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#カントリーヒューマンズ
ねがてぃぶろっこりー
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第6話読みました!ソ連くんの無口すぎるキャラと筆談のやりとり、めっちゃツボったわ。ナチスが「涼んでんのか?」ってツッコむとこ、思わず笑った。気まずい沈黙の感じとか、二人の距離感のじわじわした変化がリアルで刺さる。怪物との遭遇シーンも静かな緊張感があって良かった。ゼリーとバウムクーヘンの交換、なんかほっこりしたし、これからどうなるか楽しみすぎる🔥
3日目 午前8時13分
ナチス
…………
ナチス
まだピントが合わないままあくびする。
まぶたが下がりそうだが、上体を起こして布団を剥いだ。
窓からの白い光に思わず目元を手で覆った。
まだ寝ていたいが、そんなわけにもいかない。
ベッドの隣の小さな机に、昨日見つけた家族用パックのゼリーが置いてある。
やっと見つけた食料だ。
袋を漁って数個取り出し、ピーチ味をペリペリと開けた。
ナチス
カップの下を押して、吸うように口に入れる。
まともな食事ではないが、何かが口に入るならそれでいい。
水分が摂れるだけマシだろう。
……今日は何をしよう。
昨日は体力が限界で、食料を探していたから……
そこまで慎重に探索しなかったし、成果も無かった。
あれは仕方なかったけど……今日こそ何か見つけたい。
食料はあるし、食べたくなったらいつでも食べられる。
自分の体力に限界が来る、なんて心配は無い。
昨日大雑把に探索した部屋をもう一度調べてみよう。
見落としたヒントがあるかもしれない。
昨日通ったルートを何となく思い浮かべ、静まり返った廊下を歩いた。
昨日最後に探索した、ゼリーを見つけた部屋に入った。
相変わらず広い子供部屋だ。
淡いピンクをベースにしたカーテンや小棚が、 中央のテレビを中心にして綺麗に並んでいる。
洋風の白いテーブルには花瓶が置いてあり、 珍しそうな細長いじょうろが隣に置いてある。
あまりに綺麗だから、人がいた気配がないのが逆に落ち着かない。
昨日は、机の上にゼリーが置いてあって……
本当に限界だったため、それを取ってすぐに出てしまった。
当然、それ以外は何もしていない。
ゼリー以外何も見えていなかった……。
改めて見ると、物がたくさんあって探すのがめんどくさそうだ。
棚や家具の裏など、隠れていそうな場所がたくさんある。
どこに何があってもおかしくない。
面倒だけど、やれることはやろう……。
3日目 午前10時14分
ソ連
今日はどうしよう。
食料は十分に取ったし、やる事はあまり無い。
動くのめんどいし。
でも……そっか、ヒント見つけなきゃな……。
ああ、めんどい。自分の分身がいればいいのに。
昨日は左側を探索したから……
今日は右側を探索するか……。
3日目 午前10時29分
暗い机の中、見えづらいソファの下、書類が詰め込まれた棚。
どれをとっても意地が悪く、 無駄に動かなければならないポイントばかり……。
めんどい……うえぇ……。
でもヒント見つけないと……。
サボってる時に人と鉢合わせたら、へんな疑いかけられそう。
妨害者だなんだって。
ここ、ちょっと生きづらいな……。
まあいっか……。というかまだ眠い。
ソ連
棚の書類を取り出し、1枚1枚めくって確認していく。
どれも哲学についてつらつらと書き連ねられた論文だ。
こういう論文、この世界にもあるんだ……。
それだけでこの厚みになるなんて、逆に尊敬する。
辞典よりも厚いのに、これしか無い。
別にこんなの知らなくていい。俺が欲しいのは攻略のヒントだ。
論文が書き連ねられた書類と、何も無い白紙を分類していく。
書類の束が半分ほどになったところで、手を止めた。
ソ連
……
……これ……。
……だいぶでかいヒントだ。
とっておかないと。
紙を半分に折り、コートのポケットにしまう。
……よし……ゲット。
――ガタッ
ソ連
……今……
……でかい音した……?
ガシャンッ
……近い……。
思い切り物を壊したような音。
瓶が何かにぶつかって割れるような音。
少し体が強張っている。
……怪物……?
バタンッ!!!!
ドアが倒れた。
その先にいたのは、細長い手足をもった人型の生物。
枯れた木の幹のように乾いている。
……怪物だ。
ソ連
ゆっくりと後ずさり、距離を取る。
ソファの後ろに立ち、怪物の行動を見る。
こちらを認識しているが、見つけてすぐ飛びついてくる様子はない。
本能頼りの動きではない。
間違いなく知性がある。
怪物がゆっくりとこちらに向かってくる。
それに合わせて、俺は重心を下げた。
すぐに反応できるよう、怪物の足をじっと見る。
……どこからでも来い。
そして――怪物が動き出した。
ソファを飛び越え、まっすぐ俺に向かってくる。
その瞬間、俺は床を蹴って右に飛び出した。
ドア枠に向かって迷いなく駆ける。
後ろで怪物が振り返る気配。
それでも止まらない。
部屋を抜け、廊下に出た。
誰もいない廊下を、音を立てずに全力疾走する。
突き当たりで左に曲がり、その先で右に曲がる。
流石にもう追ってきていないだろう。でも距離を取りたい。
進んだ所にちょうど階段を見つけた。
階段めがけて走る。
3段飛ばしで下る。
転びかけるが、奇跡的に大きな音はしなかった。
坂道を自転車で降りるような危険さだが、段飛ばしなら慣れている。
視界の端に、「2F」の文字が入った。
ソ連
息を吐いてから、廊下を見渡す。
ここまで来れば、少なくともあの怪物は追ってこられない。
他の怪物に気をつけていればいい。
さてと……3Fの探索はしたくない。
怪物が気になっていたら探索も進まない。
今日は3Fは探索できないとすると、ここ……2Fか。
改めて廊下のドアの数を見て、ため息をつく。
3Fもそうだけど……多すぎだろ。めんどくさい。
とりあえず手前から探索しよう……。
2番目に近い部屋のドアに近づいた。
……その時、廊下の向こう側から黒い影が現れた。
ソ連
自然とそちらに顔が向く。
そこにいたのは、学年も顔も分からない生徒だった。
3日目 午前10時56分
数部屋を探索した後。
ナチス
廊下の先に……生徒がいた。
その姿に見覚えがある。
確か……学校内で一番背が高いと噂をされている生徒。
右目に眼帯をつけた寡黙な生徒だ、と距離を置かれている。
確か2学年の先輩だ。名前は知らないけど。
ソ連
そいつは黙って背を向けた。
ナチス
ナチス
小走りして近寄った。
すぐ後ろにぴったりとついて、左肩を掴んだ。
ナチス
ソ連
廊下に沈黙が流れる。
少しだけ振り向いてくれたが、何も言わない。
……どうしよう。
嫌そうな顔をしているような気もする。
でも……嫌だと拒否されなければ、何もしてもいいか。
今はとにかく一緒に行動する人がほしい。
……連れて行くしかないだろ。
ナチス
説明する必要はない。
協力しなくても、ついてきてくれればそれでいい。
ソ連
賛成もしなければ反対もしない。
左手首を掴んで無理やり引っ張ると、やる気が無さそうに数歩歩いた。
……よし、いける。すごく嫌そうだが。
もと来た方に振り返り、手首を強く握りながら廊下を進んでいく。
そのでかい図体を引きずり、半ば強制的について来させた。
部屋に入り、そいつも引っ張り入れてドアを閉めた。
前に向き直って、視線を部屋中に渡らせる。
ナチス
今まで見てきた中で一番大きい部屋。
小棚の上に置かれたテレビに、整頓されたダイニングキッチン。 枠の広い窓からは日が差している。
部屋の隅にある観葉植物も、立派に葉を広げて育っている。
リビングだろうか。
とにかく広くて明るい。ホコリがなく清潔感がある。
キッチンは大変そうだから、まずは居間を調べてみよう。
ソ連
急に、握っていた手首が右手からすり抜けた。
ナチス
離れて逃げる……のかと思いきや、キッチンの方に向かっていった。
キッチンに入ると、端から順に引き出しを開けて覗いている。
……自分の意思で動いた。
その大きな後ろ姿を呆然と見つめる。
何をしだすのか不安だったが、案外普通に調べている。
ソ連
……引き出しに顔を突っ込んでいるが。
逃げる心配は無いだろうと判断し、居間に入る。
テーブル周りはおそらく何も無いから……小棚や観葉植物を調べよう。
小棚の前にしゃがみ、入っていた文房具やCDを全て上に載せる。
入っているものが滅茶苦茶だし、ジャンルも違う。
人間の暮らしを真似した部屋だが、作り物である事実が滲んでいる。
喉の奥が詰まりそうだ。
怪しいものがないかを一つ一つ点検しながら、左に寄せていった。
3日目 午前11時07分
機械音声
機械音声
ナチス
妨害の放送だ。
確認することもないが、小棚から顔を上げた。
その時に、偶然キッチンを調べるそいつの姿が目に入った。
ナチス
一瞬だけ手が止まった。
ナチス
どこからツッコめば良いのかわからない。
つま先立ちして、冷蔵庫の中に腹まで入っていたのだ。
引き出しはまだいいが、冷蔵庫に入るのは流石に予想外だった。
呼ぼうとして、名前を聞いていないことを思い出す。
キッチンに入り、下半身しか見えないそいつの隣に立った。
ナチス
話しかけた途端に、こいつの体が固まった。
どうしたんだ。
……怒られてるって思ってるのか……?
……そんなわけないよな……。
ナチス
そう言ってもまだ固まっている。
動く気配が無い。
ナチス
ナチス
本当にどうすればよいのか分からず、そんなテキトーを言った。
それで出てくるとは思ってもなかった。
そいつは冷蔵庫から抜け、こちらを見た。
……でも……
そちらから会話を始めてくれないため、沈黙が流れた。
ナチス
ソ連
……どう接すればいいんだ……。
それより本当に何してんだこいつ……。
頑なに喋らないし、でも奇行はするし……
他人と楽しむんじゃなく、自分の世界を作っている……のか?
俺とこいつの相性が悪い……というより、 こいつと全人類の相性自体が悪そうだ。
登下校でお花に話しかけてそう。
絶対に逆さで読書するタイプの男だろ……
……じゃなくて……!!
まずは名前を聞かないと。
お互いに呼び合えないと色々と不便だ。
ナチス
ソ連
ナチス
……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!
だから沈黙やめろ!!気まずい!!
話しかけているのに返事が来ない!!
気まずいっていう感覚無いのか?
よくそれで集団で生きてこれたな……
せめて名前くらいは言え……!
部屋の沈黙と物凄い気まずさに頭を抱える。
勝手に話しかけて気まずくなってる自分が馬鹿らしくなってきた。
頼む……早くなんか言ってくれ。
その思いも込めて、そいつの顔を見た。
ナチス
相変わらずの無表情。目を逸らし、固く口を閉じている。
だが……少しだけ、喉のあたりが動いていた。
ナチス
……喋ろうとしてる……?
……勘違いだろうか。
いや、確かに視線が微妙に動いている。
明らかに気まずそうにしている。
……本当かどうかは分からないが。
ナチス
振り返って、居間のテレビが置いてある小棚を見る。
案の定、そこに置いてあった。
小棚のもとへ行き、載っていたボールペンとメモ帳を取った。
試しにペンを持ち、先端のボールをメモ帳に走らせる。
しっかりとボールの軌道が黒く示された。
ボールペンとメモ帳を持って、再びキッチンに走る。
そいつの目の前に行って、メモ帳とボールペンを差し出した。
ナチス
無理やり押し付けて持たせた。
そいつは目をぱちぱちさせて、初めて目を合わせた。
でも、それも一瞬のことだ。
すぐにボールペンを持ち直し、メモ帳に書き込む。
ソ連
書き終えたあと、メモ帳の1ページ目をこちらに見せた。
ナチス
ソ連
字が小さいが、しっかりと読める字だ。
ナチス
ソ連の肩をぽすんとはたいて、顔を見た。
こいつが俺の名前を呼ぶことは無いだろうけど、一応言っておくか。
ナチス
ナチス
ソ連
ソ連がこくりと頷いた。
よかった……喋らないコミュニケーションならできる。
少しほっとした。
ナチス
ソ連
首を横に振る。
はいかいいえで答えられる質問をすれば、答えてくれるようだ。
ナチス
ナチス
そう言うと、ソ連はメモ帳とボールペンをポケットにしまった。
せっかくいるなら会話したいし……
今後も筆談はするだろうから、持たせておいたほうがいい。
ソ連が探索に戻った所で、俺も居間の方に向かった。
少し会話してから、10分ほどが経った。
ナチス
キッチンを隅から漁っていると、急にナチスが声を出した。
ソ連
まさか、と思ってナチスのいる居間を覗き見る。
ナチスは何かを見つけたようで、小棚の前で引き出しを覗いている。
……クソ。先に見つけたかったのに。
まあいっか。もうキッチンに用は無い。
居間の方に向かって歩き、ナチスの少し後ろに中腰で立った。
ナチス
ソ連
ナチスがビクッと立ち上がった。ナチスの頭が顎に直撃する。
ごつんと鈍い音がした。
ナチス
……こっちも痛い……。
ナチス
そんな事を言いながら、ナチスはこちらに振り返った。
顎を押さえながら、ナチスの手元を覗く。
ソ連
……木目がたくさんある、T字の棒。
ナチス
ナチスは斜め上をぼんやり見る。
少し後悔していそうだ。
ナチス
曖昧に首を傾げておく。
これの使い道は、俺もまだ分からないけど……
テキトーに色々と進めていけば、いつか分かるだろう。
それより……その部品、俺に預けてほしい。
……って書くの、ちょっとキモいからやめとこ。
キモくない書き方ないかな……。
メモ帳メモ帳……。
ナチス
ソ連
……取られた……。
仕方ないか。
3日目 午後1時51分
機械音声
機械音声
3日目 午後5時25分
3部屋ほど探索したあと。
ソ連と2人で廊下を歩いていた。
ソ連が泊まりたい部屋があるらしく、ついて行っている。
今日泊まる部屋を目指している途中である。
ナチス
腰にくくりつけたゼリー袋が邪魔になってきて、思い出した。
ナチス
ソ連
ソ連はコートのポケットを漁り……カラフルな袋を取り出した。
袋の端をつまんで、俺の前で見せる。
小分けにして包装されたバウムクーヘンだった。
ナチス
……
……う……。
ナチス
ソ連の手からそれを素早く奪い、ぺリッと袋を破いた。
ソ連
ソ連が目を見開く。
奪い返すかと思ったが、ソ連は俺の腰にあるゼリー袋を奪った。
ナチス
でもバウムクーヘンを食べたくて、 ゼリー袋を漁るソ連を見ながらバウムクーヘンを食べた。
ソ連はグレープ味を選んだらしく、ペリペリとフタを剥がした。
何故だか分からないが、口を手で覆いながら器用にゼリーを吸う。
食べている所を見られたくないんだろうか。
バウムクーヘンの甘さで、そんな疑問も泡になって消えた。
ナチス
……ゼリーとバウムクーヘン、交換は流石に無理あるか。
されたら逆に申し訳ない。
ソ連は空になった容器を潰し、 途中にあった部屋のドアを開けた。
ナチス
思わずソ連を見る。
ソ連はドアの先にあったゴミ箱に、容器とフタを入れた。
ナチス
それを真似して、俺もバウムクーヘンの小さな袋をゴミ箱に入れる。
ゴミ箱使えるのか。知らなかった。
こいつ……意外によく探索してるのかもしれない。
すると、ソ連がまたポケットを漁った。
数秒もせず出てきたのは、さっきのボールペンとメモ帳。
何か言いたいことがあるらしい。
カリカリと紙に書き出し、俺の目の前に出した。
ナチス
ゼリーほしいからバウムクーヘンあげる
ナチス
ソ連
ソ連はこくりと頷いた。本気らしい。
バウムクーヘンよりゼリーが食べたい人、初めてだ。
まだ返していない…… いや、今から俺のものになったバウムクーヘンの袋を見る。
……ほんとに貰えた……。
ナチス
ソ連は少し首を傾げた後、メモ帳に書く。
食べやすい
ナチス
味より食感が大事なのか……?
食事はやっぱ味だろ……。
聞いたことない……。
そうしている内に、目指している部屋が見えてきたようだ。
ソ連がとてとてと小走りしていった。
もう着いたのか、と思いながらゆっくりついて行く。
俺がドアの前に来たのを確認して、ソ連がドアを開けた。
そこは、特別でも何でもない洋室だった。
「行きたい」って言うから、 てっきりとても快適なところなのかと思っていたが……
ベッドや机は家庭によくある物だし、特別変わったものはない。
でも、こういうのもたまには良いかもしれない。
ナチス
ソ連はぴくっと肩を跳ねさせたが、曖昧に首を傾げる。
ナチス
ソ連
少ししてから頷いた。
ナチス
高級でもなく、殺風景でもない「普通」は、思い返したら中々ない。
そう考えると、この部屋は少しだけ馴染みやすい。
3日目 午後9時43分
じゃんけんで負けたナチスが消灯した。
ナチス
やっと夜かぁ……。
布団が思ったより心地よい。すぐ寝てしまいそうだ。
少ししてから、隣で布が擦れる音がする。 ナチスが布団に入った。
隣の気配を少し感じながら、深く呼吸する。
明日はどんなヒントが得られるんだろう。
少し楽しみだが、焦りもある。
3日目 午後11時42分
機械音声
機械音声