佐久間
ん、ん…

佐久間
…

阿部
おはよう

佐久間
…

阿部
佐久間君?

佐久間
あ、おはよう

いつもの佐久間君とは違い、なんだか悲しそうな目をしていた
阿部
安心してね?

佐久間
え?

阿部
このベット使ったの佐久間君だけだから!

阿部
俺はそこら辺で寝てたから安心して

佐久間
申し訳ないよ

阿部
いいの

阿部
俺捕まりたくないし笑

佐久間
、

阿部
昨日こと?

佐久間
うん、

阿部
大丈夫だよ。康二君も分かってくれたと思うよ?

佐久間
阿部さんにも迷惑かけちゃったし…

阿部
かかってないよ

阿部
俺が勝手に割り込んだ話だし

阿部
朝ごはん作ったから食べよ?

佐久間
でもっ

阿部
大丈夫って俺が言ってるからいいの

佐久間
…

阿部
佐久間君優しすぎね?

佐久間
え?

阿部
いつも我慢してるの?

佐久間
そんなことしてなっ

阿部
してるよ

阿部
いつもあんまり怒らないタイプでしょ?だから爆発しちゃうんじゃないかな

佐久間
俺、人のこと傷つけちゃうから

阿部
そんなことないけどな~?俺は佐久間君に助けられたよ?

佐久間
え?

阿部
あの時に佐久間君に会ってから俺かわれたんだ!

阿部
こんなポジティブじゃなかったし、どちらかと言えばネガティブですぐに諦めちゃうタイプだったんだ

佐久間
俺のおかげじゃないよ、たぶんお花が変えてくれたんだよ

阿部
その花を紹介してくれたのは誰?一緒に選んでくれるって言ったのは誰?

阿部
全部佐久間君だよ

佐久間
っ、

阿部
佐久間君といれてほんとに嬉しかったよ。今まで人助けとかあんまりしないタイプだけど今できてるし

佐久間
もうやめて、

阿部
え、ごめん

佐久間
…

たぶん全部図星だったのだろう。佐久間君は自分の下唇を噛み、今にも泣きそうな顔をしていた。
阿部
佐久間くっ

佐久間
やめてっ

きっと泣き慣れてないんだろう。目はうるうるしているのに涙は一滴も出ていない。人前では泣きたくないのかな?
阿部
ギュッ

佐久間
!

阿部
泣いていいんだよ。弱み見してもいいんだよ

佐久間
泣

阿部
よしよし、

佐久間
俺っ、父ちゃんが居なくなるのがすごく怖いんだ。康二もっおかしくなって…泣

佐久間
頼る人もいなかった、深澤とか翔太とかにも話すか迷ったけど話せなかった。母ちゃんのこともっ、ずっと自分の中で苦しんでたっ泣

阿部
うんうん

阿部
辛かったね

佐久間
だからっ、強く見せるために笑顔でいて、弱み見せてちゃダメだって泣

佐久間
我慢してたらっ、俺だけが嫌なこと食らってみんなは幸せなんだって思った、泣

佐久間
だからっ自分だけ苦しかったらいいやっていう考えになっちゃったのっ泣

阿部
辛かったね…

初めてに会ったときあんなに笑顔で元気だった佐久間君は化けの皮を被ったものだったと今気づいた自分が憎い。もっと前から気づいていたら…
阿部
ずっと寄りそうから、お父さんが目覚めるまで、佐久間君が落ち着くまで一緒に居るからね

佐久間
阿部さんっ

佐久間
ギュッ

佐久間君が抱きしめ返してくれたとき、俺はこの人を守らないといけないと感じた。