ネプチ
ネプチ
ハッハッハ!!
ネプチ
どうした?
ネプチ
動きが鈍いなぁ?
チェスカ
こんの腐れ外道がぁ……
チェスカ
チェスカ
(水位が上がってきて思うように動けない)
チェスカ
(その時点でもう結構きついのにこの男水を操れるとか反則しやがって…)
チェスカ
(ただ不幸中の幸いはこの部屋一帯の水全てを操れると言うより)
チェスカ
(部分的にしか操れないということと、水の性質までは大きく変えれないこと)
チェスカ
(もし、水質を変えれるなら私の足元の水を固まらせたりしてボコせるし)
チェスカ
(なんならこの水そのものを人体に有毒なものにしてしまえば私もあっさり死ぬ)
チェスカ
(が、それをしてこないところを見ると恐らく、してこないではなくできないが正しい)
チェスカ
(それが唯一の救いではあるが、だとしても攻略法が見つけられない)
チェスカ
(たかだか足首程度までしか溜まってない水だと甘く見てたけど)
チェスカ
(本来の動きをここまで封じられるとはね)
ネプチ
いい気味だよ
ネプチ
君達人間が陸上を得意とするように
ネプチ
我たちは水の中を得意とする
ネプチ
お互い自身にあったフィールドが存在する
ネプチ
その得意なフィールドで戦えるとなると
ネプチ
こんなにも有利に事を運べると思うと今まで我は何をしていたのかと思うよ
ネプチ
最初からこうしてしまえばサクリファイスも失わず我も傷を負うことはなかった
チェスカ
確かにそうかもね…
チェスカ
ま、得意なフィールドにしたところで
チェスカ
私を仕留めきれてないのは頂けないかな?
ネプチ
貴様の命なんぞ簡単に取れる
ネプチ
この優位な状況を我は楽しんでるんだよ
ネプチ
何を出来ぬまま苦痛に歪むその顔を拝むためになぁ?
チェスカ
いい趣味してるね
チェスカ
なら、その苦痛に歪ませる技使ったら?
ネプチ
そう死に急ぐことは無いだろ?
ネプチ
それにまだ我が存分に楽しめてないからなぁ?
チェスカ
とか言ってそんなのないんでしょ?
チェスカ
ただの脅しに過ぎないわけだもんね?
ネプチ
煽ったところですぐには使わんよ
ネプチ
別に今のこの技ですら貴様はキツイんだからな
そう言いながらチェスカ付近の水を操り水の刃を作り背後から奇襲を仕掛ける
チェスカ
見え透いてるわよそんなの
背後を振り返るまでもなく奇襲を仕掛けた水刃をスッとよける
ネプチ
もう背後からは効かぬか
チェスカ
姑息なアンタの攻撃は見えてるからね
ネプチ
では、あえてまっすぐ仕掛けてみようか
チェスカ
ほぉ?
今度はネプチの足元の水を操り、直径5センチほどの水球を作り宙に浮かべる
ネプチ
我ほどになるとこんなことも可能なんだぞ?
チェスカ
それをどうするつもりで?
ネプチ
もちろん貴様にぶつけるに決まってるだろう
ネプチ
ま、勢いは加減できぬがな
浮かび上げたその水球を人差し指でチェスカの方にクイッと曲げ向ける
指先がチェスカに向いたかと思うと作られた水球は異様な速さでチェスカの左肩にぶつかり破裂する
チェスカ
っ!!?
ネプチ
たかだか5センチの水球だが
ネプチ
あの速度で当たればシャレにならない程のものに変わるだろぉ?
チェスカ
(硬化魔法をあらかじめかけてて正解かも)
チェスカ
(今の一撃生身だと確実に肩やられてた)
チェスカ
(かけててもまぁ、痛いもんは痛いけど)
チェスカ
(肩が吹き飛ぶほどではなくなったかな)
チェスカ
ちょっとアンタを馬鹿にしすぎたかも
ネプチ
急に褒めるとはどうした?
ネプチ
死期をとうとう悟ったか?
チェスカ
まさか?
チェスカ
純粋にアンタを甘く見てた自分を戒めてるの
チェスカ
けど、あの速度なら多分見切れるわね
ネプチ
強がりか?
ネプチ
今の攻撃に対して微動だにしなかったろ?
ネプチ
いや、できなかったんだろ?
チェスカ
まさか?
チェスカ
そんなふうに思うならもっかいやれば?
ネプチ
あぁやらせてもらうよ
同じように水球を作り出しチェスカに向けてそれを放つ。狙いはチェスカの頭だ
だが、その狙いがバレたのか左手を前に構え頭部に飛んでくる水球を防ぐ
ネプチ
!
チェスカ
ね?
チェスカ
口だけじゃないのよ私は
チェスカ
あの速度なら見えてるってわけ
ネプチ
虚言かと思ったがどうやら本当のようだな
チェスカ
だからもう余裕よ?
ネプチ
余裕、か
ネプチ
では、これならどうかな?
その言葉の後ネプチの背後から複数の水球が浮かび上がる
ネプチ
一個防いだ程度でそんなに喜ばれるとは
ネプチ
こちらの視点では貴様はまるで子供だよ
ネプチ
いや、その背格好は子供か
チェスカ
はぁ!?ガキじゃねぇし!
チェスカ
こう見えても23だバーカ!
チェスカ
てか、そんなこと乙女に言わせんな魚類が!
ネプチ
ふっ……そんなに口を動かして
ネプチ
餌を欲しがる鯉と同じだよその顔は
チェスカ
お前ホントぶっ潰すからな?
チェスカ
和解とかじゃなくてお前だけは確実にぶっ潰すからな?
ネプチ
やれるものならって感じですね
ネプチ
さ、おやすみだ
チェスカ
なめんなって言ってるだろ!
幾つもの飛んでくる水球を拳に風魔法を纏わせてその拳で軌道をずらし直撃を避けていく
チェスカ
数増えたところで見えてるんだから対処法が変わるだけだわ!
ネプチ
そんなに熱くならないでくださいよ
ネプチ
今楽にしてあげますから
チェスカ
だからお前じゃ……
言葉を言い終える前に何かがチェスカの足を切り裂き体勢を崩す
足に傷を付けられ一瞬片膝をおったその瞬間異様な速さの水球がチェスカの顔にぶつかる
ネプチ
クリーンヒットですね
ネプチ
我がいつ一つの技しか扱えないと話しましたかね?
ネプチ
ただ個別に見せていただけで同時に行うことは可能なんですよ
ネプチ
そんな所まで頭は回りませんでしたか
ネプチ
ま、所詮人の子です
ネプチ
恥じることはないですよ
チェスカ
チェスカ
てめぇ本気でアタシを怒らせたいんだな
その言葉は字面では怒りに満ちているのに声は不思議と落ち着いていて
水球を食らったチェスカの顔は怒りよりも何故か悲しみを抱くような瞳でネプチを見つめていた
状況と彼女の声色とその表情全てが合っておらずその不自然さにネプチは恐怖を覚える
ネプチ
な、なんだその顔は…
ネプチ
我に対してなんだその表情は!!
チェスカ
いや……
チェスカ
別になんでもない…
チェスカ
ただ何となくあんたに対して憎しみとか全部消えちゃってさ
チェスカ
ただただ哀れで悲しく見えてね
ネプチ
ネプチ
立場上お前は劣勢なのにそう強気な言葉がスラスラ出てくるなぁ?
チェスカ
そうだね
チェスカ
私も加減してたからそう感じるんだよね
ネプチ
加減だと?
チェスカ
本当はやりたくなかったけどそんなに死に急ぐなら
チェスカ
もう、私が壊してあげる
チェスカ
アンタみたいな腐れ外道は干上がるといい…
ナーチェス
ナーチェス
落ち着けチェスカ
チェスカ
ナーチェス?
ナーチェス
お前が暴れると後が面倒だから俺に任せろ
チェスカ
その辺でまだ寝てていいのに
ナーチェス
お前のその行動を止めるために起きたわ
チェスカ
この衝動は止められないって
チェスカ
アンナの断罪してやらないと
ナーチェス
まぁいいたいことはわかるけど……
ナーチェス
一旦押えてくれ
ナーチェス
最悪許可出すからさ
チェスカ
チェスカ
なら、最後は譲ってあげる
ナーチェス
よし!
ナーチェス
あとは俺に任せろ
ナーチェス
お前はこの水による攻撃を一応警戒だけしといてくれ
チェスカ
当たり前よ
ナーチェス
んじゃ、俺の反撃ってことで