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ずしっと重いため息が出た
理由は一つ。家出してきたからだ
理不尽なことで怒られて、怒られて、積み重なって爆発
親と大喧嘩して、スマホと財布だけ持って家から飛び出してきたんだ
季節的にはもう寒い。冬ほどではないけど、秋の夜は割と
しかも、雨が降った後だから余計に
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なんて、呑気に考えていたとき
ズルッ
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唐突にきた浮遊感
真っ暗で下が見えない暗闇が目の前に広がった
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及川 徹
そう言って、手をこちらに伸ばしてきた彼が視界の角に映った
その手をぎゅっと握り返してグワンと引き寄せられる
ドンッ!!
及川 徹
3、4メートルくらいある崖の上から落ちたんだ
雨が降った後で、滑りやすくなった地面で、ドジな私は足を滑らせて
やばいと思ったときにはもう遅かった
体が宙を舞って、自分ではどうすることもできないと悟って、少しでも体を守ろうと全身に力を込めた
でも、思っていたような痛みは感じず、温もりだけを感じた
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やっと状況を理解してきた
私、彼に助けてもらったんだ
彼の腕から抜け出して、大丈夫か聞くけど、彼は顔を顰めて転がってるだけ
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自分を守って誰かが怪我をしたんだ
頭の中が真っ白になって、慌てて自分のスマホを取り出した
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カタカタと震える手で、キーパッドを開いた
半泣き状態で最初に119番を入力
電話をかけようとしたとき
ガシッ
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彼に腕を掴まれたんだ
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及川 徹
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及川 徹
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及川 徹
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及川 徹
そう言って、花が周りに咲いたように笑う彼が、夜なのに眩しく見えた
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及川 徹
及川 徹
及川 徹
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及川 徹
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及川 徹
及川 徹
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及川 徹
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これが、私たちの最初の出会いだった
あの日を境に、私たちはみるみる仲が良くなっていった
次の日になって知った
私と彼は同じ中学校に通っていたのだと
隣のクラスだったらしい
彼は、同じ学校なのに俺のこと知らなかったの?!と、すごい驚いていた
それはさておき、すごく嬉しかった
これからも彼と他愛もない会話をしたりできるのだから
そう思っていたんだけど、現実はそう甘くないと数日でわかった
理由は簡単
彼がすごくモテるから
モブキャラの私が、みんなの人気者のような彼と一緒にいられるわけがなかった
だから、学校での接触はほぼ諦めていた
だけど、思いの外彼は私によく話しかけてきてくれたのだ
嬉しかった反面、女子からの視線が刺さって多少複雑な気持ちを抱えていた
次の年、中学3年生になると、クラス替えで私と彼は同じクラスになった
内心、飛び跳ねるように嬉しかったし、彼も、やったね!と喜んでくれた
そしてまた、私たちは仲良くなって行った
ある日の放課後
彼は久しく部活がオフらしくて、夕陽が差し込む教室で、私と彼は2人だけで居残っていた
その日はたまたま2人で日直で、放課後残って掃除をしなきゃいけなかったから
何気ない会話の中、彼が唐突にこんなことを話し始めた
及川 徹
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及川 徹
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あまりにも唐突すぎたんだ、先程までアニメ「HQ!!」の話をしてたのだから
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及川 徹
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及川 徹
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及川 徹
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私が1番避けていた話
別に、恋バナをするのが嫌いなわけではない
彼とする恋バナが嫌いだった
単純に聞きたくない
だって、私は彼のことが
好きだから。
私ではない誰かのことを好きと言って話されるのが、苦しかった
きっと、私はあの助けてもらった日から、彼のことが好きになったんだ
今の所、1年間くらいの片思い
初めて恋に落ちたし、この先彼以上に好きになる人は訪れないと思うほど、私は彼に釘付けされていた
及川 徹
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及川 徹
及川 徹
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彼の好きな人が、私なんじゃないかな、なんて考えたこともあった
だって、他の女子よりも私といることが彼にとって多いから
周りの子より私といてくれるってことは多少なりとも好意を持ってくれてるからなのかな、なんて思ったよ
でも、そんな考えはあるはずもなかった
私は、彼の好きな人を大体知っていたから
なぜかと言うと、単なる風の噂だ
学年1モテる彼だ、いろんな人と噂になるし、付き合ってたりするのも知ってる
私が片思いをしている1年間で、彼は何回女の子と付き合ったのだろうか
片手では数えられない数ではあるだろう
なんでそんなに付き合って別れてを繰り返すのかを聞いたこともある
理由は、付き合ったらその子を好きになれるかもしれないから!とのこと
最初は、なんて言う考えだ。やばいやつだな!って思ったんだけど
そのやばいやつを好きになったのは私であるから、これまた複雑な気持ちを抱いた
まぁ、そんなこんなの理由があって、私はずっと片思い
及川は、好きでもない女の子でも付き合うから、私も告白したら付き合えるかもしれない
でも、それはなんだか嫌だったんだ
私は、カレカノっていう銘柄が欲しいってわけじゃない
ちゃんと、心から好きと思う気持ちが相手にないのに、無理にカレカノになりたいとは思えなかった
と言うのは、半分意地なんだけど....
本当の本音を言うと、彼に、ちゃんと好きって思ってもらいたいから
ただそれだけだった
今は、彼の近くにいられることだけが、嬉しくて、楽しい
だから、今はこの恋をどうにかしたいわけじゃない
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時は早く流れて、あっという間に高校3年生になっていた
そして、あれから私と及川が何かあったかと聞かれると
いや、マジで何もありません!!!
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同じ学校に進んだのは、私が彼に未練たらたらだったから
偶然にも青葉城西から陸上の推薦を受けた私は即座にこの学校に来ることを決意
だけど、推薦ってことはもちろん彼の部活のマネージャーをやることは無理だった
だが、そんな私を哀れに思った神様が私と及川は高校3年間ずっと同じクラスにしてくれたのだ
まぁ、多少同じクラスになれるように自分でも努力はしたんだよ?
彼と同じ理系に進むために超苦手な数学と化学を猛勉強したこと
あとは、先生にちょっと媚び売ってみたり??(※してません)
と、まぁ、色々やってるんだけど、この恋の進展は全く見込めず
恋に落ちて5年間
片思いを5年間
こんなに長い年があったのに、私は本当に何を悠長にしているのやら
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ため息をつきながら、私は机に項垂れた
九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
九条 陽葵
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今一緒に話してるのは、高校に入って1年からずっと同じクラスの女の子
九条 陽葵(クジョウ ヒマリ)。1番仲が良いと思っている
彼女は、私がずっと及川に思いを寄せていること高1の時から知っている
そして、その恋を何気に応援してくれてるのも彼女である
九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
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九条 陽葵
九条 陽葵
九条 陽葵
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九条 陽葵
と言うことで、及川を祭りに誘うことになった
まぁ、私ももうそろそろこの恋にケジメをつけなきゃいけない時期かなぁ...
この5年間を無駄にして後悔するのも嫌だし、頑張るしかないよね
祭りまで残り1週間
早く及川誘わないと.....
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
◯◯ちゃんの勝手なイメージです!笑
主
相変わらず色塗り下手ですが、よろしくお願いしますっ(?)
主