電話の相手

ある日

携帯に電話がかかってきた

特に考えず、私は電話に出た

聞こえてきたのは、おばさんの声

当然間違い電話だと思い、否定する

びっくりしたし、少しムッとした

私は少しそっけなく答えた

そう言ったら、電話がプツリと切れた

そのときは、それぐらいにしか思わなかった

だけど＿＿

数日後

プルルルルルルルル.......

そのとき、私はお風呂掃除をしていた

すぐには手を離せない状況で

大事な用ならまたかけてくると思い

電話をとらないことにした

プルルル.......

プルルルル........

プルルルルルル！！

電話はなかなか鳴り止まず

着信音に耐え切れなくなった私は

渋々手を洗い、電話をとった

相手は、知らない番号だった

ついつい苛立った声が出てしまう

このあいだと同じおばさんの声がした

思わず、大きなため息がでた

ピシャリと言い放って、自分から電話をきった

その番号は着信拒否にした

気になったけど、もう着信拒否にしたから関係ない、と思い直した

一週間後

プルルルルルル........

思わず、表情が曇った

妙に嬉しそうな同じおばさんの声

思わず背筋がゾッとした

カチャ

無言で電話を切った

プルルルルルル.......

電話をきった瞬間に

すぐにまたかかってきた

番号は.......

驚いたけど、いい加減腹が立ったので

注意しようと受話器を手に取った

思わず声を張り上げた

そしたら

おばさんが男のような低い声で言った

プツリ

電話が切れた

三年後

あの不思議な出来事から

三年の月日が経った

電話が切れたあと

当時付き合っていた人にわざわざ家まで来てもらった

電話が来る度に、ビクビクしていた

なぜ私の名前を知っているのか

そもそも、あの人は誰なのか

わからないことだらけだったけど

あれから、あの人から電話がかかってくることはなかった

次第に、私もあの人のことを思い出さなくなっていた

ピンポーン

なのに

インターホンに出るとき

不思議とおばさんの声が頭をよぎった

その返答は＿＿＿＿