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健介
なぁ、先生よ
健介
こんな夜遅くまで指導したって残業代はいらねーだろ？
健介
ならさっさと終わらせようぜ
奈美保
ふざけないで
奈美保
私の仕事は説教じゃないわ
奈美保
自分の生徒を更正させるまでが仕事よ
健介
けっ先生もご苦労なこった
健介
俺みたいなろくでもない生徒なんてほっといて
健介
プライベートの時間を楽しめばいいのによ
奈美保
そういことなら問題起こさないで頂戴
健介
...ちっ！
奈美保
それで健介
奈美保
今回はなんで暴力事件なんて起こしたの？
健介
健介
・・・
奈美保
はあ、またダンマリ？
奈美保
このままだと私はあなたが暴力事件を起こした
奈美保
という事実だけで処分を決めることになるわ
奈美保
もしそうなったらあなたは..
奈美保
無期停学または退学になってしまうわ
健介
辞めさせたいならそうしろよ
健介
別に俺はいいぜ？
健介
学校もつまらなかったしさ
奈美保
あんただけの意見で学校を辞めさせるわけにはいかないわ
奈美保
親御さんのお金が使われてるのに
奈美保
つまらないという理由だけじゃ辞めさせられないわ
健介
うちの事情なんて関係ないだろ
奈美保
家庭の事情だけじゃない
奈美保
今後のあなたの人生にも関わるわ
健介
けっ熱血女教師なんて今時流行んねーぞ
奈美保
流行ってないからって熱血をしちゃだめってわけじゃないでしょ？
健介
そういうのがうぜぇんだよ
奈美保
うぜぇ先生でごめんなさいね
奈美保
恨むならクラス分けした主任に言って頂戴
健介
奈美保
ねぇ、健介、私はあなたを責めたいわけじゃないの
奈美保
この暴力事件の真相を知りたいのよ
健介
俺が殴って相手が怪我した
健介
ほらよこれが真相だ
健介
はやく処分を決めてくれ
奈美保
・・・
健介
なんだよ？俺は嘘は言ってねえぞ
健介
事実を話しているのに帰さないなんて横暴だぜ？
奈美保
・・・
健介
さ、これでいいだろ？
健介
俺は帰らせてもらう
奈美保
これは暴力事件を見ていた通行人の話だけど
健介
へ？
奈美保
そもそも向こうが最初に暴力をふるってきたようね
奈美保
そしてあなたは応戦するため仕方なく相手を殴った
奈美保
これならあなたは正当防衛が下って処分も軽くなるわ
健介
・・・
奈美保
でもこれだと分からないところがある
奈美保
なぜあなたは自分は正当防衛をしたということを主張しなかったのか
奈美保
そもそも健介がそんな奴らと小競り合いを起こした動機が知りたいの
奈美保
私はあなたがなにもなしに暴力をふるうような奴じゃないことは知ってるわ
奈美保
言いにくいと思うけど私に話てくれない？
健介
・・・
奈美保
あなたはまだ一人では何も解決できない
奈美保
だからこそ私達が力を貸してあげるの
健介
・・先生
奈美保
そしてあなたが大人になったら同じような考えを持つ子に手をさしのべてあげて
健介
健介
・・実は俺の中学の後輩が
健介
そいつらから恐喝されているのがわかって・・
健介
しかもそのあとも弱みを握ってお金を巻き上げているようでさ
健介
だから俺はそいつと話をつけようと思って会ったら
健介
こんな取り返しのつかないことになって・・
健介
それで暴力までふるってしまって・・
健介
ほんと馬鹿だよな
健介
自分で解決できるって自惚れてたんだ
健介
警察まで来て女手一つで育ててくてた母親にまで迷惑かけて・・
健介
だから俺は学校やめて働いて詫びようと思ったんだ
奈美保
なるほど・・そういうことね
奈美保
つまりあなたはたくさんの人のために自分を犠牲にしたのね
奈美保
話してくれてありがとう
健介
先生、実はまだ後輩たちの弱みが握られたままなんだ
健介
虫が良いのは分かってるけど・・
健介
助けてくれ・・
奈美保
ええ、任せなさい
ー６年後ー
奈美保
ふぅ、また新年度かぁ～
奈美保
今年もいろんな生徒がはいってくるんでしょうね
奈美保
まぁどんな生徒でもどんとこいよ！
？
先生が面倒見るのは生徒だけじゃねーぞ！
奈美保
へ？
健介
よぉ先生♪
奈美保
な、あんた健介⁉
健介
久しぶりだな！先生
健介
まだ熱血やってんのか？
奈美保
え、えぇまだやってるけど
奈美保
ってちがう！
奈美保
なんで卒業生のあんたがここにいんのよ！
健介
そんなの決まってるだろ？
健介
俺は今年から教員試験に受かって教師になったんだよ
奈美保
えええええーーー！
奈美保
あの健介が教師⁉
健介
なんだよ失礼だな
奈美保
あ、いやそうじゃなくて・・
健介
先生の責任だからな・・
奈美保
え、私？
健介
先生があのとき同じような考えを持つ子に手をさしのべてって言ったから
健介
だから俺は自分みたいな生徒を教養できるこの職を選んだんだ
健介
あのとき俺を助けた先生みたいにな！
奈美保
・・・///
健介
というわけで・・
健介
未熟な後輩だけどよろしくお願いします！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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