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日本の名作シリーズ　舞姫（完結）

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日本の名作シリーズ　舞姫（完結）

第18話 - Re:舞姫　18

19

2022年10月03日

#ドラマ

#二次創作

#大人ロマンス

#青春恋愛

重田💋（omoda）

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19

重田💋（omoda）

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太田豊太郎

朝のコーヒーを飲み終ると、彼女は練習に行き、

太田豊太郎

俺の方はキョーニヒ街の、間口は狭く奥行だけ広い休憩所に行き、

太田豊太郎

あらゆる新聞を読み、鉛筆をとりだしてあれこれと材料を集めた。

太田豊太郎

この開いた引き窓から光を取り入れた部屋で、

太田豊太郎

定職のない若者、

太田豊太郎

多くもない金を人に貸して遊び暮らす老人、

太田豊太郎

取引所のあいまをぬって足を休める商人などと肘を並べ、

太田豊太郎

冷たい石のテーブルの上で忙しげに筆を走らせ、

太田豊太郎

ウェイトレスが持ってくる一杯のコーヒーが覚めるのもほおっておいて、

太田豊太郎

空いている新聞の細長い板切れにはさんであるのを何種類もかけ連ねた壁に、

太田豊太郎

何度となく行き来する日本人を、事情を知らない人は何だと思っただろうか。

太田豊太郎

また13時ごろになると、練習に出た日は帰り道にやってきて共に立ち去っていく、

エリス

トヨ～

太田豊太郎

尋常ではなく軽やかな、手のひらの上で舞い踊れそうな少女を、怪しんで見送った人もいるだろう。

太田豊太郎

俺の学問は荒んでしまった。

太田豊太郎

屋根裏の燈火が燃えて、エリスが劇場から帰ってきたとき、

太田豊太郎

椅子に座って縫い物などをするそばの机で、

エリス

～♪

太田豊太郎

俺は新聞の原稿を書いた。

太田豊太郎

以前の、法令の条目を枯れ葉のように紙の上にかき集めていたころとは違って、

太田豊太郎

今は活発な政界の運動、文学美術に関わる新現象の批評など、

太田豊太郎

あれとこれを結び合わせ、力の及ぶ限り、

太田豊太郎

作家・ビョーネよりは詩人・ハイネを学んで思想を作り上げ、

太田豊太郎

様々な文章を作った中でも、

太田豊太郎

あいついでウィルヘルム一世とフレデリック三世が亡くなって、

太田豊太郎

新しい皇帝の即位、ビスマルク侯の進退はどうなったかなどのことについては、ことさらに詳しい報告をした。

太田豊太郎

そうしてこの頃より思ったより忙しくなって、

太田豊太郎

多くもない蔵書をひらき、以前やっていた勉強を続けることが難しく、

太田豊太郎

大学の籍は残っていたけれど、学費を払うことが難しくなったので

太田豊太郎

たった一つに絞った講義さえ聞きに行くのはまれになった。

豊太郎のドイツでの新生活が始まった。続く。