夏の思い出

お母さんに着せてもらった浴衣

似合ってると良いな…

霸他くんはどんな姿で来るんだろ…

ドキドキが止まらなかった。

そうだよね

触れたら

いなくなっちゃうもんね

それから、楽しい時間を過ごした

まるで、付き合ったかのように

でも、もう会えないと思うと

虚しさと哀しさでいっぱいだった

私達は神社に戻った

ドンッ

そういうと子供達は走って祭りへと向かった

彼の身体はすでに半透明だった

彼がそう言うと

私はすぐさまに彼に抱きついた

ギュッ……

『僕は、君が好きだ』

そういうと彼はお面を外した

彼は泣いていた

初めて見る美しい顔だった

彼はお面を私に被せて

そっと私に優しいキスをした

私はお面を外すと、そこには彼の姿はもうなかった

狐のお面だけしか残されていなかった

私は優しくお面を抱き締めて

ただひたすらと泣いていた

初めての感触…

彼は私に優しく包み込んでくれた

忘れられない

忘れたくない

そんな事を考えながら

自分の気が済むまで泣いていた

〜幸せのバットエンド〜

夏の思い出

作＿莉兎。

#夏のおもひで

シリーズ最新作

夏の思い出。

最終話完結。