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私の愛する方は一人二役でした

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私の愛する方は一人二役でした

1 - 私の愛する方は一人二役でした

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2020年02月20日

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私の片思いの相手は 恋をしてはならない方でした

自分を守るためにも あの方を傷つけないためにも…

お前は自分を守れ もう俺には関わるな

期限内に何とかなったら 迎えに行くからな

私は何の期限かも分からない その時をまってる

いいのか 悪いのか……

家でダラダラしていた時だった

かおり

殺人……?

そういえば よくテレビでやってたなぁ

あの方が狙われない事を 願うしかない現状

本当は狙われる訳ない そんなこと知らなかった

夕食を終えて お風呂に入ろうかと 立ち上がった時

プルルルル

かおり

あっ!

心臓がドキンと跳ねた

あの方からだ!

かおり

もしもし

かおり か?

かおり

うん そうだよ

ごめん もう会えない

かおり

え……?

俺 殺される……

もう時間が無いんだ

かおり

何を言ってるの?

殺人……プツッ

鳥肌がたつのがわかった あの方が…… 狙われてるんだって

止まってなんか居られない

1つひらめくものがあった きっと、あそこにいるはず

スマホを握りしめ クロックスをつっかけて 飛び出した

かおり

はぁっはぁっ

私はただ走ってる 馬鹿みたいに走ってる

私が守らなきゃ

私が………

たどり着いたのは 海岸だった

彼は前にここが好きだと言ってた 何故か分かんないけど ここに居るって確信してた

かおり

!!!

いた

空の方に顔を向けている人

かおり

そうたさん!!

彼が振り返る ドキンと心臓がなる

そうたさんのはず なのに、 目つきは別人のように鋭い

かおり

そうた、、、さん?

こうた

俺はそうたじゃない
こうた だ

かおり

何を言ってるの?

全く理解できない だって目の前には好きな人が、 そうたさんがいるのに

こうた

そうた は殺す

かおり

あなたには出来ない!

こうた

何言ってんだテメェ

こうた

お前もぶっ殺すぞ? あぁ?

声を荒らげてくる そうたさんはそんな人じゃない じゃあ、彼は誰? 目の前にいる知ってるはずの人 は誰??

かおり

ふざけないでよっ!

かおり

そうたの……ばかああ

そうたさんなのに そうじゃなくて 私の心がぐちゃぐちゃになって 馬鹿としか叫べなかった

でも、それが聞いたのかな

そうた

……殺される

そうた

助けて

かおり

そうた……?

目の前で泣いている男の人

信じられない さっきまで切れていたのに 怒ってたのに…泣いてる

かおり

誰に殺されるの?

そうた

っ… かおり………

そうたさんは 泣きじゃくりながら説明してきた

そうたさんには兄弟がいた それも双子のお兄さんが

その人は こうた という 見た目までそっくりで 2人とも愛されていた

でも、やがて2人にも差ができた そうたさんは静かで賢い子 こうたさんは元気で運動上手

そうたさんは器用 こうたさんは不器用

そのうち両親は そうたさんを可愛がり出した こうたさんの分まで 愛されていた

学歴主義の家だったため 運動ができても 褒められることは無かった

こうたさんはそれでも そうたさんに 優しかった

でも、12歳になる頃 こうたさんはこの世を去った

自殺だった この海岸で身を捨てた 遺書や靴 鞄までここにあった

その遺書には こうたさんとは思えない 乱暴な言葉が並べられていた

まだ、子供だったそうたさんは 兄の死を受け止められなかった ずっと苦しみ続けた

遺書に書いてあった言葉 そうた お前が 俺を殺したんだ お前も一緒に去らないなんて 卑怯者 ゼッタイニユルサナイ

数年後こうたさんが この世に戻ってきた

それも、そうたさんの中に

かおり

そうだったんだ

そうた

僕も死なないと……

かおり

だめだよ

かおり

そんな事望んでないっ

そうたさんの目の色が変わった 鋭い目付き ……こうたさんだ

こうた

誰が望んでない?

こうた

みんな望んでるんだよ

かおり

だめっ

私が近づこうとすると

こうた

それ以上近づいたら殺す

何を言っているの? 殺したら こうたさんも消えるのに

こうた

俺は死んでるから平気だよ

こうた

……心に痛いも何も無いからね

複雑そうに笑った 私にはそう見えた

たとえ、人の体とはいえ 今は自分の体なんだから きっと死ぬこと怖いはず

こうた

………ちっ

こうた

来たか……………

かおり

えっ?

嫌な予感がした ドクドクと心臓がなる

そうた

あぁ………

気がついた時にはもう遅い こうたさんは消えていた その変わり怯えた顔の そうたさんが突っ立っている

そうた

死にたくない……嫌だ……

そうやって言ってるのに どんどん海岸の端へ…

かおり

落ちるっ……!

思いっきり目をつぶった

そうた

兄ちゃん、ごめんなさい……!

そうた

僕やり直しt_…

ボチャンと言う音 そのあとの無音の時間

助けれなかった

やり直したい

この気持ちはあまりにも 残酷だ

そうたさんは ずっとそう思い続けた 遠くではパトカーのサイレンが…

かおり

遅い……

かおり

遅いよ…

冬の寒い海岸 兄弟 家族での差を 考えさせられる場所となる

次の年もその次の年も 花束は置かれ続けた

❦ℯꫛᎴ❧

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