20XX年、超少子高齢化が進んだある国での話…
杠葉 栞
ありがとうございましたー!
店長
杠葉さん、そろそろ閉店時間だから店内巡回をしてきてくれるかな
杠葉 栞
はいっ、了解です!
店内にはもうお客さんは居ないようだ。ただ見回りをしていると、毎日あることに気付かされる。それは…
杠葉 栞
今日もじゃがいもとか人参とか売れ残ってる
そう、異常なまでに高齢化が進むと店頭で買うよりも通販の方が人気になる。
10人に1人と言われている20代も昼間はその通販の宅配に追われ、あまりスーパーマーケットには来ない。
杠葉 栞
しょうがないか
杠葉 栞
店長、見回り終わりました
店長
ああ、ありがとう
店長
杠葉さんちょっといいかな、話があるんだけど
杠葉 栞
なんでしょうか?
店長
来月から新法律が施行されるのは知ってるか?
杠葉 栞
新法律?
店長
「超少子高齢化改善法」のことだよ
店長
少子高齢化を改善する為に政府は子供の数を増やす事にしたらしい
店長
だから、カップルでも夫婦でもない人には
店長
政府の方針によって、「売れ残り」になる。
店長
その…杠葉さんは彼氏も夫も居ないから…
店長
…気をつけた方がいい。
その話を聞いてから、私は同じ職場の年上の男性と付き合う事にした。
「売れ残り」は通常、捨てられて廃棄するルールになっている。
人間としての「売れ残り」には、何が待っていたのだろうか…?
今となっては、知る由もない。