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怪盗 時雨桜

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怪盗 時雨桜

30 - ニセモノ

♥

50

2022年02月07日

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〜彩莉 side〜

過去の話って、一体何のこと……?

それに、私を壊すって……?

凪沙

知ってる? 『藤咲』は、私のお母さんの旧姓。

凪沙

本当の名前は佐野真由美

彩莉

え……?

凪沙

ここまで聞いたらもう分かるよね。

凪沙

君のお母さんは、本当のお母さんじゃない。

凪沙

私のお母さんが成り代わってるの

彩莉

え……な、なんで……?

彩莉

どういうこと……!?

お母さんは、私の お母さんじゃなかったの?

じゃあ、本当のお母さんは誰??

凪沙

さっきの事件と照らし合わせれば分かるでしょ?

凪沙

君の両親は殺されてるの。

凪沙

あたし達ファントムに

彩莉

殺、され……?

彩莉

──っ!?

ふと、あの時見た夢を思い出した

真冬が出てきて、そのお姉さんが 目の前で両親を殺される、あの夢

そして、さっきからみんなが話してる “10年前の事件”

どうも、内容が組み合わさる

彩莉

あの時の、夢って……。

彩莉

本当のことだったの……?

そして私は、夢に出てきた あの女の子で……

彩莉

私が……真冬の、お姉ちゃん……?

真冬

っ……!

真冬

ち、ちがっ……!

凪沙

いとこ同士って言ってたのは、昔の事件を思い出させない為だよね。

凪沙

だから、あたしのお母さんが母親のふりをして、シングルマザーの家庭を装った。

凪沙

面白そうだから、あたしも『彩莉』の友達として加わってたけどさ。

凪沙

本当はあたしのお父さんもいるしそれなりに稼いでるし、普通に裕福な家庭だったわけ。

凪沙

だから、お金がなくて困るなんてこと、ほとんどなかったでしょ? シングルマザーなはずなのに

彩莉

っ……!!

思えば、私の家にいたはずの お父さんの気配が全くなかった

お父さんの写真とか物とか、 何かしらないとおかしいはずなのに

彩莉

(なんで、疑わなかったんだろうっ……)

前までは、お母さんが思い出したく ないのかな、とか思ってたけど、 それにしては徹底しすぎてる

彩莉

(元々、お父さんはあの家にいなかったから……!)

真冬

いい加減にして!!

真冬

ボクらは姉弟じゃない!!

真冬

ただのいとこ!!

真冬

凪沙が全部嘘言ってるだけ!!

真冬

兄さん、そうだよね!?

彼方

…………

真冬

ねぇ、兄さんっ……!

彼方

っ……全部本当だよ

真冬

っ……!?

凪沙

じゃあ、こんな状況でテロ阻止なんて出来っこなさそうだけど、せっかくだしこれからの流れを教えてあげるね。

凪沙

まずあたし達は、開会式終了の花火と同時に仕掛ける。

凪沙

会場中に設置しておいた爆弾を使ってね。

凪沙

そして、その混乱に乗じて各首脳を殺す。

凪沙

それで終わりだよ

分からない

凪沙のしたいことが全く分からない

どうしてファントムに入ったの?

どうして私達を苦しめるの?

そんなことをして、本当に楽しいの?

彩莉

ねぇ、“なぎちゃん”……!

去っていく背中に、 思わずそう呼びかけた

凪沙

…………。

凪沙

ごめんねまーちゃん、でもこれが、今のあたしの生き甲斐なんだ。

凪沙

もう一緒に遊べなくなっちゃうけど、許して?

彩莉

っ……!

彩莉

なぎちゃ……

なぁ。

あー、こんな時に口挟むのもあれやけど……

凪沙

……何、探偵さん

いや……佐野さんってさ、

ほんとに俺らの敵なん?

真冬

え……?

……坂田もそう思ったか。

部外者の俺らには、今の話が、こちらにファントムの作戦を話して“くれている”ように聞こえた

凪沙

もしそうだとして、これからみんなにどうにかできるの?

パァンッ

彩莉

ひっ……!?

凪沙

……あたしは本気だよ

銃声が鳴って、私の顔のすぐ真横を、 何かが通り抜けていった

その拍子に、いつもしている 私の三つ編みが取れる

凪沙

そっくりじゃん、二人とも

そう言い残して、とうとう凪沙が 去ってしまった

〜真冬 side〜

九葉

ちょっと彼方兄、なんで撃ち返さなかったの!?

九葉

あんな裏切り者に怖気付いたわけ!?

彼方

っ違う!!

彼方

大体俺が実銃なんか持ってるわけないだろ!

凪沙が去って早々、九葉と彼方さんが 言い合いを始めた

九葉

はあ!? じゃあそれって……

おもちゃだろ。佐野が持ってた本物と見比べりゃ全然違う

友弥

やっぱり、なんか形がおかしいと思ったら……

ボクも薄々気づいてはいたけど、 やっぱり彼方さんが持っていたのは、 偽物の銃だったらしい

ここは暗いから、偽物だってバレずに 威嚇できると思ったんだろう

九葉

っ……もう銃のことはいい。

九葉

探偵、さっきの話どういうことなの?

お前ら、佐野の話を聞いてて違和感はなかったのか?

真冬

違和感……?

ほら、裏で操っとるって話も、まるで4人のことを手助けしとったように聞こえたし……

何より最後の作戦の話、さっきも言ったがこちらに作戦を流しているように見えた。

お前らの精神状態を揺さぶって、行動不能にさせようとしていたのは事実。

けど、部外者の俺と坂田には、全くもって効いていない。

そこで俺らがこの話をして、さっきの作戦通り再びテロを阻止させようとしたんじゃないか?

もうここまで来ると、逆に敵なのかが怪しくなってくるぞ

友弥

じ、じゃあ、昔の事件を面白いって言ってたのと、真夏ちゃんの話をしたのは、どう結論づければいいの?

前者は嘘。そいつの話に関しては、何か他の意図があったんだろ

とにかく作戦を聞いた以上は、俺らだけでも行くしかないっすよね

あぁ。ただ、お前らは無理するな。

もし来るなら、ちゃんと気持ちを整理してから来い。中途半端な気持ちじゃ足手まといになるだけだ。

行くぞ、坂田。もう時間がない

はい!
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