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次の日も、次の日も
私はバレー部のマネとして
働いた。
部員達は皆、いい意味でうるさくて、真っ直ぐで。
"自分を隠す必要が無い人達"
ばかりだった。
だからこそ、私はますます自分の仮面を
剥がせなくなっていった。
及川 徹
及川 徹
天音 夜空
及川 徹
及川 徹
笑顔で話す及川は、誰にでも優しい。
でも、私は気付いていた。
あの人の笑顔も、本物ばかりじゃない。
あるひ、体育館の片隅で
私は1人の部員のミスに対する
及川の対応を見ていた。
及川 徹
及川 徹
声は明るいけれど、どこか尖っていた。
部員が謝り、及川は
及川 徹
と笑って見せたけど
(怒ってる、焦ってる。)
(それを誰にも見せない。)
私の胸が少しだけ締め付けられた。
その夜、体育館に忘れ物を取りに戻った私は
照明の消えたコートで1人練習をしている及川の姿を見つける。
天音 夜空
振り返った彼の顔は、誰も見たことの無いものだった。
及川 徹
及川は苦笑いをする。
及川 徹
及川 徹
及川 徹
その言葉に私は思わず口を開く。
天音 夜空
及川 徹
天音 夜空
ポツリとこぼした本音。
それは初めて、誰かに
"自分の言葉"
で伝えた弱さだった。
及川 徹
及川は静かに頷き、私の頭を優しくぽんと叩いた。
及川 徹
及川 徹
天音 夜空
及川 徹
静かな体育館の中、二人だけの約束が交わされた。
その瞬間、仮面にひびが入った。
互いに少しだけ
"素顔"
に近ずいた気がした。
けれど、まだ知らない。
この距離がやがて二人に
"痛み"
をもたらす事を。