一覧ページ

サイキッカー!!

第14話 - 14杯目/志は同じ

478

2025年08月19日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

彰人

……この建物だよな。

冬弥

あぁ、間違いないと思う。

彰人

よし……

彰人

…じゃ、行くか。

冬弥

あぁ。

彰人

…怪しすぎね？

冬弥

薄暗くて人の気配も感じないな。

彰人

(やっぱ罠だったか？決断ミスったか？)

彰人

(いや…でも、2人で決めたことだ。)

彰人

(逃げることも、後悔もしないって決めたろ。)

冬弥

入るか？

彰人

おう、入る。

冬弥

分かった。

キィ…

彰人

！

彰人

(立体駐車場か？)

彰人

(つーか、本当にこんな場所で…？)

えむ

興味を持ってくれたようで嬉しいです。

彰人

！

彰人

(鳳えむ…一人か？他に人の気配はしないが…)

えむ

今ここには、私たち3人しかいません。

えむ

私は護衛もつけていませんから、貴方たちがその気になれば、私を制圧するのは容易いと思います。

えむ

これで、少しは安心していただけますか？

彰人

…そうですね。

えむ

それは良かった。では早速、本題に入りましょう。

えむ

私たちと組み、今の異能規制隊と世の中の風潮を変えませんか…と、先日問いましたよね。

彰人

はい。

えむ

私たち"反異能規制派"は、異能規制隊から秘密裏に結成した組織です。

えむ

現在の総人数は私を含めて7名と、まだ少人数ではあります。

彰人

(むしろ、7人もいるのか…)

えむ

主な活動内容を説明しますね。

えむ

"反異能規制派"の主な活動内容は、善良な「超能力者」を異能規制隊から護ること。

えむ

貴方たち2名がしていた事と、ほとんど同じです。

彰人

へぇ…

えむ

そして、最終的には…

えむ

私、鳳えむが異能規制隊の頭首となり、超能力者の「犯罪者」のみを逮捕する組織に作り替えます。

えむ

これが、"反異能規制派"の最終目標です。

彰人

(…目標は一致してる。組織の活動内容も悪くない。)

彰人

(この話が本当なら、だが。)

えむ

東雲彰人、貴方が人を信用できないのは知っています。

えむ

今日ここに来ることも、さぞ悩んだ事でしょう。貴方なら、罠である可能性ももちろん考えていたはずです。

えむ

それでもここへ来たのは、何故ですか？

彰人

…

冬弥

俺は、行くべきだと思う。

彰人

…理由は？

冬弥

今のところ、罠である確率と、そうでない確率は同じだろう。

冬弥

それならば、どうせならいい方に賭けたい。

彰人

……相変わらず、楽天的だな。

冬弥

彰人は少し悲観的だ。

彰人

まぁな。人を信じて良かった事なんて無いし。

冬弥

なら、俺のことは信じられるんじゃないか？

彰人

え？

冬弥

俺はアンドロイドだから、人じゃないぞ。

彰人

…

彰人

…たしかに、お前のことは信じられるな。

彰人

どうせなら、いい方を信じたい、とオレも考えたからです。

彰人

オレの理想と"反異能規制派"の活動内容は、一致しています。

彰人

その話が本当なのであれば、貴方たちと組むことに異論はありません。

えむ

…108はどうですか？

冬弥

彰人と同じく、異論ありません。

えむ

貴方が信じられるかは分かりませんが、私の言ったことは真実であり、虚偽でないことを誓います。

えむ

私を信じてくださるのなら、この手を取ってください。

彰人

…

差し出された右手を取り、握手を交わした。

彰人

…はい。

えむ

108も、信じてくださいますか？

冬弥

はい。

えむ

……これで、私たちは正式に手を組む、という事でよろしいですね？

彰人

えぇ。

えむ

では、着いてきてください。仲間の元へ、案内します。

えむ

ここが、反異能規制派の本拠地です。

えむ

秘密裏の組織なので、狭くて小さいのはご了承ください。

彰人

(いやいや、十分広いし豪華だが…？？)

えむ

東雲彰人、ナンバー108。貴方たちを歓迎します。

えむ

ようこそ、反異能規制派へ。

えむ

早速、仲間たちの紹介をしましょう。

えむ

こちらはナンバー88。108と同じく、異能規制隊が作ったアンドロイドです。

ナンバー88

はじめまして。

彰人

はじめまして。

えむ

そして、こちらは暁山瑞希。異能規制隊です。

瑞希

どうも〜！暁山瑞希だよ！

瑞希

いやぁ、まさか東雲彰人くんに会えるとは思わなかったよ〜

彰人

はぁ…はじめまして。

瑞希

108くんも、はじめまして！よろしくね！

冬弥

よろしくお願いします。

えむ

その隣が、小豆沢こはね。異能規制隊です。

こはね

は、はじめまして！よろしくお願いします！

彰人

(制服……？学生か？いや、流石に異能規制隊と学校は両立できないはず…)

彰人

(あぁ、学校に潜入中とかか？)

えむ

更にその隣が、白石杏。瞬間移動の超能力者です。

彰人

え？

杏

白石杏だよー！よろしくね！

彰人

え、超能力者…？

えむ

はい。私たちの考えに賛同してくれる超能力者の方にも、ご協力頂いています。

彰人

へぇ…そうなんですね。

えむ

続いて向かいにいるのが、宵崎奏。念力の超能力者です。

奏

はじめまして…よろしく。

えむ

そしてその隣が、朝比奈まふゆ。異能規制隊です。

まふゆ

はじめまして。これから仲間として、よろしくね。

彰人

よろしくお願いします。

彰人

(朝比奈…昔一緒に仕事したことあったな。いや、けどその人はもっと歳上だったような…)

まふゆ

どうかした？

彰人

あぁ、いえ。昔朝比奈さんと仕事をしたような記憶があるんですけど…

まふゆ

一緒に？私にそんな記憶は無いけど…

彰人

ですよね。もっと歳上だったし、

まふゆ

あぁ、なら私のお母さんかな？

まふゆ

私のお母さんも、異能規制隊なの。今は幹部だから、現場には行ってないけど。

彰人

あっ、母親…そうかもしれません。

まふゆ

ふふ、お母さんと仕事したことあるんだ。良かったら今度、その話聞かせて欲しいな。

彰人

は、はい。昔のことなんで、詳しく話せるかは微妙ですけど…

彰人

(なんか、この人ちょっと圧あるな…)

えむ

今のところ、仲間は以上になります。

えむ

改めて、これから仲間として、よろしくお願い致します。

彰人

はい、よろしくお願いします。

冬弥

よろしくお願いします。

えむ

私はこの後用事があるので、誠に申し訳ないのですが、お先に失礼させて頂きます。

彰人

(これは…解散ってことか？オレも帰ろ。)

彰人

冬弥…

瑞希

ストーーップ！！

瑞希

もしかしてだけど、帰ろうとしてる？

彰人

えっ、そうだけど、

杏

うわー！淡白だって話、本当だったんだ！

彰人

はぁ？用件終わったら帰るのは普通だろ。

杏

私たち仲間になったんだよ？親睦深めようとは思わないわけ？

彰人

えぇ……

こはね

わ、私、2人と仲良くなりたいな…！

瑞希

ボクもボクも！

瑞希

って事でさ、ご飯行っちゃおうよ！

彰人

あー、今日サイフ無くて。パスで。

瑞希

おっと、その手は使えないよ〜！

瑞希

なんと！えむちゃんから封筒もらってまーす！

彰人

えっ

瑞希

多分1万円くらい入ってると思う！

彰人

ま、待て。本当に1万か？100万の可能性もあるだろ

瑞希

大丈夫！この封筒の薄さ的に、中身は1枚だよ！

まふゆ

中身確認してみたら？

瑞希

おっけー！じゃ、開封〜！

瑞希

……って、あれ？お札じゃない？

彰人

……小切手じゃね？

まふゆ

手紙も付いてるね。

まふゆ

「そこに書かれた金額の分、私の口座から引き落とされます。お好きに使ってください」…だって。

瑞希

か、金持ち！！

彰人

えぇ…いくら使われるかも分かんねぇのに、ヤバいな…

こはね

こ、小切手なんて初めて見た…！

杏

流石にちょっと、これ使うのは気が引けない？

瑞希

だねー…自腹で行くか！彰人くんたちのはボクが奢るよ！

彰人

いやいや、そんな。申し訳ないので。

瑞希

遠慮しないで！ほら、レッツゴー！！

定食屋

彰人

(押しに負けた…)

まふゆ

東雲くん、お酒は飲む？

彰人

あぁ、飲めますけど今日はいいです。

彰人

烏龍茶でお願いします。

まふゆ

分かった、烏龍茶ね。

こはね

108くんは、お水とか飲めるの？

冬弥

いいえ、不必要です。

彰人

冬弥、こっち来い。

冬弥

あぁ。

杏

あっ、ちょっと〜！私も108と話したかったのに！

瑞希

彰人くん、独占欲つよつよだね〜！

彰人

はぁ？そんなんじゃねぇよ。

杏

ちょっとだけ！108とお喋りさせてよ〜！

彰人

本人に聞いてくれ

冬弥

俺は別に構わない。

杏

やった！じゃあこっちでお話しよ！

瑞希

じゃ、彰人くんはボクらとお話しよっか！

彰人

えぇ…

瑞希

しっかし、本当に意外だったな〜。

瑞希

君とは絶対、敵対すると思ってたよ。

まふゆ

たしかに、反異能規制派だったのは意外だね。

彰人

まぁ…色々と事情が変わって。

瑞希

へぇ！もしかして君も、守りたいと思う超能力者ができたの？

彰人

あぁ、そんな所。

彰人

「も」って事は、暁山さんも？

瑞希

瑞希でいいよ！

瑞希

ボクにも、守りたい人がいるんだよね。

彰人

…そうか。

彰人

もしかして、朝比奈さんも？

まふゆ

あぁ、まぁ…今はそうかな。

まふゆ

そうだ。お母さんとの話、聞かせてよ。どんな仕事したの？

彰人

えっと、たしか…「透明化」の超能力者を捕まえるための、潜入捜査を。

瑞希

えっ、「透明化」？！捕まえるの大変そ〜…

彰人

あの時はまだ新人で、朝比奈さんにカバーしてもらってばかりでした。

まふゆ

そう…お母さん、どうだった？優しかった？厳しかった？

彰人

すごく良くしてもらったと思います。優しかったですよ。

彰人

朝比奈さんに異能規制隊のイロハを教わったようなものです。

まふゆ

そっか…なら良いんだ。

彰人

？

瑞希

奏も、ほら！ちょっとくらい喋ろ！

奏

えっ…えっと、

奏

何を喋ればいいかな…

彰人

宵崎さん、「念力」の超能力者なんでしたよね？

彰人

どういう事が出来るんですか？

奏

あぁ、うん。物を触らずに動かしたり、持ち上げたりできるよ。

奏

例えば…こんな感じで、

近くに置いてあったコップが、ひとりでに宙に浮いた。

彰人

おぉ…

彰人

どのくらいの重さまで持ち上げられるんですか？

奏

えっと…その気になれば、高層ビルも動かせるよ。

彰人

えっ、ビル？

奏

うん。ただ、そんなことしたら多分疲れて死んじゃうけど…

彰人

あぁ、なるほど…体力を使うんですね。

奏

うん。こういうコップくらいなら、あんまり疲れないんだけどね。

彰人

そうなんですね。

彰人

(本当に超能力者も協力してるのか…)

彰人

(…あの2人だけは、絶対に巻き込みたく無いな。)

杏

すごーい！本当にアンドロイドなんだ！

冬弥

はい。

こはね

88ちゃんもだけど、すごい技術だよね。

杏

だね〜！

杏

108はさ〜……って、そういえば、

杏

彰人は108のこと、「冬弥」って呼ぶんだね。

冬弥

はい。

こはね

「冬弥」って、名前だよね？

こはね

アンドロイドに名前を付けるのは、規則違反だったような…

冬弥

彰人が付けたわけでは無いと思います。

こはね

えっ、じゃあ誰に付けてもらったの？

冬弥

それは……

冬弥

……分かりません。

杏

分からない？

冬弥

はい。

杏

あっ、自分で付けた名前なの？

冬弥

いいえ、たしかに誰かにもらった名前です。

冬弥

(誰か、とても大切な人に付けてもらったような…)

杏

ん〜、記憶喪失みたいな？

こはね

アンドロイドにも記憶喪失ってあるのかな？

冬弥

分かりません。

杏

そっか〜

杏

ねぇ、私も「冬弥」って呼んでもいい？

こはね

あっ、私も！

冬弥

はい、構いません。

杏

やった！よろしくね、冬弥！

こはね

よろしく、冬弥くん。

冬弥

よろしくお願いします。

サイキッカー!!

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

478

11件

絵名が瑞希の守りたい能力者なんかな……だったら能力なんだろ……

冬弥くんやっぱりなにかありそう… 奏ちゃんの能力えぐすぎる() 続き待ってます！

類くんと司くん入ったら面白そう🤤 やっぱ冬弥くんって人間なんじゃね続き楽しみにしてるねあかまるちゃん

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

サイキッカー!!

第14話 - 14杯目/志は同じ

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説
一覧

関連するタグ

サイキッカー!!

第14話 - 14杯目/志は同じ

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説一覧

関連するタグ

#司類の新着小説
一覧