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ー海の歌が好きだったー

けど、もう二度と聞けることはないんだと思う

海はあの日、心に深い傷を負った…

だから…

ー話は、だいぶ前に遡るー

私がまだ10歳だった頃…

芽瑠

海〜!!

あ、芽瑠

芽瑠

歌ってよ!何か!

え、え〜(。>﹏<。)

芽瑠

海は歌うまいし!

芽瑠

私、海の歌大好きだもん!

あ、ありがとう

じゃあ、歌うね

照れながらも、海はいつも歌ってくれた

とてもキレイな声で…

僕は将来歌手になって、楽しく歌いたいんだ…!

芽瑠

そうなんだ!

芽瑠

海なら絶対になれるよ!

芽瑠

ガンバレ!

ありがとう…

頑張るね…!

海は、家族とうまく行ってないみたいで

そのせいか、

卑屈で自信がなくて、暗かった

でも、すごくすごく優しかった

そして私は…

歌を歌っている海のことが、恋として大好きだった

でも、あの日、事件が起こってしまう…

佐奈

お〜い!芽瑠!

佐奈

帰ってこ〜い!

芽瑠

え!?

芽瑠

あ〜!

芽瑠

ごめんごめん…

佐奈

どうしたの?

芽瑠

ちょっと考え事…アハハ💦

佐奈

百合坂海くんのこと?

芽瑠

へ?ち、違うし!!

佐奈

図星じゃ〜ん!

芽瑠

そういえば今日って…

芽瑠

灯籠祭り?

佐奈

うん…そうだよ

この地域では、地域内で亡くなった人がいると

亡くなってから49日目に灯籠祭りをする

正直、来てほしくなかった

灯籠祭りの日は…

本当にもう、海は帰ってこないんだって

思い知らされるから…

10歳の頃のコンクール…

海は喉の調子が悪くて、うまく歌えなかった

周りの人達はそれを笑った…

海のお母さんは、恥をかかせるなと言った…

本当は、全部知ってた

噂になっていたから

でも、私は海の口からちゃんと聞きたかった

あの日何があったのか…

でも、海はずっと

歌が嫌いだから

と言ってごまかしていた

芽瑠

そんなふうには見えないけど?

と探ると、海は必ずこう言った

僕は歌が下手なんだ

きっとみんな僕を笑う

親の名前を汚してしまう…

その言葉を最初に聞いた時、私は思った

ーこんなの、海じゃないー

その時、私は気付いた

私は歌っている海が好きだった

恋として…

でも、歌がない海は

ー大好きな友達としか思えなかったー

最低だ、私は…

歌がなくなっても

海は海だったのに…!

佐奈

灯籠祭り、一緒に行こうよ

芽瑠

うん…

芽瑠

私、泣くかもしれ

佐奈

灯籠祭りヒャッハー!

芽瑠

…え?

芽瑠

何…言ってるの?

泣きそうな、怒鳴りそうな、変な気分だった

佐奈

あ、あ〜あはは(汗)

芽瑠

ねえ、どうして?

佐奈

だって、百合坂くんと私は関係なかったし!

佐奈

百合坂くんが死んだおかげで、久々に灯籠が見れるんだよ!?

芽瑠

どういういみ…

佐奈

他人が死んだおかげで灯籠が見れるなら、すごくラッキーじゃん!

芽瑠

…佐奈、あんたって

芽瑠

佐奈

どうしたの?笑

芽瑠

最低だね

芽瑠

人が死んだっていうのに

芽瑠

それをラッキーだなんてっ…

悔しい

海は、一生懸命に生きた

でも、一生懸命すぎた

この環境で生きていくには…

作者

後編に続きます!

作者

読んでくれた皆さんありがとうございます!
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