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あれから少しし、4人は解散

そして現在

零斗は大きな日本家屋の門の前に立ち止まる。

すると大きな門が開き、

ゴツイ男たちが道を開け、頭を下げている。

『お勤めご苦労様です!お嬢!』

三隅 零斗

真弥(まや)、親父は?

平井 真弥

組長は居間です。

三隅 零斗

わかった。
荷物片付けとけ…

平井 真弥

うっす…

平井 真弥(まや) 21歳 三隅組 組員 兼 零斗の護衛

零斗は機嫌悪そうに真弥にカバンを預け、中へと入っていく。

舎弟

どうしたんだろうな、
お嬢、機嫌悪くねぇか?

舎弟2

八つ当たりだけは勘弁して欲しい…

2人は冷や汗をかいている

三隅 零斗

はぁ〜、まじだりぃ〜

零斗は首の後ろを掻きながら居間へ足を進め、ため息を吐く。

梅津 亮(あきら)

お、帰ってきたか。
おかえり。

三隅 零斗

ただいま、亮さん
親父、ここいる?

梅津 亮(あきら) 37歳 三隅組 組長補佐。 兼 零斗の父親代わり

梅津 亮(あきら)

ああ。
今、客が来てんだけどな。

三隅 零斗

客?

そう言うと亮は、居間の襖を開ける。

三隅 零治

おう、零斗。
帰ったか。

三隅 零治(れいじ) 37歳 三隅組 組長 兼 零斗の実の父親(隠れ親バカ)

獅子黄 組長

でこーなったのぉ。
久しぶりやな、零斗。

獅子黄 龍我 (りゅうが) 65歳 関西最大のヤクザ 獅子黄組 組長

三隅 零斗

、、、あ?誰?

三隅 零治

誰ってお前…
この人に失礼だろ。

獅子黄 組長

覚えとらんのかいな。

三隅 零斗

知らん

梅津 亮(あきら)

……零斗、まず座れ。

ずっと立ち尽くしたままの零斗に言う。

三隅 零斗

なんで?

梅津 亮(あきら)

礼儀だ。

零斗は言われるまま、零治の隣に座る。

そして亮は零斗、零治の少し後ろに正座。

獅子黄 組長

わしは関西で、いっちゃん有力なヤクザ、
『獅子黄組 組長』
ここまで言うたらわかるか?

三隅 零斗

、、、え!?
獅子黄のジジイ!?
老けたな!

零斗の言葉に零治と亮が度肝を抜かれる。

そして、零治は『黙れ』と言うように咳払いをする。

三隅 零斗

あ…

獅子黄 組長

ハハハッ!
あれから6年や!
そりゃ、わしかて老けるわ。

龍我が爆笑している。

三隅 零斗

でもなんで獅子黄のジジイがここに?

三隅 零治

しばらくの間、獅子黄組の組員はうちで面倒を見る。

三隅 零斗

いや、だからなんで?

獅子黄 組長

集会があんねん。

三隅 零斗

こっちで?

獅子黄 組長

せや。
わしと零治が上に立ってのぉ。

三隅 零斗

ふ〜ん

獅子黄 組長

しばらく世話になるさかい、よろしゅうな

三隅 零斗

え〜、俺は世話しねぇよ?
めんどいもん

三隅 零治

こら、零斗…

零治はため息を吐く。

獅子黄 組長

ハハハッ!
誰に似たんやろーなぁ!

また、爆笑している。

三隅 零治

すまんな…

獅子黄 組長

ええ、ええ。
おもしろぉ育ったのぉ。

三隅 零治

アンタが甘やかすからだぜ?

獅子黄 組長

よぉ言うわ。
自分かて、娘大好きすぎて怒れんくせに。

三隅 零斗

何言ってんだよ。
このジジイ、しごき手加減無しだぜ?

零治が零斗にゴツン!とげんこつをする。

三隅 零斗

いっっっ!!

零斗は涙目になり、頭を抑えている。

獅子黄 組長

一之(かずき)と零治の若い頃を見とるみたいで懐かしいのぉ。

三隅 一之(かずき) 65歳 三隅組 前組長 兼 零斗の祖父、龍我の親友

三隅 零斗

じいちゃんと親父の?

獅子黄 組長

うん、零治も生意気小僧やったわ。
懐かしいのぉ

三隅 零斗

待てジジイ、
それ、俺に生意気って言ってんのか?
口慎め!

三隅 零治

お前が慎め。

零治はゴツン!とまたげんこつを入れる

三隅 零斗

いっってぇ!!
このクソジジイが!

零斗は居間を飛び出す。

梅津 亮(あきら)

こら!零斗!

亮が立ち上がろうとするが、それを零治が止める。

三隅 零治

追うな。
今のはあいつが悪い。

梅津 亮(あきら)

……

亮は黙ってその場に座る。

零斗は文句を言いながら部屋に向かい、 私服に着替えて外へ出かける。

三隅 零斗

ったく、なんなんだよ。
こちとら疲れて帰ってきてんのに意味分かんねぇ話されるし…

三隅 零斗

チッ!あー!腹立つ!!

零斗は歩道を歩きながら文句を言っていた。

すると、

???

あれ?零斗?
こんなとこで何してんの?

???2

あ、ほんとだ。
こんな時間にお前が出歩いてるなんて珍しいな。

三隅 零斗

光希、千晴。
お前ら何してんの?

2人の正体は千晴と光希

三隅 零斗

てか『こんな時間』ってまだ5時半(17:30)だし。
てか傑は?

月宮 光希(みつき)

傑は塾

亜久津 千晴(ちはる)

あいつ大学、東大目指してるって言ってたしなぁ〜

三隅 零斗

まだ1年あるのに早くね?

月宮 光希(みつき)

あのなぁ、俺らもう高二だぜ?
3年になってから始めたんじゃ遅せぇんだって。

亜久津 千晴(ちはる)

そうそう!
遊び呆けてちゃいけないわけよ。

三隅 零斗

どの口が言ってんだ。
いつも遊んでばっかじゃねぇか。

零斗はズバッと言う。

亜久津 千晴(ちはる)

ゔっ…💦
いいじゃん別に!
俺らの人生だし

千晴は思い切り言い訳をする。

月宮 光希(みつき)

開き直んなよなぁw
最後まで貫けぇ〜

光希はケラケラと笑っている。

すると、少し離れたところから声が聞こえる。

???

あの、おばあさん。
お荷物お持ちしましょうか?

それを見ていた、3人は離れた場所から感心していた。

亜久津 千晴(ちはる)

へぇ〜、
ああ言う系の人ってまじで居るんだなぁ。
漫画とかアニメでしか見た事ねぇよ。

若い男が荷物を沢山持つ老人に優しく声をかけていた。

が、急にその男が荷物を持って全速力で走り出した。

『『『は!?』』』

???

ばぁか!
騙されてやんの!

亜久津 千晴(ちはる)

ちょいちょい、ちょいちょい!
やばくね!?

月宮 光希(みつき)

追いかけるぞ!
って、零斗!?

光希が言葉を発する前に零斗は走り出していた。

三隅 零斗

光希!そこのばあちゃんに伝えとけ!
『取り返してくる』ってな!

月宮 光希(みつき)

え?あ、おう!任せろ!
千晴!零斗についてけ!

亜久津 千晴(ちはる)

りょ!

千晴と零斗は一緒に追いかける。

三隅 零斗

待てコラ!返せよ!

零斗は目の前を走る男に怒鳴りながら全速力で追いかける。

亜久津 千晴(ちはる)

ちょっ…速いって…

千晴は息切れしている。

男は角を曲がり公園に入ろうとしている。

零斗は先回りしようと路地裏の塀を飛び越えようと考えていた。

三隅 零斗

千晴!そのまま後ろ追いかけろ!
俺はこっちから挟み込む!

亜久津 千晴(ちはる)

はぁ〜!?
…わかったよ!!

千晴は全速力で男を追いかける。

零斗は助走を付けて公園の塀を飛び越える。

三隅 零斗

居た!待てコラ!

零斗は男を見つけ、叫ぶ。

???

三隅 零斗

零斗が塀を飛び越えようと浮遊していると塀に、もたれ掛かる長身の男と目が合った。

その男は逃げている男では無い。

その男と、 『誰?』と言う顔でお互いが軽く驚いている。

が、零斗はすぐさま逃げている男に飛び蹴りをかます。

???

グヘッ!

亜久津 千晴(ちはる)

あ゛ーー!!
もう無理!走れん!

千晴はヘタっと座り込む。

三隅 零斗

よくやった、千晴。

亜久津 千晴(ちはる)

俺、走るの嫌いなんだってばぁ〜

千晴は1人、ゼーゼーと言いながら文句を言う。

三隅 零斗

足遅いとモテないぞ!

ケラケラと零斗は笑う。

亜久津 千晴(ちはる)

え!?まじ!?
それは困る!

月宮 光希(みつき)

お前ら小学生みたいだな。

そこに光希と老人が駆けつけた。

三隅 零斗

てめぇ!善人ぶってんじゃねぇぞ、コラ!
相手は一生懸命生きてんだぞ!
てめぇはクソみてぇな事しやがって!
命差し出すか?あぁ!?

零斗は倒れた男に馬乗りになり胸ぐらを掴み怒鳴っている。

???

一体なんやねん…
騒がしいのぉ

長身の男は目の前でなぜ、 このような事が起こっているのか分からなかった。

月宮 光希(みつき)

ちょ、零斗。
落ちつけ。
お前の怒りで気絶してるぜ、こいつ。

亜久津 千晴(ちはる)

後、今、警察呼んだ!

三隅 零斗

あ?もう遅いんだけど。

月宮 光希(みつき)

え?もしかして…
タヒんだ??

三隅 零斗

いや、死にかけ。

零斗は真顔でシレッと言う。

『はぁ!?』

亜久津 千晴(ちはる)

そういう事を平気な顔して言うんじゃねぇよ!
馬鹿だろ!?
お前、馬鹿だろ!!

三隅 零斗

誰が馬鹿だ!コラ!
お前よりはマシだ!

月宮 光希(みつき)

て、なんでお前らがもめてんだよ。
おばあさんがビビってんだろ?

老婆

いいんだよ。
若いうちにいっぱい喧嘩しときなさい。
歳を取ると喧嘩する気力も無くなるからねぇ。

月宮 光希(みつき)

いや、こいつらは年寄りになっても喧嘩してますよ、絶対。

光希はスンとした顔で言う。

『あぁ!?』

2人は光希に怒鳴る。

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