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どこを見渡しても白がかった茶色の景色。

ベタベタに覆われて、外の音がほとんど聞こえない。

気持ち悪い、気持ち悪い!!

ここから出してよ!

私の願いとは裏腹に、バクンと下半身も飲み込まれてしまった。

い、痛っ!?

粘液に塗れた肌が痛い!

『作り替える』って言ってたけど……

まさか私、溶かされるの!?

嫌、嫌だよ…‥!

……ああ、私がバカだった。

見返すため、とかしょうもない理由で危ないバイトなんかして。

莉子のネチネチなんて笑い飛ばして

4人で楽しく過ごす事で満足していれば、こんな事にはならなかったのに。

 

──、──!!

 

──、──!

 

────!!!

外から誰かの言い争う様な声が聞こえる。

……もしかして!!

何かが起きたのか、大なめくじは私を吐き出した。

重力に引っ張られ、ドシャッと床に落ちる。

樋口

あたっ!!

木場

仁香!!!

岡野

よし、無事みたいだね!

峯崎

こんな目に遭わせて、許さないんだから!!

樋口

みんな!!!

樋口

……はっ、あの二人は!?

岡野

……

健二の沈黙に疑問を感じたが、水風船と背中タンク付きのウォーターガンという木場、岡野二人の装備と

視界の隅に映った、水溜りに沈んだ二人の衣類を見つけて全てを察した。

樋口

……ごめんね、ありがとう

岡野

……とりあえずここは逃げるぞ!

牽制のためか、手に持った水風船をナメクジに投げつけ

岡野くんは私の手をとって階段を駆け上がった。

木場

……よし、樋口は逃したな

木場

後は俺たちが逃げるだけだ!

木場

おらっ!!

木場くんは塩水の入ったウォーターガンをナメクジに向けて、勢いよく噴射した。

大ナメクジ

ギュアアア!!!

峯崎

よくも仁香ちゃんを!!

峯崎

それっ!!

ホームセンターでありったけ買った、ナメクジ駆除剤を投げつけると

床をのたうち回って、なめくじはみるみる内に小さくなって

壁のひびへと逃げ出して行った。

峯崎

あ、ちょっと!

木場

後追いはするな

木場

チャンスは逃さないぞ、行こう!

峯崎

……う、うん

樋口

はあ、はあ……

岡野

後もう少し、頑張れ!

ダンテ

ねえ

ダンテ

なんで逃げるの?

異様に低いダンテくんの声が聞こえた途端、体がズシンと重くなり

その場から動くことができずに蹲ってしまった。

ダンテ

料理も掃除も出来ないヒステリー女も

ダンテ

ヘラヘラ笑うしか能のない甲斐性無しな男も

ダンテ

使い魔のポチに飲ませて作り替えさせれば、僕好みの素敵な家族の出来上がり

ダンテ

実際この家は楽しかったでしょ?

ダンテ

なんで殺して逃げる必要があったの?

ダンテ

お前らのせいで全部台無しだ

岡野

く、そ……!

ダンテ

その女だけでも置いていけ

ダンテ

それで許してやる

ダンテ

まずは姉弟から、そしてまた家族を作り直すんだ

岡野

そんな話、乗れるかよ……!

岡野は力を振り絞って、隠し持っていたペットボトルを投げつけ、

液体をダンテに掛けた。

ダンテ

なんだ、僕に塩水なんて効かないぞ

ダンテ

パパやママと意識共有してたから、お前らの手口なんて……

ダンテ

……これ、塩水じゃない

木場

木場

喰らえ!!!

遅れてやってきた木場くんは、花火を構えて着火した。

筒から小さい火球がボンボンと噴き出され、それがダンテに当たると

ダンテ

……っあああ!!

ダンテ

熱い、熱い!!

瞬く間に火だるまになった。

峯崎

液体だからって、中身がさっきと同じとは限らないよ

木場

ペットボトルの中身はアルコール、火なんて簡単に付く

木場

皆んな、今のうちに!!

悶えるダンテを横目に、ドアをくぐって4人は逃げ出した。

木場

ぜえ、はあ……

木場

本当、この間の早退といい

木場

ここ最近のズル休みといい、お前責任持てよ

樋口

はあ、はあ……

樋口

ズル休み?なにそれ……

岡野

この三人で、代わる代わる樋口を尾行してたんだよ

峯崎

それで、今日は何か揉めてそうだったから

峯崎

買ってた武器を持って、あの家に行ったの

木場

塩を異様に嫌う一家、そして謎の粘液……

木場

何か無脊椎動物みたいなバケモンが居るのは予想がついてたが

木場

まさか人間がナメクジみたいに変えられてたなんてな

樋口

……

樋口

あ、あの二人は

木場

攫って眷属にして随分日が経ってるだろうし、行方不明扱いされてたんだろう

木場

俺たちは引導を渡してやったって思えばいい

木場

……そう気に病むんじゃないぞ、お前も

樋口

……うん……

樋口

樋口

……っあーあ!

樋口

なんか湿っぽくなっちゃったな!

樋口

はーあ、明日からまた莉子のマウントを受け続ける毎日だな!

樋口

ほんっと楽しみー!

木場

……

木場

そんなお前にとっておきの話

木場

人生逆転のチャンスがあるって話があるとすればどうする?

樋口

えー、やめてよそんな裏ワザ的な話

樋口

もう懲りてるけど「一葉さん」としては気になるじゃん

木場

勘違いするな

木場

大学受験だよ大学受験

木場

玉の輿を狙うにしても、御曹司サマは教養のある女が好みだろうさ

岡野

そうだね、俺らも気にする時期か

岡野

この騒動で、俺らの内申点は地に落ちてるだろうけど

峯崎

大丈夫だよ、きっと

峯崎

四人で力を合わせればなんとかなる!

岡野

とりあえず……

バシャッ

樋口

うっわ、しょっぱ!

樋口

なにすんのよオカケン!!

岡野

せっかく生きて帰ってこれたんだ、今日くらいは遊ぼうぜ!

岡野

受験勉強なんて明日から明日から!

バシャシャッ

木場

おい、こっちにもかかってんぞ!

木場

おら、仕返しだ!

ブシューッ

岡野

うわっとと……

岡野

あいたっ!

ドベシャッ

峯崎

あーあ、派手に尻餅ついちゃって……

峯崎

みんな、着替えはあるの?

樋口

ないに決まってんじゃんさ

峯崎

ええ……

樋口

ほら、春香も!

バシャッ

峯崎

きゃあっ!!

峯崎

……ふふ、そうだね、こんなの子供の時ぶり

峯崎

よーし、私も遊んじゃうぞー!

 

はあ、はあ……

 

人間のガキどもが、よくもやってくれたな……

 

住処も失い、負傷もしてしまった

 

……だが「ポチ」はまだ僕の元にいる

 

やりようはまだいくらだってあるさ

 

傷が癒えたら、いや傷を活かして「虐待に遭ってる可哀想なボク」を演じることだってできる

 

そうしてまたお人好しか欲に塗れた人間を誘き寄せて……

 

……いつか、いつかまた家族を……

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