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それから特になんかあったわけでもなく、気づけば冬休み最終日
澤本君たちは年明けも忙しかったみたいで全然会えなくて
かろうじてひよりちゃんと沙友里と一日だけご飯に行ったついでに宿題を片したくらい
それに沙友里は少し会わなかった間になんかこう、雰囲気？みたいなのが変わっていて
ひよりちゃん曰く彼氏とお泊りでもしたんじゃないかって
少し前まであたしとおんなじラインにいたはずなのに今はすごく遠い
雑誌とか、そういうことを経験している友達とかからは焦らなくていいって言われるけど
実際こうも周りのみんなが経験していくとなると、焦らずにはいられない
でも、焦ったところでどうこうなることでもないのも事実
彼氏や好きな人がいるなら焦ることもできるだろうけど、あたしにはそんな人もいない
ボフッ
花奏
ベッドに顔を埋めて思わずうなる
相談できる人もいない
だってこの悩みは同じ立場の人にしかわからないだろうから
だからこそ絶対にあいつにわかるわけないんだ！
いや、わかられてたまるか
美人で年上の先輩と付き合っていた男になんて！
本棚にあるあの本を睨んだ。クリスマスにもらったあの…
先輩の事が泣くほど好きなのにあいつは手が早いったらありゃしない
あたしにキスしてきたし、この前も…この前も！！
澤本君の家にいるときはバタバタしてたせいか気づかなかったけど、家に帰ってお風呂の鏡で気づいた
花奏
やっと消えたはずのあの彼氏ができなくなるあのおまじないが…
しかもこの前よりも真っ赤に腫れていて、発狂せずにはいられなかった
澤本君という男は、顔は彫刻のようにきれいすぎるくせに、
裏では変態で先輩と付き合ってて甘えん坊で寂しがり屋で、いちいちお弁当に注文つけてきて、そのくせちゃんと完食してくれる……そんな人
花奏
頭に浮かんでいた澤本君を消し去るようにてをパタパタとする
そんなこと考えるくらいなら明日の準備をしよう！
花奏
自分に言い聞かせて学校の準備をして、お気に入りの本をよんで気を紛らわした
1、最悪な出会い
2、お弁当とその涙
3、キスと誰も知らない彼
4、消えない先輩
5、クリスマスと誕生日
6、ドキドキの彼の家
2人の夜。 side蓮
NEXT↓
7、チョコと二人のこれから
そんなこんなで新学期初日
沙友里
静かな場所なのに沙友里の叫び声が響き渡った
花奏
慌てて沙友里の口をふさぎ周囲を確認する
ここは北風が吹く渡り廊下
寒いけど個々人通り少ないから絶好の場所なんだよね
花奏
冬休み中に澤本君んい頼み込んで許可をもらったんだ
もちろん先輩の事や数々のセクハラなどは伏せてだけど、お弁当の事などは話していいと
沙友里
沙友里
そんなこともあったような、なんとなく友のそんな言葉を思い出した
花奏
花奏
沙友里
沙友里
花奏
沙友里
沙友里のその言葉にあたしはポカーンと口を開けた
確かにCMとかも先取りで年が明ければもうバレンタインをあおるような、ものばかりだけど
この感じだと沙友里は大きな勘違いをしている
あたしが澤本君の事を好きって
でも、否定してもそのあとがまたいろいろめんどくさいことになるし
だったらこのまま勘違いしていただいた方がありがたいけど
これじゃあますます彼氏ゲットのチャンスが遠のくのでは…
もうあたし一生彼氏ができないような気がしてきたよ…
そして教室に入ってびっくり
なんとクラスの大半の女子たちがバレンタイン雑誌を読んでいた
いや、あの気が早くないですか皆さん？
バレンタインの女子おそるべし
沙友里
花奏
沙友里
沙友里
花奏
沙友里
花奏
蓮
花奏
お昼休み
いつもの空き教室で二人で座っていた
蓮
もぐもぐとほおを膨らませて澤本君が言う
花奏
蓮
花奏
蓮
無関心そうなのに言葉が行員であたしはその気迫に押された
花奏
本当はバレンタインのことだけど
うつむいてポツンとつぶやく
蓮
沙友里
ひより
あたしは沙友里とひよりちゃんに澤本君の事随時報告しろと言われたので、あたしはそのことを話した
花奏
花奏
沙友里
ひより
腰に手を置きずいっとこっちに顔を近づいてくるひよりちゃん
ひより
ひより
花奏
ひより
…
…ん？
花奏
沙友里
沙友里
花奏
ひより
2人は鬼の形相でいった
でも、澤本君は先輩と付き合ってたからだもん！！
なんて言えないのが悲しい
期待している2人の横であたしは苦笑した
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