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本編⑪のあとにあげるかどうか悩んでお蔵入りさせていた話し。死神が「雌雄同体」で、亡くなる人に合わせて姿形を変える、っという設定なのです。
初めて会ったのは
見習いカラスになってすぐのことだった。
のろまで
要領の悪い私は
よく任務の途中に
ネコや犬や
狼や熊や
キツネやタヌキや
同じ鳥やワニにも
襲われることがった。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
大きなホウキを振り回して
小さな女の子が
自分に群がっていた
犬を追い払ってくれた。
ノーア・ノール
犬は一目散に逃げて行き
小さな女の子は
傷ついてボロボロになった
私を拾い上げ
手当してくれた。
それが彼女と初めて会ったときの記憶。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
私には見えてしまった。
その子は
特殊な魂を持っていたのだ。
ノーア・ノール
そのときは理由もわからず、
いつ呪われたのかも知らなかった。
でも
それから時々彼女と会うことあった。
楽しそうに笑う彼女。
本を読んだり、
書いたりするのが大好きな彼女。
その綺麗な魂には
どす黒い呪いが
いつも絡みつき
彼女の寿命をむさぼり食べていた。
ノーア・ノール
そして、
彼女が二十歳になる日。
その日が彼女の寿命の尽きる日。
悪魔に呪われた魂だけを回収する
特別な死神がやってきて
彼女の魂を回収していった。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
そう
思ったのに。
ノーア・ノール
死神に昇格してすぐ
彼女と出会った。
生まれ変わっても
すぐにわかった。
綺麗な魂に
どす黒く絡みつく
悪魔の呪い。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
理解出来なかった。
先輩方に聞いても知らないといい、
特殊な任務についている死神に尋ねても
首を傾げるばかりだった。
元々
私の周りにいる死神は
人間に対する興味が薄かった。
彼女の魂が呪われていても
誰も興味も関心も示さないのだ。
それから
いつしか彼女の側にいることが多くなった。
相変わらずどんくさい私は
犬や猫に追いかけられることもあったけど
その度に彼女は
私を助けてくれた。
その優しさが嬉しかった。
そして
ある日
ノーア・ノール
タナキエル
ベリト
タナキエル
ベリト
妙な二人組の悪魔に出会い、
彼女が呪われている理由を知った。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
タナキエル
ノーア・ノール
ノーア・ノール
タナキエル
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ノーア・ノール
タナキエル
ベリト
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
タナキエル
ベリト
ノーア・ノール
ノーア・ノール
それから
私は死神として
タナキエルとベリトは
悪魔として
彼女の呪いを解く方法を探していた。
この三百年近い年月を…。
タナキエル
ノーア・ノール
タナキエル
タナキエル
ノーア・ノール
ノーア・ノール
タナキエル
ノーア・ノール
タナキエル
ノーア・ノール
タナキエル
ノーア・ノール
タナキエル
タナキエル
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
ベリト
そう言ってベリトが彼女を見る目は、
何よりも優しく
悲しみに溢れていた。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ベリト
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
ベリト
ノーア・ノール
だから、側に居たくても
居られない。
言葉にしなかったが、
理解できた。
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
ベリト
ベリト
ベリト
ベリト
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ノーア・ノール
ベリト
ノーア・ノール
ベリト
知ってた。
ベリトが彼女が好きだということも。
彼女がベリトを好きだということも。
魂は
縁(えにし)は
そう簡単に断ち切れるモノではない。
悪魔に呪われていたとしても、
記憶を全て消したとしても、
二人はもっと深いところで結ばれていて
つけ入る隙なんて無い。
そんなこと、
知ってた。
知ってたけど。
ノーア・ノール
ノーア・ノール
自分もまた、
彼女のことが……。
ノーア・ノール
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タナキエル
タナキエル
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ノノ
ベリト
ベリト
ノノ
ノノ
タナキエル
タナキエル
ノノ
ノノ
ベリト
ノノ
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ノノ
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ノノ
ノノ
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タナキエル
ノノ
ベリト
なんてよく騒いでたけど
私が特殊な死神になって
彼女の魂を切り取るようになってから
ベリトくんとはギクシャクしてしまって…
……
だから
今回昔みたいに
鍋を一緒に囲んだり
わいわい騒いだり出来て
本当に楽しかった…。
悪魔の呪いは
寿命と一緒に魂もむさぼる。
このままだと
いずれば
彼女の魂は
呪いに侵食されて
消えてしまう。
それだけは
何としても避けたかった。
そのためなら
私は
死神を辞める覚悟も、
消滅して消える覚悟も出来てる。
ノノ
ノノ
ノノ
ノノ