お母さん
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通話
10:00
私
もしもし、お母さん?
お母さん
ねえ……
私
どうしたの
お母さん
クッキーそっちに行ってない
私
来てないけど、いないの?
クッキーとは 実家で飼っている犬のこと
お母さん
それが1週間前からいないのよ
ほら、今仕事忙しいと思って
ほら、今仕事忙しいと思って
お母さん
だから心配させないように
あの子が行きそうな所を
探したりポスターを作って、町中に貼ったんだけど
あの子が行きそうな所を
探したりポスターを作って、町中に貼ったんだけど
お母さん
一向にお知らせもなくて
私
わかった。何かあったら教えるね
お母さん
ありがとう、よろしくね、ごめん忙しいのに
私
ううん、平気
3日後
ピンポーン
私
はーい
クッキー
久しぶりー
(っ´>ω<))ω<`)ギュッ♥
(っ´>ω<))ω<`)ギュッ♥
私
ちょ、ちょ、あんた誰
クッキー
ひぇー覚えてないのですか?
私
だって知らない顔だし
クッキー
しくしく
クッキー
せっかく人間の姿で現れたのに
私
えっ、今なんて?
クッキー
見て分かりませんか?
私
わからないわ
クッキー
えっとー、この!髪の色とこのチョーカー?
私
…まさか
クッキー
そのまさかです
私
新人くんね!
クッキー
新人?
クッキー
違います!
あなたの可愛い可愛い犬のクッキーです
あなたの可愛い可愛い犬のクッキーです
私
えっー
クッキー
クッキー
クッキー
はい!
私
・・・
クッキー
何その目ー
クッキー
絶対信じてないでしょ
私
うーん(˘•ω•˘)
クッキー
このベージュの髪の毛
このブラウンの首輪、
このブラウンの首輪、
クッキー
あなたが私に付けてくれた首輪です。
私
買ったけど
クッキー
家入りますね
私
チョチョちょっと勝手に入んないでよ
クッキー
くんくんくんヾ(´︶`♡)ノ🎉
私
ここが君の家ですか
私
(急に君呼ばわりか?)
クッキー
(๑>﹏<๑)
私
お腹空いたの?
クッキー
そういえば、ここ3日間飲まず食わずで
私
わかったわ、お風呂でも入ってなさい
クッキー
はーい
私
ジュージュー
クッキー
何を作ってるんですか
くんくんくん
くんくんくん
私
焼きそばだけど
クッキー
やきそば?
クッキー
蕎麦は知ってますけど
焼きそばは初めて見ました
焼きそばは初めて見ました
私
コーヒー牛乳飲む?
クッキー
コーヒー牛乳?
私
はい、どうぞ
クッキー
私、おじさんに「人間は水、お茶、牛乳しか飲まない!!」とか言ってたのに、嘘つきやがって
私
(おじさん?)
私
はい、どうぞ
クッキー
ありがとうございます
私
ねえ、さっきから疑問だったんだけど
私
なんであんた人間なの
クッキー
それは1週間前ぐらいに君を探しに家を出たんだ
そしたら急におじさんが出てきて
そしたら急におじさんが出てきて
クッキー
人間にさせてあげるよ
クッキー
とか言い出してさ
クッキー
待ってよ、人間になれば君に会えるんじゃないかと思って(・ω<)
私
さっき言ってたおじさん?
クッキー
うん、その人に色々特訓してもらった人間になるため
私
だから家にいなかったのね
私
あっ、そうだ、お母さんに電話しないと
私
静かにしててよー
クッキー
はい、静かにしてます!
私
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通話
18:00
私
もしもし、お母さん
お母さん
見つかったクッキー
私
見つかったんだけど
しばらく家に帰れない‥みたい
しばらく家に帰れない‥みたい
お母さん
帰れないって、クッキーに何かあったの
私
(何かあったっていうか)
クッキー
お母さんーー!
私
しーしーしー
お母さん
ん、何、何か今聞こえたけど‥
私
何でもないんじゃね
私
こらー
クッキー
ごめんなさい、お母さんの声を聞いたらテンション上がっちゃって
そして、夜
私
私お風呂入って寝るから
クッキー
一緒に入ります
私
入らないよ
クッキー
ですよね、あの頃は普通に入ってましたけど、今はもう
私
人間だからね
しかも
しかも
私
オスだし
クッキー
ですよねー、じゃあごゆっくりしてください|ω・`)
私
覗くのもダメ、チョップするよ
クッキー
覗きません、大丈夫です╰(‘ω’ )╯三
私
ほら、あんたはソファーに寝るのよ
クッキー
(☆ч★)ウッ ヒョー
ここがあなたのベットですかー
ここがあなたのベットですかー
私
もう好き勝手動かないでよ
私
あんたはソファー
クッキー
ムスー
私が横になって布団をかけると
私
何見てんのよ
クッキー
お邪魔しまーす
私
おじゃまって
クッキー
どうです、近くに来ると
その時、耳元でささやかれた
クッキー
か、っ、こ、い、い。
私
全然
クッキー
`-へ-´
よけてもよけても、彼は近づいてくる
クッキー
でさ、ねぇねぇねぇねぇ
私は一生懸命寝ようとして 羊を数える
私
羊が1匹
クッキー
ねーねー、あったかいねー
私
羊が2匹、羊が3匹
クッキー
ムチュー💕︎
私
羊が4匹!!
私
べっし!!
クッキー
ごはっ!
クッキー
痛い
私の殴り拳で 彼を吹き飛ばして
クッキー
分かりました。大人しくソファーで寝まーす
朝
クッキー
おーい起きてくださいー
朝ですよー
朝ですよー
私
んー
今日日曜‥
今日日曜‥
クッキー
そんな子どもみたいな事言ってないでください。
クッキー
ほら、外は綺麗な青空ですよー
私
(ま、眩しいー)
彼と一緒に居て1ヶ月
クッキー
あのー言いたいことがあるんです。
私
ん?なに?
クッキー
本当は最後まで言いたくなかったんですけど
クッキー
ぼ、僕!
明日にはもういないんです。
明日にはもういないんです。
私
えっ!なんで?
クッキー
いなくなるっていうか
消えちゃうんです。
消えちゃうんです。
私
そんなのやだ
クッキー
消えるということは
君や家族で暮らしてきた思い出や楽しいことが
皆さんの記憶からなかったことになるです。
君や家族で暮らしてきた思い出や楽しいことが
皆さんの記憶からなかったことになるです。
そのあと私は何も言えなかった。
そして次の朝、目が覚め
私
おなかすいたー
私
(ん?焼きそば?)
私
(んーとなんか思い出しそう‥…)
私
(まさかこれクッキーが作ったの!)
私は思わず涙が溢れてきました
私
頂きます。
私
モグ モグ
私
ふふっ。
私
まずぃ
私
(けどおいしい。)
そのあと私は本当にクッキーの事を忘れていました。