雪ってさ、
当たり前だけど寒いじゃん
俺嫌いなんだよね
こんな面倒臭い作業するぐらいなら
雪なんて降らなければいいのに、と。
雪かきをしながら相棒とたわいもない話をする
・・・・そうなん
俺も…あんまり好きじゃないかなぁ
数年後の、すごく寒い日だった
ただただ寒い日のはずだった
・・・・・ごめんなぁ、今までありがと
さよなら…ッ
掠れた声で呟くお前
笑顔で告げられた別れの言葉に
俺は動揺して
でもいつの間にか降っていた雪の冷たさで頭が冴えた
でもそれと同時に
お前の体温を奪っていって
お前を抱えている俺の手も 次第に感覚が無くなってきて
お前と俺にゆっくり、ゆっくりと
雪が積もっていくんだ
いつの間にかお前の綺麗な瞳は 見えなくなって
溶けた雪が俺の目に溜まって もう何も見えなくって
寒さで俺の声は震えて
この雪が
お前にあったはずの未来にまで
積もっていくんだ
お前の全部が、真っ白になっていくんだ
春が来たら雪なんて溶けるんだ
でも、もうコイツには春なんて来ない
お前の未来を溶かしてなんてくれない
俺も、真っ白になってしまいそうだ
嗚呼、これだから
雪なんて、嫌いだ……ッ