朝
私はリビングに行きたくなかった
昨日あの後、私は直ぐに寝たからお父さんと話してないけど、今日リビングに行ったら確実にお父さんに会う
米子
やだなぁ...お母さんを傷つけるのはやだし...
なんでお母さんが...お父さんと結婚したの...?お父さんの中に...私のことを好きだって気持ちはないの...?
巧磨
米子。早く起きなさい
米子
...お父さん
私は気づいたらお父さんの腕を掴んでいた
巧磨
...米子?何をしているんだ。早く下に...
米子
お父さん。もう、私とよりを戻してくれる気はない...?
巧磨
...昨日から何を言っているんだ。頭を冷やしなさい
米子
お父さんは...なんで私と昔付き合ったの...?
巧磨
...このこと、お母さんには内緒にできるなら答えてやる
米子
分かった。内緒にする
巧磨
あのな...
巧磨
米子には悪いけど、俺は米子のことを好きだった時期なんてない
米子
...え?
巧磨
実は...
巧磨
俺は米子と付き合う前、南海に一目惚れをしたんだ。だから...南海と近づきたくて米子と付き合った
何それ...じゃあ
米子
私は...利用されてたってこと...?
巧磨
...ほんとにごめんな
米子
最低ー!!お父さんなんかもう知らない...!!お母さんとも上手く行かなきゃいいのに...!!
巧磨
...待て。待ちなさい米子!!
私は溢れる涙を拭きながらリビングに走り降りた
巧磨
米子...本当はな...違うんだよ...
南海
あなた。なんか...米子がご飯も食べずに学校行っちゃったんだけど、何かあったの?それに...2階から変な言葉聞こえて来たけど...
巧磨
いや...なんでもないよ...
南海
...
南海
巧磨。正直に言って。
巧磨
...あのな...実は米子によりを戻してくれないかって言われてるんだよ
南海
まぁ。あの子がそんなことを...?
巧磨
あぁ。
南海
それで...あの子はあなたにお母さんとも上手く行かなきゃいいのにって言ってたのね
巧磨
そうだ
南海
でも...あなたが先に何か言ったんじゃないの?
巧磨
実はさ...俺、米子に嘘をついたんだ
南海
何を?
巧磨
本当は米子のこと好きだった時期あったのにそんな時期1度もなかったって言っちゃってさ。それで米子が最低って言って...
南海
それはあなたがいけないわよ。だって...米子はきっと本気なんだろうから...。
南海
私はあの子にあなたを渡すつもりはない。けど、あの子のことを傷つけたくもない。だから...このことが嘘だってことは言ってあげてね
巧磨
うん。だけどさ、昨日も同じこと言ってきて...このまま続いたら、親子としてよろしくないと思うんだ。だから、わざと突き放そうと思って
南海
うーん...難しい所ね...少し、様子を見ましょうか。
巧磨
あぁ。ゴメンな、なんか
南海
大丈夫よ
米子
もぉ...ほんとにやだ...お父さんなんか...嫌い
私...バカみたいじゃん。1人だけお父さんのこと好きで、お父さんは1度も私の事好きじゃなかったなんて。
佳奈美
でもさ、それはお父さんが酷くない?
米子
ホントだよ...
佳奈美
米子は...お父さんとよりを戻せるなら戻したい?
米子
うん。だって...だって...
佳奈美
...辛いよね。私もね、お母さんじゃないけど...友達に好きな人を取られたことがあって。すごく辛かった。学校が嫌だった。好きな人にも友達にも会いたくなかった。
米子
そうなの...?知らなかった
佳奈美
うん。それもそのはず。だって私、今ここで初めて話したもん。
佳奈美
米子、今は辛くてもきっといつかちゃんと親子になれるから。お父さんのことなんで好きだったんだろうとすら思える日が来ると思うよ。
米子
そうかな。ありがとう
佳奈美
どういたしまして♡
ほんとに来るかな。
ちゃんと親子として過ごせる日が
お父さんを...ただの家族と思えるようになるかな
学校が終わって家に帰ると、お母さんがいなかった
米子
あれ?メモ?
『米子へ しばらくの間、私はおばあちゃんの所へ行かなきゃならなくなったの。だから、お父さんと2人でしばらく過ごしててね。あんまりお父さんを困らせちゃダメよ?それと、机に置いてある1万円は私が居ない間のお小遣いだから。大事に使うのよ』
米子
お父さんと...2人...?
米子
それに...1万円お小遣いがあるってことは相当長い間戻って来れないってことだよね...
私は嬉しいような嬉しくないような気がした