テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

【完結】そんな夢を見る

一覧ページ

「【完結】そんな夢を見る」のメインビジュアル

【完結】そんな夢を見る

19 - そんな夢を見る―番外編ノノ

♥

401

2020年12月14日

シェアするシェアする
報告する

初めて会ったのは

見習いカラスになってすぐのことだった。

のろまで

要領の悪い私は

よく任務の途中に

ネコや犬や

狼や熊や

キツネやタヌキや

同じ鳥やワニにも

襲われることがった。

ノーア・ノール

やめ!やめろって!!

ノーア・ノール

オレなんか突っついたって

ノーア・ノール

美味しくないだろ!!

ノーア・ノール

うわぁ~

ノーア・ノール

やめろってばぁ~

ノーア・ノール

誰か~

ノーア・ノール

誰か助けて…

ノーア・ノール

うぅ…

 

あっちいけぇ!!

大きなホウキを振り回して

小さな女の子が

自分に群がっていた

犬を追い払ってくれた。

ノーア・ノール

!!!

 

いじめたら可哀想でしょ!!

犬は一目散に逃げて行き

小さな女の子は

傷ついてボロボロになった

私を拾い上げ

手当してくれた。

それが彼女と初めて会ったときの記憶。

ノーア・ノール

(綺麗な色の魂…)

ノーア・ノール

(心が綺麗な子なんだろうな…)

ノーア・ノール

(あ…でも…)

私には見えてしまった。

その子は

特殊な魂を持っていたのだ。

ノーア・ノール

(悪魔に呪われてる…)

そのときは理由もわからず、

いつ呪われたのかも知らなかった。

でも

それから時々彼女と会うことあった。

楽しそうに笑う彼女。

本を読んだり、

書いたりするのが大好きな彼女。

その綺麗な魂には

どす黒い呪いが

いつも絡みつき

彼女の寿命をむさぼり食べていた。

ノーア・ノール

綺麗な魂が勿体ない…

そして、

彼女が二十歳になる日。

その日が彼女の寿命の尽きる日。

悪魔に呪われた魂だけを回収する

特別な死神がやってきて

彼女の魂を回収していった。

ノーア・ノール

ああよかった

ノーア・ノール

これで彼女の魂は天上で洗われ

ノーア・ノール

綺麗になるんだ

そう

思ったのに。

ノーア・ノール

あれ…あの子…

死神に昇格してすぐ

彼女と出会った。

生まれ変わっても

すぐにわかった。

綺麗な魂に

どす黒く絡みつく

悪魔の呪い。

ノーア・ノール

また、彼女の寿命を食べてる

ノーア・ノール

どうして?

ノーア・ノール

なんで?

ノーア・ノール

天上で洗われたんじゃないのか?

理解出来なかった。

先輩方に聞いても知らないといい、

特殊な任務についている死神に尋ねても

首を傾げるばかりだった。

元々

私の周りにいる死神は

人間に対する興味が薄かった。

彼女の魂が呪われていても

誰も興味も関心も示さないのだ。

それから

いつしか彼女の側にいることが多くなった。

相変わらずどんくさい私は

犬や猫に追いかけられることもあったけど

その度に彼女は

私を助けてくれた。

その優しさが嬉しかった。

そして

ある日

ノーア・ノール

もしかして、お前らが彼女を呪った悪魔か?

タナキエル

はぁ?

ベリト

いえいえ違うんですよ

タナキエル

話してどうなる

ベリト

え…まぁ、そうですけど…

妙な二人組の悪魔に出会い、

彼女が呪われている理由を知った。

ノーア・ノール

はぁ!?

ノーア・ノール

そんなの八つ当たりじゃん!

ノーア・ノール

なんだよそいつ!

タナキエル

なんでお前が怒るんだよ

ノーア・ノール

当たり前だろ

ノーア・ノール

悪魔ってほんと身勝手だな

タナキエル

俺たちまで一緒にすんなよ

ノーア・ノール

じゃあ、なんでお前らは彼女にくっついてんだよ

ベリト

彼女の呪いを解く為です

ノーア・ノール

へぇ…

ノーア・ノール

じゃあ!オレも協力する!

タナキエル

は?

ベリト

え?いいんですか?

ノーア・ノール

そもそもお前らが本当に彼女の呪いを解くのか

ノーア・ノール

信用できないし

ノーア・ノール

監視の意味も込めて

ノーア・ノール

オレも協力させろ!

タナキエル

……好きにしろ

ベリト

ですね

ノーア・ノール

よっしゃ!よろしく!

ノーア・ノール

オレはノーア・ノールっていうんだ!

それから

私は死神として

タナキエルとベリトは

悪魔として

彼女の呪いを解く方法を探していた。

この三百年近い年月を…。

タナキエル

お前も物好きだな

ノーア・ノール

何が?

タナキエル

ただ魂を刈り取るだけの存在で

タナキエル

一つの魂に固執するとか

ノーア・ノール

うるせぇ、お前らだってそうだろ?

ノーア・ノール

人を魂を食い散らす害虫のくせに

タナキエル

酷い言われようだな

ノーア・ノール

は?間違ってねぇだろ

タナキエル

……

ノーア・ノール

でも、ベリトは違うんだろ?

タナキエル

ああ、あいつは元は人間だからな

ノーア・ノール

あいつこそ物好きだろ

タナキエル

そうだな

タナキエル

それだけ、彼女のことが好きなんだろ

ノーア・ノール

……

ノーア・ノール

なぁ

ベリト

ん?

ノーア・ノール

あんた、彼女のことが好きなんだろ?

ベリト

唐突になんです?

ノーア・ノール

確認

ベリト

…そうですね

ベリト

好きですよ

そう言ってベリトが彼女を見る目は、

何よりも優しく

悲しみに溢れていた。

ノーア・ノール

だったら、もっと側にいてやればいいだろ?

ノーア・ノール

なんで、死ぬ数週間前にしか側にいてやらないんだよ

ベリト

タナキエルいわく

ベリト

悪魔の呪いは悪魔によって助長されるらしいんです

ノーア・ノール

どういうことだ?

ベリト

私やタナキエルが側にいればいるほど

ベリト

あの呪いの効果が強まるんですって

ノーア・ノール

……

だから、側に居たくても

居られない。

言葉にしなかったが、

理解できた。

ノーア・ノール

…くそ!!

ベリト

!!

ノーア・ノール

ホント、ムカつく!!

ベリト

……優しいんですね

ノーア・ノール

はぁ!?

ベリト

そうやって怒ってくれて

ベリト

彼女のことを気にかけてくれて

ベリト

……死神は彼女の魂を無関心に奪っていく存在だと

ベリト

毛嫌いしていましたが

ベリト

貴方はどうも違うようです

ノーア・ノール

……

ノーア・ノール

あんなやつらと一緒にすんなよ

ノーア・ノール

オレは彼女に何度も助けられた

ノーア・ノール

だから、助ける

ノーア・ノール

そんなの普通だろ?

ベリト

ええ、そうですね

ノーア・ノール

……

ベリト

貴方みたいな死神がいてくれてよかった…

知ってた。

ベリトが彼女が好きだということも。

彼女がベリトを好きだということも。

魂は

縁(えにし)は

そう簡単に断ち切れるモノではない。

悪魔に呪われていたとしても、

記憶を全て消したとしても、

二人はもっと深いところで結ばれていて

つけ入る隙なんて無い。

そんなこと、

知ってた。

知ってたけど。

ノーア・ノール

(うるせぇ…)

ノーア・ノール

(それでも…)

自分もまた、

彼女のことが……。

ノーア・ノール

(…好きなんだよ…)

**

死神って性別あるんだねぇ

タナキエル

なに言ってんだ?

タナキエル

あるわけないだろ

**

え、だってノノちゃんは

ノノ

可愛い美少女だよ☆

ベリト

その方が**さんに受け入れられ易いので

ベリト

少女の姿をしているだけですよね?

ノノ

違うの!

ノノ

そもそも、死神には性別なんて無いし!

タナキエル

というか雌雄同体だろ?

タナキエル

カタツムリと一緒だ

ノノ

な、な、な、なんてこというの!?

ノノ

このデリカシーの無い悪魔は!!

ベリト

悪魔にデリカシーを求めるのはいかがなものかと

ノノ

冷静に突っ込まないでよぉ!!

**

あはははっ

ノノ

ほらぁ~**ちゃんに笑われちゃったしぃ

**

ふふっ…

**

ノノちゃんは可愛いから

**

カタツムリでもいいかな?

ノノ

え~~~~!そこは死神で!

ノノ

なんでカタツムリになっちゃうの!?

**

あははははっ

タナキエル

はははは(真顔)

ノノ

原因は貴様だ、くそ悪魔ぁ!!

ベリト

あ~もう、人ん家で暴れないでくださいよ

なんてよく騒いでたけど

私が特殊な死神になって

彼女の魂を切り取るようになってから

ベリトくんとはギクシャクしてしまって…

……

だから

今回昔みたいに

鍋を一緒に囲んだり

わいわい騒いだり出来て

本当に楽しかった…。

悪魔の呪いは

寿命と一緒に魂もむさぼる。

このままだと

いずれば

彼女の魂は

呪いに侵食されて

消えてしまう。

それだけは

何としても避けたかった。

そのためなら

私は

死神を辞める覚悟も、

消滅して消える覚悟も出来てる。

ノノ

ねぇ…

ノノ

ねぇ氷野ちゃん

ノノ

これで終わりにはさせないから

ノノ

絶対、助けるよ

【完結】そんな夢を見る

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

401

コメント

4

ユーザー

本編⑪のあとにあげるかどうか悩んでお蔵入りさせていた話し。死神が「雌雄同体」で、亡くなる人に合わせて姿形を変える、っという設定なのです。

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚