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ガヤガヤ
人混み合うは鳴り響く
鈴の音
そう此処は
娯楽町4丁目我楽多神社である
千里
千里
琥太郎
琥太郎
千里
千里
私は
弟のコタローと
この娯楽町(ごらくちょう)
4丁目での
我楽多神社(がらくたじんじゃ)に来ていた
屋台が並び
お台場からの太鼓の音
そして時々鳴り響く
鈴の音
千里
琥太郎
琥太郎
千里
琥太郎
コタローが指を差した方を見ると
彩鮮やかなお面が並んでいた
千里
琥太郎
琥太郎
コタローは小さい背を伸ばしながらも
ピンクのウサギのお面に手をかけた
千里
琥太郎
私は
コタローの代わりにとってあげると
代金を払い
コタローの頭に被してやった
千里
千里
琥太郎
千里
琥太郎
くしゃっと笑うコタローの顔
コタローといると、とても
幸せになる
でも、まさか
そんな幸せを
今日
攫いに来るなんて
琥太郎
千里
琥太郎
千里
千里
私は昔から
体が弱かった
食べ慣れない物を口に通しただけで
気持ちが悪くなったり
嘔吐を繰り返す
そんな苦痛をコタローは消すように
私に構ってくれた
琥太郎
琥太郎
琥太郎
心配そうに私を見つめるコタロー
寂しそうな顔だ
できれば生きて動けてる時まで
コタローに構ってやりたい
千里
私は弱々しく笑って返した
琥太郎
ぽーんぽーん
目の前を
ピンクのボールが横切った
屋台の商品かな?
子供
子供
千里
琥太郎
私が行くより
コタローが先に身を乗り出した
千里
琥太郎
琥太郎
琥太郎
千里
千里
琥太郎
と笑って返す
これが最期だった
コタローの笑みは
千里
ボールは
道路まで出ており
一人寂しく転がっている
夜道は暗かったため
周りが見えないが
流石に車は来ないだろう
くるならライトをつけているはずだ
琥太郎
琥太郎
コタローがボールに触れた瞬間だった
ブォォオオ
千里
琥太郎
目の前を
暗闇に紛れたトラックが横切った
一瞬だったんだ
何が起こったかも
パニックで
ただ
そこに立ち尽くしていた
千里
千里
トラックが通り過ぎると
そこにはズタズタにされた
血肉の塊があった
千里
力を振り絞り叫んだ
そのあと意識が遠のいた
警察
警察
警察
警察
母
母
父
父
母
親は泣き喚いた
私も泣いた
でもパニックにより
泣いたというよりは
なんども記憶を失った覚えしかなかった
御坊さん
千里
母
父
手をしっかり合わせ
琥太郎に願った
どうか
どうか
全てが夢でありますように
でも夢じゃなかった
琥太郎は還らぬ人となった
私は落ち着いたものの
精神ダメージが多く
少しの間精神病院へ通った
精神科の先生
精神科の先生
千里
精神科の先生
精神科の先生
千里
精神科の先生
千里
精神科の先生
精神科の先生
千里
自分のいる意味がわからなくなってしまった
コタローがいないのは悲しい
でもまたそれも運命だったのかもしれない
わかるわけないじゃない
…………