涼風
初めまして、涼風翼です
涼風
これからよろしく!
初めて先生と会ったのは
高3の4月だった
菜子
ねぇ、あの先生…
しろ
涼風先生?
菜子
うん
菜子
結構イケメンじゃない?
しろ
そうだねぇ…
最初は、ただの先生って思ってた
教頭
涼風先生は
教頭
3年2組の担任をお願いします
菜子
私たちの担任だって!
菜子
あの先生
菜子
学校の人気者になりそうだね
しろ
うん…
涼風
これから1年間
涼風
君たちの担任になる
涼風
涼風です、よろしく!
涼風
早速…自己紹介するか笑
でも
日が経つにつれて
その思いは変わっていった
しろ
でさ、涼風先生がね?
菜子
んー
しろ
菜子、聞いてる?
菜子
聞いてるよ
菜子
でも…気になるんだけどさ
菜子
最近しろ、涼風先生の
菜子
話ばっかしてるよ?
しろ
えっ
しろ
そう…かな?
菜子
うん笑
菜子
もしかして、好きだったり?笑
菜子にそう言われて
顔が熱くなって分かった
私は…涼風先生のことが
好き、なんだ
しろ
菜子ー
菜子
どした?
しろ
相談が、さ
しろ
あるんだけど
しろ
私ね、実は
しろ
涼風先生のこと、好きみたい
菜子
うん
菜子
だよね笑
しろ
え?
菜子
しろ、バレバレだよ笑
しろ
えええ?!
菜子
涼風先生のことになったら
菜子
必死に反論するし
菜子
ぎこちないし
しろ
そんなに?
しろ
恥ずかし…
菜子
で?相談って?
しろ
好きって
しろ
伝えた方がいいのかな?
しろ
ほら、もう私達…
しろ
卒業するじゃん
そう
私がこの相談を
菜子にしたのは
卒業式の1か月前
菜子
そーだねぇ…
菜子
しないよりはマシだと思うよ
菜子
後悔しないだろうし
しろ
そっか…
涼風
おーい、柊
涼風
ちょっと手伝ってくれないか?
菜子
あ
菜子
丁度いいじゃん
菜子
告ってきなよ
しろ
え?!
しろ
ほら、でもまだ
しろ
心の準備が!
涼風
柊ー?
菜子
いいから!
菜子
言ってこないと許さないよ?
しろ
えぇ…
手伝いは
先生がよくいる
国語科研修室で
書類の整理だった
涼風
ごめんなー?
涼風
こんな事頼んじゃって
しろ
いっ、いえ
しろ
私でよければ
涼風
ありがたいわー
涼風
頼んで快く受けてくれるやつ
涼風
って考えたら
涼風
柊が一番最初に出てきてさ
しろ
えっ…
涼風
よしっ、終了!
涼風
助かったよ、ありがとう笑
そう言って
先生は私の頭を
撫でてきた
しろ
あのっ、先生
涼風
あっ
涼風
ごめん、嫌だったか?
しろ
そうじゃ…なくて
しろ
好き
しろ
好きです、先生
俯きがちにそう言って
目線を上げたら
少し困った顔の涼風先生
しろ
ぁ…
涼風
ごめん
涼風
気持ちはありがたい
涼風
だけど…
涼風
やっぱ教師って立場があるし、さ
涼風
気持ちだけ、受け取っとくよ
この後は
なんだか先生といるのが
気まずくて
ずっと、避けてた
それは卒業式の後も続いて
気がつけば、
私や菜子は
大学生になっていた
菜子
で、どうなの
しろ
何がー?
菜子
気になってる人
菜子
いないの?
しろ
いないよー
菜子
え、ほら!
菜子
先輩とかバイト先の人とかさ
菜子
1人くらいいるでしょ?
しろ
いないってば笑
そう
私はまだ先生への気持ちを
忘れられずにいた
菜子
え、てことはもしかして
菜子
まだ…涼風先生のこと?
先生は
「新しい恋を見つけて?」
って言ってきたけど
大学生になって
色んな男性と
接する機会が増えても
好きになる人は
誰一人いなかった
しろ
うん
しろ
永遠、片思いだよ