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ジェルside
紫央
体育祭が終わった直後、俺は愛しい彼にそう言われた。
橙樹
腹痛が俺を襲いながら彼の隣に並んで誰も居ない校舎裏へと歩いていく。
紫央
立ち止まったなーくんはボソリと呟いた。
橙樹
いつもの笑顔で答える余裕もなく、静かにうなずく。
紫央
胸に何かが打たれたような感覚。
緊張の糸が溶けたのか、小さく息を吐いた俺。
、、急に、どうしたん?
そう聞く間もなく、なーくんは言葉を紡ぐ。
紫央
そう言われて思い出すのは、数か月前の勉強会と花火大会。
『我儘だけど、、、』
全然、我儘だなんてそんな事ないのに。
紫央
風に吹かれ、サラサラな髪が揺れる。
紫央
満面の笑みでにっこり微笑む。
紫央
"それを教えてくれたのが、ジェルくん"
そう一言で告げ、胸に手を当てた。
紫央
紫央
顔を赤く染め、大声をあげながら俺を真っ直ぐ見つめる。
その言葉に、目を見開いた。
紫央
頭を掻いて、1歩近づかれる。
俺は戸惑いながら、口をおずおずと開けた。
橙樹
紫央
___その答えは、とっくの昔にできている。
橙樹
俺はこれを言うために、今まで頑張ったんや。
その努力は無駄じゃなかった。
橙樹
紫央
橙樹
紫央
手を合わせ、抱きしめ合う。
これを望んでいた。
彼と結ばれる日を、待ち望んでいた。
橙樹
紫央
時が止まればいいのに。
俺は強く想った。