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見慣れた街並みもすっかり赤と白、緑の3色に覆われていて今年もクリスマスを迎えた

休みに入った子供たちも鼻先を赤くして家族と手を繋ぎ私の前を通り過ぎていく

カップルたちもどこかよそよそしく見ていて可愛いという気持ちを覚えた

大事な人と誰もが一緒に過ごしたいと願う今日、私も例外ではない

プロのバレーボール選手である限り、こういうイベントの日でも多忙なことに違いないのだけど我儘言って徹くんにデートの約束をお願いした

しかし、約束の時間はとうに過ぎている

徹くんが今まで私との約束に遅れてくることなんか1度もなかった

私は1人で待ち合わせ場所の駅で待つ

あー寒い。

無理言ってこの忙しい日に会いたいだなんて言うんじゃなかったな〜。

サンタさんが私にプレゼントを持ってきてくれるなら徹くんを連れてきてほしいな〜

とか本神前では絶対言えないことを考える

この寂しい時に遠慮なくクリスマスの恋人たちをテーマにした曲が駅に響き渡って何とも言えない気持ちになる

何十回目の徹くんとのメッセージ画面を確認するも、相変わらず何も来ていない

もう帰ろう、きっと忙しいんだよねと自分に言い聞かせる

マフラーを巻き直して何も考えないように歩き出す

すれ違うカップルを見ると悲しくて涙が出そうになる

家に帰ってしまおうと思った時、何かが私の腕を引っ張った

と同時に先程までうるさかったはずの音楽が消えたように静かになる

え…

及川徹.

っ…ごめんっ。

及川徹.

ほんとにごめん!

及川徹.

1人にさせてごめんね。

目の前にいる人は私がずっと会いたかった人だった

もう来ないんじゃないかと思った…

及川徹.

ほんとごめん。

及川徹.

急に呼び出されて…

及川徹.

殴ってくれてもいいし、文句の1つでもなんでも聞くよ。

気にしないで。

寂しかったのは本当だけど会えてすっごく嬉しいから。

この言葉に嘘偽りはない

まだ少し息が上がっている徹くんの綺麗な顔に駅の大きなツリーの光が差し掛かる

及川徹.

今度必ず、待たせた分は埋め合わせする。

及川徹.

あと、ちゃんとクリスマスプレゼントもあるよ。

え!いいの?!

及川徹.

当たり前じゃん。

及川徹.

化粧品とか、アクセサリーは今まであげたけど、俺にしかあげられないものって何だろうな〜って。

徹くんは言い終わった後にふー、と息を吐いてその場に片膝をつき私を見上げる体制になる

賑わう駅からクリスマス特有の鐘の音が心地よく流れる

え、どうしたの?

及川徹.

…〇〇はよくずっと徹くんといれたらいいのに、って言うでしょ?

及川徹.

それは俺だって同じで俺もずっと〇〇と笑っていたい。

徹くんはそのまま小さくて四角い箱を取り出して、女の子なら1度は憧れるダイヤモンドのついた指輪が入っている箱を開けた

うそ…

及川徹.

嘘なんかじゃないよ。

及川徹.

〇〇、俺と同じで及川になってくれませんか?

徹くんと付き合い始めたのは私が高校に入学して、バレー部のマネージャーになって半年ほど経った頃だった

喧嘩をすることもあったけど、徹くんはいつでもわたしを想ってくれていて、今日だって忙しいはずなのに来てくれた

そして今、私の返事を緊張して待っているけど、いつもの優しい表情で私を見ている顔を見ると、今までの思い出が溢れ出てきて涙が出てくる

返事に迷いなんかない

もちろん!私を徹くんと同じ名字にしてください。

及川徹.

…え、本当?

及川徹.

嘘じゃないよね?!

こんな時に嘘なんかつかないよ(笑)

及川徹.

うわー、よかった。

及川徹.

やっぱなしとかやめてよね?!

徹くんが焦ってるの珍しい(笑)

及川徹.

そりゃあ一世一代のプロポーズだよ?

及川徹.

緊張しない馬鹿がどこにいるのさ!

それもそうだね(笑)

徹くん。

私がそう呼ぶといつもの優しい笑顔で私を見る

その顔が何よりも大好き

私とずっと一緒にいてね。

及川徹.

当たり前でしょ。

及川徹.

〇〇こそ俺のそばから離れちゃダメだからね。

もちろん。

自然と繋がれた手は先程の寒さなんて吹っ飛ぶくらい温かかった

繋いだ手の温もりに彼への想いを込めて握り返した_____

fin.

ずんき

もうクリスマスめちゃくちゃ過ぎちゃってるけどどうしても出したくて出しちゃいました~🎅🏻🤍

ずんき

皆さんあけましておめでとうございます🫶🏻💗

ずんき

2023年もずんきをよろしくお願いします🧏🏻‍♀️💘
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