※ 百 合 自衛お願いします
静かな校舎に反響する私だけの足音
何時も通り貴女の靴箱を開けて ローファーが置かれていない事を確認する
HRまで後35分程
あの子が来るまで約20分
時間を確認して階段を些か急いで登る
何時も通りのルーティンは欠かさない
誰も居ない事を 視覚と聴覚を使って確かめる
鞄から携帯を取り出しカメラを起動した
電子音が鳴ってファルダにひとつ あの子の写真が増えた
唇が弧を描く
あの子には敵わない不格好な弧
階段から数人の声がした
携帯を仕舞って自分の机に鞄を置いた
そして今日も
あの子が魅せる全てを待つ
机に伏せて眼を瞑っていた
校舎が騒がしくなり始めると同時に あの子の可愛らしい声がした
ク ラ ス メ イ ト
羨ましい
鈴 喜
そうやって声を掛けたら にこやかに返して貰える其の関係
恨めしい
私とは比にならない程に整った顔を 綺麗に緩めたあの子
屹度、話し掛けた時には終わる気持ち
2年と2ヶ月、一方通行。
教 師
煩い声が聴こえるとあの子の唇が 弧を描く事は無くなりキツく結ばれた
美しい
凛とした横顔に惚れ込んだ
二重幅がハッキリとしている大きな瞳
外国の子の様に高くスッと通った鼻
色白で透明感のある肌
瞬きをする度に揺れる長い睫毛
何度見ても飽きない
只管に美しい其の顔は 何処と無しか恋をしている様にも見えた
恋などしなくていいのに
コメント
9件
どうやって透明にしてるんですかー?
主人公が想い寄せてるだけか、台詞が1つもないの尊敬 久々のチャノベ連載らぶだぁあ🫶🏻
儚い百合が一番好きかもです()