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ペットが人間に

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ペットが人間に

1 - ペットが人間に

♥

180

2018年08月11日

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お母さん

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通話
10:00

もしもし、お母さん?

お母さん

ねえ……

どうしたの

お母さん

クッキーそっちに行ってない

来てないけど、いないの?

クッキーとは 実家で飼っている犬のこと

お母さん

それが1週間前からいないのよ
ほら、今仕事忙しいと思って

お母さん

だから心配させないように
あの子が行きそうな所を
探したりポスターを作って、町中に貼ったんだけど

お母さん

一向にお知らせもなくて

わかった。何かあったら教えるね

お母さん

ありがとう、よろしくね、ごめん忙しいのに

ううん、平気

3日後

ピンポーン

はーい

クッキー

久しぶりー
(っ´>ω<))ω<`)ギュッ♥

ちょ、ちょ、あんた誰

クッキー

ひぇー覚えてないのですか?

だって知らない顔だし

クッキー

しくしく

クッキー

せっかく人間の姿で現れたのに

えっ、今なんて?

クッキー

見て分かりませんか?

わからないわ

クッキー

えっとー、この!髪の色とこのチョーカー?

…まさか

クッキー

そのまさかです

新人くんね!

クッキー

新人?

クッキー

違います!
あなたの可愛い可愛い犬のクッキーです

えっー
クッキー

クッキー

はい!

・・・

クッキー

何その目ー

クッキー

絶対信じてないでしょ

うーん(˘•ω•˘)

クッキー

このベージュの髪の毛
このブラウンの首輪、

クッキー

あなたが私に付けてくれた首輪です。

買ったけど

クッキー

家入りますね

チョチョちょっと勝手に入んないでよ

クッキー

くんくんくんヾ(´︶`♡)ノ🎉

ここが君の家ですか

(急に君呼ばわりか?)

クッキー

(๑>﹏<๑)

お腹空いたの?

クッキー

そういえば、ここ3日間飲まず食わずで

わかったわ、お風呂でも入ってなさい

クッキー

はーい

ジュージュー

クッキー

何を作ってるんですか
くんくんくん

焼きそばだけど

クッキー

やきそば?

クッキー

蕎麦は知ってますけど
焼きそばは初めて見ました

コーヒー牛乳飲む?

クッキー

コーヒー牛乳?

はい、どうぞ

クッキー

私、おじさんに「人間は水、お茶、牛乳しか飲まない!!」とか言ってたのに、嘘つきやがって

(おじさん?)

はい、どうぞ

クッキー

ありがとうございます

ねえ、さっきから疑問だったんだけど

なんであんた人間なの

クッキー

それは1週間前ぐらいに君を探しに家を出たんだ
そしたら急におじさんが出てきて

クッキー

人間にさせてあげるよ

クッキー

とか言い出してさ

クッキー

待ってよ、人間になれば君に会えるんじゃないかと思って(・ω<)

さっき言ってたおじさん?

クッキー

うん、その人に色々特訓してもらった人間になるため

だから家にいなかったのね

あっ、そうだ、お母さんに電話しないと

静かにしててよー

クッキー

はい、静かにしてます!

通話終了

通話
18:00

もしもし、お母さん

お母さん

見つかったクッキー

見つかったんだけど
しばらく家に帰れない‥みたい

お母さん

帰れないって、クッキーに何かあったの

(何かあったっていうか)

クッキー

お母さんーー!

しーしーしー

お母さん

ん、何、何か今聞こえたけど‥

何でもないんじゃね

こらー

クッキー

ごめんなさい、お母さんの声を聞いたらテンション上がっちゃって

そして、夜

私お風呂入って寝るから

クッキー

一緒に入ります

入らないよ

クッキー

ですよね、あの頃は普通に入ってましたけど、今はもう

人間だからね
しかも

オスだし

クッキー

ですよねー、じゃあごゆっくりしてください|ω・`)

覗くのもダメ、チョップするよ

クッキー

覗きません、大丈夫です╰(‘ω’ )╯三

ほら、あんたはソファーに寝るのよ

クッキー

(☆ч★)ウッ ヒョー
ここがあなたのベットですかー

もう好き勝手動かないでよ

あんたはソファー

クッキー

ムスー

私が横になって布団をかけると

何見てんのよ

クッキー

お邪魔しまーす

おじゃまって

クッキー

どうです、近くに来ると

その時、耳元でささやかれた

クッキー

か、っ、こ、い、い。

全然

クッキー

`-へ-´

よけてもよけても、彼は近づいてくる

クッキー

でさ、ねぇねぇねぇねぇ

私は一生懸命寝ようとして 羊を数える

羊が1匹

クッキー

ねーねー、あったかいねー

羊が2匹、羊が3匹

クッキー

ムチュー💕︎

羊が4匹!!

べっし!!

クッキー

ごはっ!

クッキー

痛い

私の殴り拳で 彼を吹き飛ばして

クッキー

分かりました。大人しくソファーで寝まーす

クッキー

おーい起きてくださいー
朝ですよー

んー
今日日曜‥

クッキー

そんな子どもみたいな事言ってないでください。

クッキー

ほら、外は綺麗な青空ですよー

(ま、眩しいー)

彼と一緒に居て1ヶ月

クッキー

あのー言いたいことがあるんです。

ん?なに?

クッキー

本当は最後まで言いたくなかったんですけど

クッキー

ぼ、僕!
明日にはもういないんです。

えっ!なんで?

クッキー

いなくなるっていうか
消えちゃうんです。

そんなのやだ

クッキー

消えるということは
君や家族で暮らしてきた思い出や楽しいことが
皆さんの記憶からなかったことになるです。

そのあと私は何も言えなかった。

そして次の朝、目が覚め

おなかすいたー

(ん?焼きそば?)

(んーとなんか思い出しそう‥…)

(まさかこれクッキーが作ったの!)

私は思わず涙が溢れてきました

頂きます。

モグ モグ

ふふっ。

まずぃ

(けどおいしい。)

そのあと私は本当にクッキーの事を忘れていました。

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