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侑くんと初めて話したのは、高校2年生の1学期が始まってすぐのことだった

入学してから1週間も経たないうちに、侑くんはかっこいいと噂になっていた

そんな彼と交友関係になるどころか、大人になってまで交流が続くなんて誰も思ってもなかっただろう

たくさんの女の子から好意を寄せられていた彼と私が今こうしてお酒を飲む仲になるだなんて思ってもなかった

彫刻のような横顔をじっと見つめると、侑くんは視線に気づいたように顔を上げる

目が合うと、彼は私に向かってにっこりと微笑む

侑くんって自分のことかっこいいと思ってる?

宮侑.

え?当たり前やん。

カウンターに肘をついてもなお行儀が悪く見えるどころか、いっそのこと優美さを醸し出す侑くんは私の問いかけに当然のように肯定した

男性にしては長い睫毛に甘く曲線を描く眦

どこを切り取っても絵になりすぎる貌

見れば見るほど美しい

魅了の悪魔を横目に紫花を溶かしたように甘い香りのするグラスを手に呷ると、侑くんは何が面白いのか隣で笑う

低く喉で笑う姿すら毒になり得るのだから、嫌味な男だ

宮侑.

なんや(笑)

宮侑.

機嫌悪いな。

宮侑.

相談乗ったろか?(笑)

そういうのいいから。

宮侑.

俺とデートしてくれたら何でもしたるで。

そう言って侑くんは自分のロックグラスを傾けて見せた

カラン、と氷が透明な音を鳴らす

この男はどんな美女でも裸足で逃げ出すほどの美貌の持ち主なのだ

そんな侑くんが私みたいな平凡な女に粉をかけ続ける理由に気が付かないほど私は馬鹿じゃない

侑くんはきっと自分の顔の価値をよく理解している

そして、それを最大限に利用する癖に、大事なことは口に出さない

そういうところがムカついてしょうがない

私の行くとこ行くとこに偶然を装って現れないでくれるなら考えてあげる。

宮侑.

え〜?

宮侑.

そんな悲しいこと言わんといてや〜

思ってないくせに(笑)

宮侑.

俺のこと嫌い?

侑くんは口元だけで笑った

それからゆっくり目を細めて言う

それはまるで、獲物を狙う蛇のような目つきだった

侑くんのそういうとこほんと嫌い。

宮侑.

そ〜なん?

宮侑.

俺は〇〇ちゃんのこと好きやけどな。

いつもと違う雰囲気を纏って言う侑くんに少しドキッとした

私のこの胸の高鳴りはお酒に酔ったものじゃない

きっと彼に酔っているから__________

fin.

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