みな

本当にありがとう

余命宣告を みなに告げた日から

みな とずっと話すようになった

みなはいつも私のことを気にかけてくれる

気を遣わせちゃってるのかな……

もうすぐ死ぬ私に

こんなにも優しくしてくれる

言えるわけないじゃん

あんなに心配したみなに

本当のことなんて。

これ以上 事実を話したら

みなは今よりもっと悲しむ

みなを悲しませたくないの

だから許して

約束を破った私をどうか許して

みなと話してると楽しい

今日の夜も楽しみだ

最後のご褒美 堪能しなくちゃ

21時45分

声が聞こえる

誰の声……？

聞いたことある、落ち着く声

私たちは 屋上へ続く階段を登って行った。

とてもわくわくする

みなとこうして

一緒に流れ星、幸せな夜を過ごせることが出来るなんて。

私ってば本当に幸せもの

そこには満点の星空が広がっていた

流れ星も見える

自然と涙が出た

みなも 泣いていた

綺麗な涙だった。

私達は似ているんだ

本当に幸せだ

私達は笑いあった

これまでにないくらい笑った

泣いて笑って

また泣いて

笑った

くだらないやり取りが幸せだった

みなといられるこの時が

一番幸せだったのかもしれない

翌日

翌日

私はまた嘘をついた。

本当は昨日

なんだか気持ち悪くて

呼吸ができなくて

吐き気がして

意識を失ってたの

その時の記憶、私は覚えてなかったけど

お母さんが教えてくれた

泣きながら。

私は今まで隠してたこと

昨日の出来事

今どんな状態なのか

全てを話した。

みなは言葉を失っていた

もうすぐ死ぬということを

悟ったんだと思う。

私が 3週間も生きられないことを。

それから1週間がたった

みかは 休みの日も

部活が大変で疲れている時も

電話やメールをくれたり

時間をかけて

会いに来てくれたりする

もうすぐ死ぬ私にこんなにも優しくしてくれる

私は幸せだ。

死ぬ時まで幸せなんだ。

この日から みかから

一切連絡が取れなくなった

それから2日

みか 死ぬ時は教えるって言ったじゃん 最後にもう一度 みかに会いたい みか みか みか 大好きだよ これからもずっと…… 忘れないから

神様 お願い

最後にもう一度

みかに会わせて

私はそう強く願った

その瞬間

部屋中が真白く光った

目の前に立っていたのは

みかだった。

私は号泣した

嬉しい気持ちと悲しい気持ちが混ざって

ごちゃごちゃになってるけど……

私達は笑いあった

最高の笑顔で

その瞬間

みかは安心したような笑みを浮かべて

消えていった

美しかった

部屋全体が光に照らされて

みかは、美しく散っていった