悠馬は犬のあとを追いながら森の奥へと進む
悠馬
悠馬
まるで音のない世界。虫の音も風の音も…
犬は迷いなく進み悠馬を連れて行く
すると森の奥から柔らかな光が差し込む
悠馬
そこには小さな広場が現れた
悠馬
広場の中央には一人の老人が立っていた
その背後には島の住人たちが静かに並んでいる
母親の手を握りながら、悠馬を見つめる子供たち
母親は優しく微笑みながら、子供の頭を撫でていた
丸くなった愛猫を優しく抱くおばさん
猫は目を細め、喉を鳴らす
年配の女性は目を閉じ、祈るように手を合わせている
風にたなびくたてがみが揺れる白い馬
羊たちは草を食みながらも、時折悠馬の方をちらりと見る
まるで言葉を持つかのように、彼らの瞳には感情が宿っていた
悠馬
悠馬
老人がゆっくりと歩き悠馬の前に立つ
老人
悠馬
老人
老人
老人
老人
老人
老人
悠馬
悠馬は思わず聞き出す。
老人は古びた地図と鍵を取り出し悠馬に渡した
老人
老人
孤独の鍵
時間の鍵
命の鍵
記憶の鍵
祈りの鍵
老人
絆の鍵
老人
老人
老人
老人
周りを見渡すと住人たちが悠馬に祈っていた
悠馬
悠馬はしばらく考える
悠馬
悠馬
悠馬
老人
老人
その瞬間、広場にいた住人たちが笑顔になっていく
すると犬が立ち上がり、「行こう!」と 言ってるかのように悠馬を見つめる
悠馬
悠馬
悠馬
悠馬は犬と共に鍵と地図を持って広場の出口へと歩き出す
住人たちは無言で手を振りながら悠馬を見送る
こうして悠馬と犬による鍵探しの旅が始まった
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