花奏

そんな中来てくれた優しい素敵な子は誰だろう?

ほんと

なんで彼氏が出来ないんだろうねー

カチンっ

花奏

おほほほほ

このやろう…!!

なんて会話していたのに、いざ帰るとなるとぐるぐるに巻いたマフラーと暖かそうなコートをきた澤本くんが立っていた

花奏

玄関先なのに大袈裟じゃん

て、あたしが言っても無言で靴を履いて

今に至る

駅の改札を抜ける前に、澤本くんにお礼が言いたかった

病み上がりで、外が寒いのは本当だから

それでもわざわざ駅まで送ってくれて

花奏

あ、あの!澤本くんありが…

あ、あれ電車じゃないの?

花奏

え?あ、そうだけど

花奏

澤本くん!

再び澤本くんに向き合って

今改めて思う。目の前にいる大きくて背の高い彼を見るのは見あげないと足りない

花奏

あのね!

ありがと

花奏

……へ?

あたしが言うはずだったその言葉を彼が言ったのだ

いひょうをつかれてポカンとするあたしに彼は小さく笑って

じゃあね

と、人混みの中に消えていった

花奏

っ……!

このタイミングは絶対に反則だ

顔だけじゃなくて彼の全てがかっこよく見えたから…

おかげで電車乗り遅れたけど

たかが二駅、近い距離だけど

初めてのアリバイお泊まりからの朝帰り

別にやましいことは何も無いけど、やっぱりどこか緊張する

そーっと家の玄関をあけて中に入ると

お母さん

あら?花奏ー?

お母さん

帰ったのー?

お母さん

さっさと大掃除しなさーい

花奏

…あ、はーい

意外となんともなくてびっくりしたけど

そんなこんなでドキドキのお泊まり会は終わったのでした

あなたは彼氏候補にもなりません!

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ドキドキ...⸜❤︎⸝‍

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