テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
306
おその★
23,401
#ご本人様には関係ありません
楪羽*yuzuriha*
11,058
花凜
94,450
康二
自室のベッドの上、冷たいタオルを額に当てられた康二が、かすれた声で目を覚ました。 視界に映ったのは、愛しい恋人の姿ではなく、心配そうに自分を見下ろすメンバーたちの顔だった。
辰哉
深澤がストローを挿したペットボトルを口元に近づける。 康二は申し訳なさそうにそれを少しだけ啜ると、すぐに掛け布団に顔を半分うずめた。
康二
ラウール
ラウールが康二の手をぎゅっと握りしめた。その大きな手が、小さく震えている。
ラウール
康二
翔太
静かに、だけど強い口調で遮ったのは渡辺だった。 渡辺はベッドの端に腰掛け、真っ直ぐに康二を見つめる。
翔太
渡辺の言葉は、康二が心の奥底に隠していた一番柔らかい部分を、容赦なく、だけど温かく突き刺した。
康二
康二の瞳から、堪えていた涙がぽろぽろと溢れ出し、枕を濡らしていく。
康二
大介
佐久間が康二の肩を優しく叩く。
大介
康二
康二はついに、声を上げて泣き出した。 子供のように、顔をぐしゃぐしゃにして、胸の内を叫ぶ。
康二
涙混じりの、悲痛な叫びだった。 5年間、深く愛し合ってきたからこそ、公式には「存在しないもの」として扱われる現実が、康二の心を限界まで削り削いでいた。 ラウールは康二の手を握ったまま一緒に涙を流し、佐久間はそっと背中をさすり続ける。 深澤は静かに立ち上がり、リビングへと向かった。その手には、自身のスマホが握られている。
コメント
1件
第9話、読み終えました。康二くんの「隠れなあかんの…」って叫びに胸が締め付けられましたね……5年もの間、愛しているのに公にできないもどかしさが、こんなにも静かに、そして深く傷ついていたんだなって。渡辺さんの「お前自身はどこで息抜いてんだよ」の一言が、すごく染みました。最後、深澤さんがスマホを握ってリビングへ向かったところ、すごく気になります。また続き、読ませてください。